バラは気高く咲いてうつくしく散る…。

食事を終えて銀座をブラブラ。
東京もすっかり涼しくなりました。それたとは言え一昨日、昨日の台風由来の風で空気がかき混ぜられて、重たかった空気がすっかり軽くなった。
ショートパンツは洗濯をしてお蔵入り。
軽いニットのセーターに半袖シャツが出番の季節。お洒落のしがいもあろうもの。
銀座の街のウィンドウをみながらそろりそろりとぶらぶら歩く。
銀座三越が近づいてくる。そうだ…、ラドゥレでアイスクリームを食べよと思う。かき氷よりアイスクリームがおいしくなってくる季節。お店に入ったらボクらが好きだった壁際角の落ち着くテーブルがあいていて、そこに座ってホッとする。「クープイスバハン」ってアイスクリームがメインのデザート。

フランボワーズのシャーベットとバラのアイスクリームにライチ。
ふっくらたてたシャンテリークリームにフランボワーズのソースがまるで器の中にちらかるバラの花びらのよう。
フランボワーズの酸味が鮮やか。
シャリシャリとした、ソルベ独特の尖った冷たさ、あっという間になくなる口溶け。そこにバラのアイスクリームのぽってりとした濃厚な味と香りが混ざりあう。
フランボワーズの果実がクチュっと潰れ、ツルンとハリのあるライチ。なめらかで儚いほどにあっけなくなくなるクリーム、ときおりザクッと壊れる焼いたメレンゲと、一口ごとに食感異なるにぎにぎしさも、なんとも独特。
好きだったなぁ…、タナカくんはピスタチオとキャラメルにチョコのアイスクリームを盛り合わせにしてふたりで分け合う。どちらからともなく「バラはバラは♪」ってベルサイユのばらの主題歌を歌ってハモって、笑って食べた。今日はひとりでこっそり歌う。

 

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銀座で仕事している友人に連絡をしたらひさしぶりに会おうとなった。それでちょっと時間を使う。
そろそろおいとま。地下鉄に乗るため駅までゆき、シティベーカリーでパンでも買って帰ろうか…、ってお店を覗くも目当てのパンがみんな売り切れ。
どうしようかと、その先にある根室花まるの立喰コーナーを見ると珍しくもガラガラだった。
それなら寿司をつまんで帰ろう。
カウンターの一番端の落ち着くところをもらって陣取る。
カウンターの客席側と厨房側には飛沫予防シートがはられ、ふたりが並ぶに十分の幅に仕切りの透明パネルが立っている。コロナの前から注文は注文票の紙に書いて手渡すシステム。
今となってはそれがとても時流にあってて、運のいい店、悪い店ってあるんだなぁ…、ってしみじみ思う。

あれこれ思いつくがままにたのんで食べる。
中でも秀逸と感じたのが、赤身と中とろ。どちらも本まぐろということもあり赤身はしっとり。すっきりとした酸味が旨味をひきしめる。中トロは甘くて脂がねっとりとろけ、強い旨味を吐き出し消える。
穴子も良かった。分厚く脂がのっていてこれまたとろける。たっぷり塗った甘だれの味も好みで、好きだったろうなぁ…、穴子が本当に好きだったもの。

いつものように貝をたのんだ。
ただ、今日は貝の品揃えが少々少なく、真ツブにホッキ、ホタテでおしまい。
自信のあるものだけというのがわかっているから、しょうがない。
海がそういう状態だったということでしょう。
ただ真ツブのゴリッと砕ける歯ごたえ。
バリバリ噛んでいるうちに、ゆっくりとろけてシャリと混じって消えていく。
ホッキはむっちり。やわらかいのだけどザクアク歯切れる感じもあって、軽い渋みとミネラル分を香りは上等。
ここのホタテは「2階建て」というのが独特。分厚く大きなホタテを一個まるごと使う。まず半分に切り分けて片方をシャリにのっけてしっかり握り、のっけたホタテの上にホタテをのっけて仕上げる。
上のホタテでビールが飲める。呑兵衛しようのおゴチソウ。

脂ののったサンマはヒヤッと脂がとろけて唇、口を涼しくさせる。甘いイカには山わさびをたっぷりのせて突き刺す辛味で甘みが一層ひきたつおいしさ。
パリパリ壊れる数の子に、甘くてとろけるウニの軍艦。どのネタもしっかりとした味わい、食感。ただ時間帯もあったのかなぁ…、シャリが少々ボケた感じでそれは残念。とはいえ十分たのしめました、オキニイリ。

 

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コメント

  1. あーた

    サカキさんの文章を読んでいてふとバラの香りが鼻に抜ける気がしました。
    タナカさんのピスタチオ、キャラメル、チョコと、どちらを食べるか悩みます。
    ご存知かもしれませんが、今年はとらやパリ店40周年記念だそうでピエールエルメとコラボしていて、イスパハンの小型羊羹や生菓子が出ています。
    エルメの青山ではデザートもいただけるそうです。

    • サカキシンイチロウ

      あーたさん
      そうなんですよねぇ…、イスパハンの和菓子。昨日はひさしぶりにバラのバスバブルでお姫様気分を堪能しました(笑)。

  2. りんご

    先輩に誘われて、リッツカールトン京都のアフタヌーンティーに行ったことがあります。
    タワーのようにそびえ立つ例のケーキスタンド(と呼ぶのでしょうか?)にたっぷりの紅茶が一人2ポット!!
    その名も高きイスパハンと並んで、確か白い蘭のようなお花のマカロンもあったと記憶しております。
    かなり大きな胃袋を持っていると自負しておりましたが「過ぎたるは…」という教訓を思い知らされた午後でした。
    「足りないくらいがちょうど良い」という大人の痛痒さを少し勉強したあの日。
    フランボワーズに薔薇という美しい造形を目にするたび思い出して苦笑いです。

    • サカキシンイチロウ

      りんごさん
      ラドゥレのカフェにもアフタヌーンティーセットがあるんです。
      ケーキにサンドイッチ、マカロンとそれはそれは大量の食べ物がやってきて、一度、ボクもタナカくんと食べてみたのですけれど、おやつではなく立派な食事。お腹いっぱい以上になっちゃいました。
      にもかかわらず隣のテーブルでそれをもりもり平らげて、晩御飯は何にする?って笑顔で会話できる女性の胃袋の偉大なることにびっくりしたことがありました。
      イスパハン。なんでこんなにおいしいのでしょうね。

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