パラリちらかるレモンパイ

月曜の朝にパスタを作った。午前中の仕事がなくて朝をぼんやり無駄遣い。
遅めにおきて、そしたらお腹がグーグー鳴った。
冷蔵庫の中には茄子。
昨日の夜に仕込んだトマトソースがあってそれならペンネを作ろう。
お湯をたっぷり沸かしてペンネをグツグツ煮込む。
量は少量。
大きな茄子は一本まるごと。パスタというより茄子の料理を作るがごとし。
乱切りにした茄子をオリーブオイルで炒めてそこにパスタの茹で汁。蓋して蒸らしてトロンとさせる。
ペンネを茹でる時間はちょっと長めの13分。アルデンテなら10分と袋に書いてあったから3分余分。ペンネはクニュっとやわらかく、そのやわらかさが肉感的でタナカくんは好きだった。

茹で上がったペンネを茄子を炒めた鍋に移してソース。クツクツ煮込んで出来上がり。パルミジャーノを削って飾って出来上がり。
トロトロに煮込まれた茄子のとろけるおいしさ。トマトソースの中にはたっぷりニンニクと赤唐辛子の風味が入って、そこにチーズのコクが混じってこの上もなくおいしくウットリ。クニュクニュプルントロリポッテリ、朝のお腹がよろこんだ。

日曜の灯ともし頃はちょっとさみしい。お供え物にしていたレモンパイをミルクと一緒に食べてしのいだ。
伊勢丹の地下のエディアールで売っているパイ。同じフロアのリチュエルだとかアンデルセンだとか、パンを売ってるお店のほとんどすべてに同じようなレモンパイがあり、食べ比べたらここのが一番おいしかった。
パイのザックリ壊れてハラハラちらかる儚い食感。ぽってりとしたクリームのなめらかさにキリッと鋭い酸味の状態。食べはじめると止まらぬゴチソウ。今日もゆっくり食べようと思ったのにムシャムシャパラパラ、あっという間にお腹に収まる。ちょっと気持ちも落ち着いた。

夜、ちゃちゃっと料理を作って食べる。
おいしい納豆を先日もらった。
ご飯にかけて食べるのがもったいないほど上等で、ひとつはそのまま、一昨日食べた。
今日はそれを料理にしてみる。
めかぶをかってそれと合わせてボウルに入れる。
なるとときゅうりを小さなサイコロ状にしたものも一緒にもって醤油を少々。
一味をかけてグルングルンとかき混ぜる。めかぶを入れると納豆の粘りが切れやすくなるのがうれしく、そこにコツコツきゅうりの食感、みずみずしさになるとのクニュンとした食感が加わりおいしい。

しゃぶしゃぶ用の豚バラ肉を軽くいためてほうれん草をひと束いれて、日本酒垂らして蓋して蒸らす。塩と生姜と胡椒と出汁で味整えてハフっと食べる。甘露なり。
しじみ味のスープのラーメンを手に入れて作ってラーメン鉢によそおう。そこに揉み海苔をたっぷりのっけて、海苔ラーメン。胡椒をたっぷりかけて香りを整える。海苔がスープを吸い込んでゆっくりとろけて麺にからんで行くのがたのしい。たのしい上にヌルンと麺がなめらかになり、海苔の風味としじみの香りが相まって磯の香りにうっとりします。
細く縮れた麺がプルンと口の中で暴れるようで、スープごくごく、一滴残さず食べてお腹をあっためる。日曜の夜、更けていく。

コメント

  1. kiko

    サカキさんの、白出汁やコンソメで下味を付けるレシピでお料理をちょくちょく作るんですが、お店の味のように格上げされて家族にも好評なんです。
    今回の豚肉料理も簡単で美味しそうなのに、未知の味付けです!
    早速試してみようと思います。

    • サカキシンイチロウ

      kikoさん
      出汁やコンソメは素材の持ち味を膨らませてくれるんですよね。洋食や肉料理のときにはそこにガーリックオイル、野菜や魚のときには赤唐辛子を刻んでいれると、味の輪郭がグイッと引き締まります。ちょっとした工夫。試してみてください。

  2. Leocco

    お腹は空いてたけど、夕飯食べる前に明日の準備をして、お腹を騙してそのまま眠っちゃおうかなと思ったんだけど・・・
    榊さんのこのブログを読んで、私もペンネを茹でました。。。
    トマト、オリーブ、ニンニクとパルメザンにオイルもたっぷり。22時過ぎに、あぁぁぁ誘惑に負けた。

    でも美味しいです♡

    • サカキシンイチロウ

      Leoccoさん
      ペンネってあるととても重宝します。パスタより安く売られていることが多いし、茹で時間をあまり気にせず使えるし。冷めてもおいしいのでパスタサラダなんかにするのもいいですよね。

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