Dr.ペパーに朝そば、バイロンマキアート

渋谷からバスにのって四谷三丁目に戻ることにした。
乗換なしだけど一時間に1本、あるいは2本という本数少なめ。昔は用事が終わると家に飛んで帰りたかったからほとんど乗ることはなかったけれど、待つ人いない家に帰るのに急ぐ必要はあまりなく、こうしてバスで帰るのが好きになった。
移動じゃなくて旅行をしているような気がして、今日ものんびりバスの旅。
バス停の前の自販機にドクターペパーがあって15分ほどバスを待つまにグビリと飲んだ。スパイシーで独特な香りの泡が喉をくすぐりお腹をつねる。オキニイリです、ひさしぶり。

木曜日の朝。ひさしぶりに市ヶ谷に来た。
駅からちょっと歩いたところにある「そば処瓢箪」という立ち食いそばの店があって、そこで今日は朝そばにしようと思った。
近所に6年ほど住んでいた。
二人の終の棲家と思って買った部屋だったけど、事業に失敗して手放すことになっちゃった。競売中の広い部屋でほぼ収入はなく、することもなく、それでも不思議と絶望的な気持ちになることはなかった。
処分が決まったらやりたいことがあったし、何よりタナカくんがいてくれた。
でもすごく早く目が覚めて眠れなくってぼんやりしてると、そばでも食べに行こうか…、って一緒にここでお腹をたのしくあっためた。

熱々なんだね…、ここのそば。汁が熱い上に上にのっける天ぷらが、油をたっぷり吸い込んでチリチリ花を咲かせるように衣が細かくくっついている。その油がとけて汁の上を覆って、ずっと熱々が続くんですね。
熱いからふうふうしながら、それでも熱さがおいしくて唇や舌、喉をしたたか焼きながらごくごく飲んであったまる。
麺はちょっとやわらかくってお腹に負担がかからぬ感じ。かえしの風味がキリッとしていて、味が強いのだけどごくごく飲める。最後の酸味おいしくて後口スッキリ。体が芯からあったまる。なによりひと切れ、薄切りにしたかまぼこがのっかっていて彩りきれいで得した感じがオキニイリ。ひさしぶりに来たけど、買った食券をカウンターに置く位置でそばかうどんかを伝えるシステム。味も値段も変わらないのにホッとする。

 

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坂道をちょっと上がったところに「バイロンベイ」ってエスプレッソバーがあって、そこでぼんやり。
小さなお店。
ほぼ厨房で窓に面したカウンターに5人も入ればもう一杯。
女性スタッフが陽気にいつも働いていて、作ってくれるコーヒーも陽気な味わい。
明るい苦味と軽い酸味。
オキニイリはマキアート。小さなカップにやってきて飲むというより口に含んで舌にのっけて味わう感じ。泡はぽってり、ミルクの甘みがエスプレッソの苦味や酸味をやさしく包んでくれるところにウットリします。しばらくのんびり。窓の向こうの街の気配をながめて時間をすごしましょう。

 

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コメント

  1. てつさぶろう

    素敵な時間

    ありがとうござぃます。

    • サカキシンイチロウ

      てつさぶろうさん
      ほんのちょっとだけの時間の無駄遣い。ありがたくってしょうがないです。

  2. タヌ吉

    Dr.ペッパーって若い頃はコークなんかの炭酸がない時の間に合わせで飲むくらいの好きでも嫌いでもない感じでしたが、年取ったらやたら自分も好きになってしまいました。

    Dr.ペッパーのダイエット仕様(0Cal)もお試しで飲んでみましたがやっぱり普通のがおいしいですね。

    サカキさんも過去に書いてらっしゃいましたが、ガストのドリンクバーには何故かあるんですよね。同じすかいらーく系の他の店舗にはないのに不思議です。

    • サカキシンイチロウ

      タヌ吉さん
      ガストのドクターペッパーってちょっと味わいが優しいように思うんですよね。
      どうせ体によくないに決まっているんだから、甘くて泡がバチバチしたのを飲みたいなぁ…、って思います。

  3. よおぜふ

    あんまりお財布を痛めないで、それでもふくふくとした良き時間を過ごす。東京での急がないバスの小旅行。せわしさを眺めながらも、自身だけはゆっくりしてみる。なんて贅沢なのでしょう。
    2年前くらいに、都バスに初乗車したのですが、普段通ろうとはしないエリア(千束のあたり)をくまなく眺めることが出来、とても新鮮な思いをしました。
    カフェバッハを訪れる小旅行でした。

    • サカキシンイチロウ

      よおぜふさん
      地下鉄では見ることができない街の景色。
      電車だと遠くに見えるよそよそしい街の景色が、バスだととても間近で身近。
      大切な時間を無駄遣いしながら、けれどその小さな旅行の行き先がカフェ・バッハなんて、ステキなことですよね。
      今日は六本木で時間をたのしく無駄遣いしました。日差しもあったかな木曜日。

  4. 薬局の末息子

    都バスは、使いこなすととても楽しいです。今は全部の路線・停留所の時刻や今バスがどこを走っているかがスマートフォンで見られる。 https://tobus.jp/ 都営地下鉄の改札口などで大きな路線図ももらえる。山手線の東側の路線に乗っていると、小ぶりなレストランがあって、降りたくなることもありますよ。

    • サカキシンイチロウ

      薬局の末息子さん
      そのアプリ…、使っております。
      いつく前のバス停を通過しました、あと何分なんてアラートもしてくれて、重宝しています。
      都バスの旅は旅行ができない今の時期に気軽な気晴らしになりますね。

  5. りんご

    サカキさん

    私の父は夜更かしに大変厳しい人でした。
    田舎の思春期なりに行き詰った高校生の頃、受験勉強の気晴らしは雑誌で聞きかじったロイヤルミルクティーなるものを夜中に作って飲むことでした。
    美容的にも「やめときなさい!」と言いたくなりますし、そもそも田舎の一軒家で気付かないはずはないのに(うちは平屋です)、一度も怒られたことはありませんでした。
    その後、本物をいただいたとき似ても似つかないことを知るのですが、私の中のロイヤルミルクティーは冬の実家で父にこっそり見守られながら作ったあの味が基準になっている気がします。
    後になって気付く温かさにしたたか胸を打たれる事ってありますよね。

    • サカキシンイチロウ

      りんごさん
      何気なく食べているものの中に、親しい人、大切な人の影響が閉じ込められていることってありますよね。
      その人と出会うまではそんな食べ方はしなかったのいとか、他のどんなものと似ていない不思議な食べ物であるとか。
      そういう食べ物、食べ方を大切にするって、その人達のことを大切にしているような気がしますね。

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