ソニーに見た夢、ソニーが見なかった夢、あるでん亭

神保町から流れ流れて銀座に到着。仕事を済ませて、家に帰る前に軽くおいしいものを…、と「あるでん亭」。
かつて数寄屋橋のソニービルの中にあり、ソニーの関連会社が経営していた。
一時期「アルデンテ」という商標をソニーが持っていたりもして、もし真剣にソニーが外食を科学していたらどんなことになってただろう。世界最高水準の製造技術を応用した調理システムだとか、aiboで培われたロボット工学を活かしたサービスシステムだとか、考えるだけでワクワクしてくる。
まぁ、今となっては夢のまた夢。残念だけどしょうがない。ソニービルが建て替えになるのを機会に閉店。場所を移して銀座ファイブという商業施設の今の場所で再開業した。

施設の地下です。
片側に通路。反対側に飲食店がズラリと並んでその一番端。
ビニールカーテンが通路と店の中を仕切って、それがまるでテラス席のような景色を作ってる。
入り口を入ると眼の前がキッチン。
独特な形をした調理器具が置かれてる。
満開の花の形をした調理器で、芯の部分に熱湯が湧き出るパイプ。
それを囲んで花びら状に、手のひらをすぼめた形の鋳型のトレイが設置されてる。
中には熱湯。一人前分の麺が寝かせて収まり茹でられる。
器はパイプを軸にグルリと回る。
レバーを引くと器が手前に傾いて、ザザッと麺が流れ出す。ザルで受け取りフライパンに直行させて最後の仕上げ…、という手順。
この独特な形の茹で麺器が、ソニーの仕業のように思えていつかこれがオートマティックに回転しながら自動調理を可能にするんじゃないかとずっと思ってみていた。けれど今でも手動で夢は、夢の夢。

料理はとてもオーソドックスです。
和風スパゲティがメインではなく、あくまでイタリアのスパゲティをイタリアで作られるように仕上げてくれる。
生麺ではなく乾麺で。
注文受けてから茹ではじめフライパンの中でソースと合わせて出来上がる。
ここのカルボナーラをはじめて食べたとき、玉子と脂をたよりに仕上がる濃厚さと、豪快なまでの胡椒の使いっぷりに度肝を抜かれたものでした。それが実は本物のカルボナーラだっというコトがわかったのははるかあとのコトだった。
パスタを2つ。どちらもピッコロサイズでもらう。出来上がった料理を調理スタッフが運んでくれたんだけど、目当てのテーブルにひとりしか座っていないのを見て伝票二度見(笑)。「ひとりしかいなくてビックリしました?」って聞いたら「はい!」って二人で大笑い。

選んだパスタはアリタリアというここオリジナルのパスタとアリオリオ。
舞茸と一緒にホワイトソースで炒めて仕上げたパスタの上にミートソースをたっぷりかけて仕上げたもの。赤唐辛子が風味添え。アリタリア航空のキャビンクルーが好きでくるたび注文していたというのでアリタリア。
クリームとミートソースの組み合わせがどことなくラザニアみたいな味わいで、なのに麺はむっちりとしたスパゲッティというのがたのしくオモシロイ。パルミジャーノとカイエンペパーを足して味を整え、時折奥歯でザクッと砕ける舞茸をポルチーニ?ってとても前向きに勘違いする。

アリオリオにはグリルドベーコンがたっぷりのっかる。
こんがり揚がったように仕上がる分厚いベーコンがなんと4枚。皿の端からはみ出しそうで、香りがおいしい。
お皿を覆うベーコンをちょっとどかすと中にはペペロンチーノアリオリオ。にんにくたっぷりで赤唐辛子の辛味も旨い。
いつもペペロンチーノをたのむたび、具がないことにちょっとさみしい思いをする。
でもそれで十分おいしいことはわかってる。
そば屋の粋も具なしのせいろにあるんだと言い聞かせながら食べるのだけど、そうはいってもせいろに天ぷらがお供に加わると俄然たのしくなるように、ここのベーコンは天ぷらがわり。
アリタリアは食べ続けるとパスタがほとんどなくなって、具材とソースだけになっちゃう。それをおかずにアリオリオ。
軽くのつもりがピッコロサイズとはいえ2つもパスタを食べちゃった(笑)。好きなんだからしょうがない。散歩しながら帰りましょう。

 

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コメント

  1. 薬局の末息子

    「おや、貴方には見えないんですね」とか言って、向かい合わせに皿を置いてもらうと、ちょっとした怪談(か、もっと変な客…)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      薬局の末息子さん
      それ、しみじみ怖いですね(笑)。

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