タコベルにモス

タコベルに来る。渋谷のお店。
なんでこんなところに作ったんだろう…、って思っちゃうようなやさぐれた場所。
昔は個性的な個人経営の飲食店が並ぶいい通りだったのだけど、彼らが出店した時はすでに場末ムードが漂っていた。何しろ店の向かい側には大人の男女御用達のおもちゃのお店だったりするほど。
人間の三大欲求のうち二つが満たせる場所と思えばそれもそれ(笑)。
相変わらずぼんやりとしたしずかな店です。渋谷に2つ、新橋、東京ドームに神保町。お台場、骨董通りに道頓堀と上陸3年でやっと8店。出店立地を見ると、出たとこ勝負で出店しているように感じる。若い人が集まる場所を選んでいるようでもあり、そうでもないような感じもし、唯一言えることは発信力のある場所がひとつもない…、ということでしょう。もったいない。

タコス2枚のセットをたのむ。
1つはハード、1つはソフト。ハードシェルにはタコビーフ。
ソフトシェルにはローストポーク。カスタマイズができるというのがメニューの特徴。最近、アメリカからくるファストフードのほとんどすべての特徴でもあり、日本で彼らがなかなかブレークできない理由もこの特徴。
日本人ってカスタマイズがそれほど好きなわけじゃない。
アメリカ以上にお店や料理の種類が豊富。今日食べるものや行きたい店を選び出す苦労はアメリカじょそれに比べて桁違い。なのに選んだ店で、根掘り葉掘り質問されると面倒くさくてストレスになる。選んでいただきありがとう、売り物はこれ。ぜひどうぞ…、ってお店が日本の勝ちパターン。

メキシコ料理は好きな料理のひとつなんだけど、ここの料理の貧しさったらありゃしない。
プラスティックみたいなチーズに化学的な匂いのする生地。あぁ、「おいしいものを作ろう」じゃなく「売りやすい値段で作ろう」って気持ちが伝わる。
それにしてもワカモレがネットリとろける。フレッシュのアボカドを使って作ったアボカドにはないとろけ感すらあっておそらく乳化剤と安定剤で偽の鮮度と粘度をでっち上げているのでしょう。
フレンチフライにつけて食べようと思ったのだけど、口の中がペトペトしてきて気持ちが悪く、ほとんど食べずに残してしまう。
野菜をたっぷり食べてるはずが、一向に健康的を感じないのが情けない。ドクターペッパーを飲んで気持ちをはぐらかす。

 

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タコベルと同じように「本来売るべきものを忘れて、安売りすることに執着した」ファストフードチェーンの末路を、最近のモスにしみじみ感じる。

かつてはちょっと高いけど、高さを納得させる商品力と、手作り感が伝わる店の雰囲気があってそれで支持されていた。
今でもシニアスタッフが多く働いていたりして、いわゆるチェーンストアとは違ったほのぼのしたムードが残っていたりする。ボクの家の近所の店は、中でも多分、シニアスタッフが多い店。スタッフさんの顔ぶれもずっと変わらず。安心感に溢れてる。ただ…。
メニューが増えました。種類が増えただけじゃなく、季節商品や企画モノ。毎週金曜日限定だとか、毎月29日の日だとかメニュー構成がどんどん複雑になっていく。複雑になるっていうことをいろんな人にアピールできるって考えるのか、売り物がボケてそこに行かなきゃいけない理由が希薄になるってことなのか、微妙なところ。

モスならではの料理のひとつ。「菜摘」をたのむ。中はエビカツ。お供はコーンポタージュにする。
レタスのシャキシャキした歯ざわりに、カサカサとしたパン粉衣、むっちりとしたエビのすり身が一度に口の中に入って散らかっていく。揚げ物なのにみずみずしくて、熱々なのにひんやりしてる。オキニイリのひとつなんだけど、昔に比べて随分変わった。
エビにパテが薄く、空気を含んだ粗いものになった。
エビの風味が弱くなりパン粉衣の油っこさがかなり気になる。それをごまかそうとしてでしょうか…、タルタル系のソースがレモン風味のソースになってた。違うんだよなぁ…、食べたかったのはこれじゃなかったって思って帰る。勿体ない。

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