リンガーハットのレンゲはなぜにプラスチック製?

回転寿司をほどほどにして、前から気になっていた店を訪ねてみる。
リンガーハット。
歌舞伎町のど真ん中にある、超高層の映画ビル。
その一階がレストラン街になっていて、どこもそこそこ流行ってる。
けれどココはいつもお店の外にあふれるほどの行列があり、ひときわニギヤカ。
チェーンストアで、それほどココだけ人気があるのはなぜなんだろう…、と思って入ると、なんとココは券売機のない前払い。
入り口脇のキャッシャーに人が立っててそこで注文。
お金を払って着席をする。
海外からのお客様が多いこともあってでしょう…、時間がかかる。券売機じゃなく人がひとりレジに貼りつく。しかもその後、テーブルに付くとお冷を持ってきてくれたりするから、先払いが省力化には貢献しない。
だとすると、行列ができてるように装いたいからか、あるいは食い逃げ防止が狙いなのか…、と思ってちょっとさみしく思う。
お客様を信頼しては損をしちゃうという意識。ちょっと冷たく、ギクッとします。

ちゃんぽん麺を選んでたのむ。
ちゃんぽんの本場、長崎の人が一番多く食べてるちゃんぽんが実はココのちゃんぽん。
そんな風にテレビで報道されたことがある。
気軽な値段で、店も多くてだからたくさん食べられている。
「味」以上に選ばれる理由があるからだろうと、ココで食べるたびいつも思う。
できることなら、そういう理由であってほしいと思いもする。それというのも、いつ、どこで食べても一味足りなく感じるんだもん。

完全においしくするということは、主観を必要とする行為。みんなにとって完全においしいモノって絶対存在し得ないコトで、だからチェーンストアは「ひと味足りないおいしさ」にする。
足りぬひと味を、食べ手が頭の中で補う。あるいは用意されてる調味料で整えながら味わう…、だから「みんなにとってほどほどおいしい」モノになる。
このちゃんぽんはそういうちゃんぽん…、それでいい、と思うのだけど、一つ、どうにもこうにも解せぬコトを今日は発見。

れんげがプラスティックなのですネ。浅めの器に入っているからスープはれんげで味わうコトになるのだけれど、それがなんとプラスティック。
唇を含めて肌に直接ふれるモノは料理の味や食感、印象を左右してしまう大切なモノ。だから箸や茶碗、スプーンやレンゲはなるべく本物素材を使え。それが食の世界の常識なのに、それをプラスティックにしてしまえるというなんたる哀しさ。

コストダウンのためなんだろう…、と思ってちゃんぽんが入った器を触ってみたら、これが陶器でビックリします。
コストダウンが目的じゃない。
ならばおそらく、食器洗浄機の中で壊れる可能性が高い扱いづらい食器だからかと思って、しみじみ哀しくなった。

セットでたのんだ餃子の器。
柚子胡椒が入ったポットにタレ用小皿。
どれも陶器で、なのになぜだかれんげだけがプラスティック。
スープを飲むため唇をつけるとザラッと不快な感触。
しかも妙に軽くってこれじゃぁファストフード的。
もしかしたらそのうち町中の店もセルフサービスにしちゃうんじゃない…、って思ってしまうほどの感覚。フードコートの店のシステムが、これからのオペレーションのデフォルにする…、って経営陣の気持ちは多分そっちに向かってるんだろうと思う。しょうがない。

新商品という「肉・がっつりまぜめん」という料理もためす。
ちゃんぽん麺を茹でたところに肉味噌や野菜をのっけてあえて味わうという商品に、牛バラ肉の煮込みをたっぷり乗っけたもので、見た目は牛丼。サイドに紅しょうが入っているのも、牛丼感をかきたてる。
箸を入れてひっくり返すと中から麺…、というのがたのしく、甘辛のすき焼き味の肉と麺との相性も案外良くて油そばみたいなどっしりとした味の料理が好きな男性顧客を取り込みたいんだろうなぁと思って食べる。
家に帰ってリンガーハットのサイトに入って調べてみたら、これに辛味噌や肉味噌を足して味変えができるようになっているんだとかかれてた。でも前払いではそんな情報は伝わらず、チグハグ具合にちょっと笑った。なやましい。

 

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コメント

  1. Runo

    リンガーハット、以前はもっとビシッと味が決まっていたような気がするのです。それがいつからか「あれ?何かちょっと違う…」と思うことが多くなり。「美味しかったからまた行こう」ではなく「前回いまいちだったからリベンジ」という気持ちで行くことが多くなり、そうなると行く回数は同じでも気持ちのベクトルは全く違うので、そろそろ止めようかなぁと思っているところです。なぜこうなったのかずっとモヤモヤしていたのですが、今回のコラムを読んで謎が解けた気がしました。
    リンガーハットは野菜にこだわったり新しい調味料の提案をしてくれたり、手軽な外食の選択肢の1つとして良いお店だと思っていただけに、とても残念。某旅行会社と同じで、「安かろう悪かろう」ならまだ良かった。「安かろう良かろう」の無理を重ねた結果がこれなら哀しいなぁと思います。経営者も作り手も食べ手も三者happyな外食産業は難しいものなのですね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Runoさん
      サービス精神の欠如でだめになっていくのは、自業自得なのでしょうがないなぁ…、と思いますよね。
      でもサービス精神を発揮しすぎて、どこかチグハグになっていく。そんな飲食店がとても多くて、すごく切なくなっちゃいます。
      ここまで安くすることは多分なかった。
      ここまで合理化したりすることもおそらくなかったんだろうし、なによりこんなに沢山、お店を作る必要がなかったのだろうと思います。
      昔はもっとおいしかった…、とそう思うと、今、生きていることが哀しくなっちゃうのでなるべく思わないようにしているのですけれど、やっぱり昔の方がおいしかったですよね。

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