フレッシュネスバーガーの昔と今…。

曙橋のフレッシュネスバーガーで朝にする。
1992年、渋谷区富ヶ谷に一号店ができたときには、びっくりしました。
だってそれは店ではなくて「家」でしたから。
駅から近いわけでもなく一軒家を改装して作った店は、小さくけれどアメリカ的で、これをやってる人はアメリカが大好きなんだろうなぁ…、と直感させる空気をプンプン発散してた。
ファストフードのハンバーガーじゃなく、ダイナーで売られるようなハンバーガーがそこにはあって、ボクもたちまちファンになった。
それからしばらく、彼らが作るお店はどこもそういう空気を醸し出してた。二階建てのお店が多くて、例えば市ヶ谷にあった店とか四谷三丁目のお店とか、どこも店じゃなくって家的空気で満たされていた。創業者が作ったお店…、だったのでしょう。
その創業者が引退しフレッシュネスバーガーというブランドだけを残して他の会社の持ち物になってから、「家的お店」は次々閉店。

雰囲気はよかったけれど儲けることがむつかしい店だったのでしょう。会社が大きくなっていくと、創業者の思いが重荷になるということは往々にしてあるもので、最近できるお店はどこもオペレーションが簡単で、けれど味気ないお店ばかりになっちゃった。
創業時期の空気感が色濃く残る珍しい店がこの曙橋のお店であります。
半地下、一階、中二階というスキップフロアの構造の店。ここに住めたらいいだろうなぁ…、って来るたび思う。一階をリビングダイニングにして半地下は書斎兼用のホビールーム。中二階を寝室とバスルームにすれば理想に近い家になる。
住みたくなる店は居心地よい店。休日の朝にたまに二人で来てた。座る席は中二階の階段正面のテーブルで、今日もそこに座ってぼんやりします。

テーブルの上には花が一輪。
赤いペンキで塗られたブリキの箱の上に、かつてはケチャップ、タバスコ、マスタードがずらり並んで置かれていました。
今は無し。

注文をして先払いではある。
けれど番号札を受け取って座って待てば料理は運んでくれるというのが今でもうれしい。
朝のオキニイリ、ツナとトマトのサンドイッチにブレンドコーヒー。
ドッグロールは切り目を入れて、その内側をグリドルの上に押し付けこんがり焼いている。底はサクサク。歯切れが良くて挟んだツナマヨのぽってり感をひきたてる。トマトは甘くてみずみずしくてレタスの葉っぱがシャキッと後口ひきしめる。

フレッシュネスのホットドッグはおいしいもんなぁ…、だからドッグロールを使ったこういう料理がおいしいのって当然かもなって思いながらパクリパクリとあっという間にお腹におさまる。
それにしても居心地のよい店です。食事を終えてもゆっくり、のんびりしたくなる。時間を潰さなきゃいけないから長居するのじゃなく、ただただ立ち去りがたい魅力があるから長居する。そういう魅力を持ったお店が少なくなった。
トレーに敷かれたマットが間違い探しになっていた。季節商品のマッシュルームチーズバーガーのプロモーションを兼ねたもので、全部で12個。エクスクラメーションマークやピリオドまでもを総動員した大人仕様の内容でした。オモシロイ。

 

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コメント

  1. Kotaro S

    とても共感して読みました。
    この店のストーリーが分かり嬉しくなりました。

    FBでシェアさせていただきました。
    同じ席にたまたま座った今日は長居しそうです。

    • サカキシンイチロウ

      Kotaro S さん
      フレッシュネスってハンバーガーショップとは違った何かを漂わせているお店ですよね。
      家の近所にあってくれるとホッとする上、重宝できる。
      ずっとがんばってほしいなぁ…、ってしみじみ思うお店ですね。
      シェアまでしていただいてありがとうございます。

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