ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲

大学時代の同級生の結婚披露宴に出席する今日。
同級生ということはほぼ同い年ということですから、まもなく還暦。
にして結婚。
なんたる勇気。
なんたる前向き。
なんたるシアワセ。
シアワセのおすそ分けを頂戴しに行くつもりでやってくる。

音楽が縁で知り合った二人ということで、音楽式のような趣向。夫婦二人の小さな演奏会をまずみんなで聴いてバンケットホールの空気をあっためそれからたのしい晩餐。エビとカニの冷製をアボカドのピュレとハーブで味わう前菜に、冷たいアスパラガスのポタージュが続いてお腹の入り口こじ開ける。宴会場にあって、冷たいものが食器も含めてすべて冷たくあるというのにウットリします。

続いて魚。こんがりローストした白身の魚に焼いたピンクのグレープフルーツ。ビネグレットとかぼちゃのピュレで味を整えたのしむ趣向。しっかり焼けた魚がホロリと口の中でほぐれてとろけるステキな一品。
新婦がピアノの伴奏をして、新郎がそれにあわせて歌を歌う。どちらも本格的にトレーニングを受けたほぼプロという実力で、なによりご主人が歌いやすいよう心を込めて伴奏をするピアノの音のステキにウットリ。伴奏が良ければ歌は上手に聴こえる…、夫婦もそういうものなのかもね…、って聴いてるみんなで盛り上がる。

パッションフルーツをゼリーで固めた口直し。
それに続いて牛肉のフィレ。
表面こんがり。焦げる寸前まで火を入れて、けれど中は美しいロゼ。若干ひんやりしてはいるけど生ではなくて熱がしっかり入っている。牛肉が一番おいしい状態のこれ。
赤ワインのソースをからめてパクリと食べるとネットリ舌にからみつく。マッシュドポテトがサイドをかざる。ポッテリなめらか。じゃがいもとバターの風味が濃厚で、軽い酸味が甘み、旨みをひきしめる。

この歳になって結婚披露宴に呼ばれるということは、ほぼ仕事の関係。お客様のお子さんが結婚式をあげる機会で、だから披露宴でも仕事の話で盛り上がる。けれど同級生の披露宴。昔話や近況報告。あるいはそれぞれ今関心のある話だったりとこういう機会でもないとできない話に花がさくのがたのしい。

あっという間の3時間ほど。そろそろ〆。デザートのチョコレートムースがやってくる。ひな壇近くに大きなケーキ。ケーキ入刀のセレモニー。用意ができそれと同時に、て周りに列席者が写真を撮ろうと集まって、なのになかなかセレモニーがはじまらない。
バックにずっとワグナーのニュルンベルクのマイスタージンガーの前奏曲がかかってる。
そのクライマックスでぜひ入刀をしたいんだ…、とそのクライマックス待ちで5分ほど。夫婦二人はナイフをずっと持ったままじっと待ってる。それをみている人も待ってるというこれほど長いケーキ入刀セレモニーはおそらく世界一なんじゃないかって思いもしました。そんな今日。幸多かれとケーキを頬張る。春のコト。

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