トシノハジメのキッチンステージ

年の始めのキッチンステージ。伊勢丹本館の地下の一角、ガラスの箱の中にキッチン、それを眺めるように14席の客席がある。おいしいステージという感じ。しかも中で食事をしている様子が丸見え。キッチンがステージであると同時にガラスの箱の中のすべてがまたステージで、海外からのお客様がココの景色を写真撮ってた。異国の見知らぬ人の思い出の中に、ボクらみたいなデブのおじさんが紛れ込んでる。ごめんなさいね…、って恐縮しながら食事をはじめる(笑)。
二週間から四週間単位でプロデュースするシェフが変わって、そのときどきの独自の世界がたのしめる。けれど毎年、年末年始はキッチンステージでいつも調理を指揮してるシェフのレシピで料理ができる。

もともと伊勢丹のデパ地下にある食材をおいしい料理に帰るための提案をする…、というのがこの場所。
だからココの食材、調味料。
厨房設備のコトを知り尽くした人が考え、作る料理が本来一番ココらしいものかもしれない。
去年も同じようにここのシェフの料理を食べてしみじみ思った。
一年ぶりの年始のたのしみ。

コース仕立てでメインディッシュが選べるメニュー。
まずはアミューズグールが来ます。
蒸したかぼちゃとフォアグラをムースにしてスプーンで味わう。オリーブオイルをたっぷり上からかけまわし、一口目にはオリーブオイルの緑の香りが鼻から抜ける。
フォアグラの風味は後からほのかに漂い、かぼちゃの甘み。時折、コツコツ、奥歯を叩くかぼちゃの食感がちょっと独特。全体的に甘い料理で、なのにオリーブオイルの渋みが味をひきしめる。

そして前菜。シーザーサラダにビシソワーズ、牡蠣のアヒージョという組み合わせ。それに合わせてバゲットに松の実を混ぜたレーズンバターがつく。甘さと酸味、そして松の実の滑らかが冷たくないラムレーズンアイスクリームのようで他の料理を引き立てる。
ロメインレタスにベーコン、茹でて砕いた玉子にシーザードレッシング。ドレッシングをドレスさせずかけただけだから食べるところで味が異なる。シーザーサラダ風だと思えばこれもオモシロイ料理かもネ…、と。
ビシソワーズはトロンととろける。牡蠣のアヒージョは牡蠣そのものより煮込んだ油がおいしくてパンを浸してお腹におさめる。メインが来ます。

メインの一つはローストビーフ。
肉はイチボ。
赤身と脂のバランスのよい部位でそれを塊のまま、表面焼いてオーブンの中で5分ほど。
焼いたら休ませ、また焼いてを4回、5回と繰返し、中がロゼの状態にして切り分ける。

肉をおいしく味わうために「休ませる」ってことが大切。
そうでないと肉汁をお皿に食べさせることになっちゃう。上手に休んだ肉の中には肉汁がしっかりとどまり、口の中で飛び出してやろうとウズウズしている。それがおいしく焼けた肉。
舌の上にのせると肉は人肌で、ほんのりあったか。
焼けた肉の脂の匂いが鼻から抜ける。
噛むとジュワリと肉汁流れて、旨みを舌にひろげてく。

お皿の上に模様を描いたソースのひとつはバルサミコ。緑のソースはわさび菜をピュレにしたもの。ほのかに辛くほろ苦い、肉の旨みを引き立てる。
ブイヨンで炊いたご飯をバターで炒めたピラフがホツホツ、奥歯を叩く食感たのしくニギヤカで、肉のサイドになかなかに良い。

もう一種類のメインはパスタ。生のリングイニをトロトロに煮込んだ白菜をソース代わりにしたもので味の基本はペペロンチーノ。なのに白菜の甘味がこれほど強いものかってビックリします。昼のこと。

 

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