ツナチェダーに冬においしい親子とじそば

ドトールで小腹満たしを試みる。
今の季節の小腹満たしと言えば断然「ツナチェダーサンドイッチ」。
チーズとツナ缶は相性抜群の食材同士。
しかもどちらもが買い置きがきく食材で、だから家でサンドイッチを作るときに重宝します。
ただツナ缶の油をどの程度絞るのか。マヨネーズ以外の味をどう整えるかで、味や食感の印象がすっかり変わる。その塩梅がむつかしくって、「これ」っていうのに自分でつくると出会えない。その点、ここのツナチェダーは正解!って思えるもののひとつではある。

まずパンがあってる。
フッカリとした気泡たっぷりの軽やかな生地でにもかかわらず表面はカリッと固く香ばしい。食べる前の断面をみるとパンの面積に対してフィリングの量が少なく感じる。ところが噛むとパンがクシュッと潰れる。潰れてぺちゃんこになっちゃったときの断面はフィリングとパンの分量のバランスがとれているように見える不思議がこの料理の最大の特徴でしょう。潰れたパンが口の中でポンッと破裂するように膨らんで、口を満たす感じがたのしく食べてる!って充実感を味わうことができるのもいい。

ツナの中には細かく刻んだ玉ねぎ。チェダーチーズは最小限で変な粘りやとろけを感じずあくまで風味や旨味をくわえている程度。だから心置きなくツナの食感、味わいをたのしむことができる。ツナって少量でも存在感が半端なく、パンとの相性次第では油っこさやくどさを感じることになる。その点ここのパンのふっかりとした食感に口溶け感。なにより熱々な状態が持続するのがありがたい。
泡ふっくらなカフェラテ飲んで、ちょっとのんびり。軽くメールのチェックをしたり返信したりしながら時間を潰してそろそろ次の仕事に向かう。
座面と背中の間においたトレイを引き出し、さて後片付け。席を立つ。

本格的に腹ごしらえ。温かくやさしいもので体も一緒にあたためましょうと、永坂更科布屋太兵衛にやってくる。
新宿西口のメトロ街の中の店。
この界隈は一体、どこが一階でどこが地下一階なのかが分かりづらい立体ダンジョンみたいな構造。
JRや私鉄、地下鉄の出口がそれぞれ違った高さ、深さにあってそこから続くビルの入り口がみんなそれぞれ違った深度にある。誰かがプランをたてて開発された場所じゃなく、事業者ひとつひとつの開発スピードにプランがまるで追いつかなかった故の混沌。
動線計画がしっかりし過ぎていて開発者の意図通りに歩かされてしまうキレイだけれど人間味に欠ける最近の再開発エリアなんかよりずっと好き。ちなみにメトロ街は地下0.7階って感じの不思議なフロア。

お店は今日もおじさま、おばさまでにぎやかです。
考えてみれば若い頃の小腹満たしはハンバーガーとかラーメンとかがほとんどで、蕎麦って選択肢の中にまるで入っていなかった。
今は蕎麦がいの一番に思い浮かんでくるお年頃。
おばさま、おじさまに囲まれてする食事はなんだかホッとする(笑)。

温かいものであったまりたく、親子南蛮とじそばを選んでたのむ。名前の通り、親子南蛮を卵でとじたものが蕎麦の上にのっかったもの。好きなんだけど鶏と卵という食材に対するストライクゾーンが極めて狭いボクにとっては鬼門な料理。癖の強い上等な鶏のもも肉を使ってとじた卵が半熟状態のものは絶対食べられない。その点、皮をきれいに剥いだ鶏むね肉をしっかり固めた卵でとじたここのは理想的でオキニイリ。

蕎麦はほどよき太さでねっとりとろける。茹でて冷やされキリッと緊張したような冷たい蕎麦もおいしいけれど、熱々の汁につかってホッとのんびりした蕎麦のやさしい食感もまたおゴチソウ。
汁はやさしい。出汁の旨味はどっしり豊かでかえしの風味は最小限。卵がそれをゴクゴクたっぷりのみこんで、ふっくらかたまり茹でて仕上げただし巻き卵のようになっているのがまたおいしい。キュッキュと奥歯をくすぐるようなネギの食感、その出汁を同じように吸い込んでとろける蕎麦とどれもおいしい。一口目には一味たりなく感じる汁も、食べすすめ飲み進めていくうちにどんどんおいしくなってく。気づけば器の中は空っぽ。オキニイリです…、さぁ、帰る。

 

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