フォーチュンクッキーと泡とティラミス
ひさしぶりにオレンジチキンが食べたくて、ミヤシタパークの「パンデックス」。
アメリカの中国料理ってときおり無性に食べたくなって、中でもオレンジチキンは大好物。
食べたくなるとパンダエクスプレスを思い出しちゃう。
それにしても残念なのが都内でパンデックスがあるのは渋谷のここだけ。
もっと増えてもいいのになぁ…、アメリカでもフードコートブランドだから、フードコートが少ない都心ではなかなかお店が作れないのかも。勿体無い。
主菜がひとつ選べるボックス。ベースの主食をフライドライス、ミックスベジタブル半々にしてオレンジチキンを主菜に選ぶ。
最近のミヤシタパークはいつもにぎやか。フードコートの客席もほとんどいっぱい。屋外通路に設られたカウンターに座って食べる。カウンター席から見下ろす通りにも人が溢れておりました。
蓋を開くとオレンジチキンがゴロゴロ見える。ガリガリに揚がったひと口大の鶏肉に、甘酸っぱいタレを絡めて仕上げてて酢豚を鶏肉に変えたような料理なんだけどソースが独特。オレンジチキンの名前の通り柑橘系の酸味、甘味が感じられ後口さわやか。あとを引く。
オレンジチキンの下にはミックスベジタブル。ブロッコリにカリフラワー、ニンジンそれからズッキーニ。塩味のタレがからめられててニンニクが結構効いてる。フライドライスはパラパラで味わいやさしく、他の料理の味を邪魔せぬほどよさがよい。
フォーチュンクッキーの中のおみくじを読めば「今日、あなたの礼儀正しさが人を感動させるでしょう」。
そうするようにいたしましょう。
新宿三丁目に戻ってきて、ティラミスを食べたいなぁと思ってセガフレードザネッティ。
マキアートと一緒にたのむ。
1階の通りに面したカウンター席に座る。
明るくて居心地のよいい2階の席もいいのだけれど、そこにいるとタナカくんと一緒に座ったことを思い出しちゃう。テーブルの向かいの席が空っぽなことに今でもなんだか慣れない感じ。
1階のカウンター席は待ち合わせのときに座った場所です。
一緒に並んで座ることはほとんどなくて、だから今でもここに座るといつかタナカくんがやってくるような気がして、それはなつかしい。
それにお店で働く人たちが明るく元気で、気持ちも明るくなるのがうれしい。
長方形に几帳面に切り分けられた拍子木状のティラミス。泡がふっくら盛り上がる見惚れるほどにうつくしいマキアート。小さなカップから溢れてしまいそうでいて、なのにずっとそこにそのままいてくれる泡。見ているだけでしあわせになる。
そしてティラミス。
スポンジがしっとりしていて口溶けがいい。
エスプレッソとシロップを吸い込んでいて、舌にのせるとひんやりさせる。
一方、フィリングのマスカルポーネは若干硬めでしっかりしてる。フォークでスパッと切れて断面までもがキッパリしてる。
そして重たい。
上にちらかるココアパウダーが一瞬、口を乾かす感じが面白く、口の温度でそれもとろけて消えていく。
おいしいなぁ…、甘すぎず、苦すぎず、柔らかすぎず、硬すぎない。すべてが過ぎずほどよい感じがオキニイリ。
マキアートの泡をスプーンですくってティラミスに乗せる。しっかり立てたクリームみたいなミルクの泡は、ティラミスの上でもずっと形を崩さずそのままあって、ケーキと一緒に口に運ぶと上顎撫でて潰れて消える。ミルクの香りがティラミスを一層おいしくしてくれる。
ここのマキアートは本当においしい。どっしりとしたエスプレッソの苦味がミルクでふくらんで、飲み終えるまでずっとミルクの泡が消えずに残る。最後のひと口なんてエスプレッソ味のホイップクリームを飲んでるみたいに肉感的で、そのなめらかはビロードみたい。オゴチソウ。
そういえば、昔ここのティラミスは円形だった。
生地がビスケットっぽいざっくりした食感で、それはそれでおいしかった。おいしかったけどタナカくんと何度か一緒に食べたティラミスがその形。亡くした後に何度か食べてみたけれど、いろんなことを思い出して辛くなっちゃうから食べなくなった。
形が変わって出直してくれ、今ではこうして食べられる。でも一緒に食べたかったなぁ…、ってやっぱり思う。しょうがない。
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