スタバからスナバ

有楽町から移動して赤坂見附。丸の内線を使えば一本、あっという間に駅に着く。
山手線の内側の東と西は案外狭くて銀座赤坂は隣町。
人に会うためスタバに寄った。
暑いんだか涼しんだかわからぬ不思議な天気。
何にしようかと思案して、小さいサイズのカフェミストにする。
エスプレッソじゃなくてドリップコーヒーにスティームしたミルクを泡と一緒にたっぷりのっけて味わうコーヒー。サラサラとした飲み口で、ミルクの泡のふわふわ感もとてもやさしい。
紙のカップがはいたスリーブに「MIS」の手書きの文字。シールじゃなくて手書き文字だと余計あったかに感じるステキ。話もたのしくはずみます。

スタバスタートでスナバに向かう。室町砂場の赤坂店。赤坂のメインストリートから一本入った路地に面した一戸建て。
田舎育ちのボクが母に連れられて初めてお江戸のそばを食べたのがこのお店。
今のようにウェブで行きたい店を調べるなんてことができない時代のコトです。ハイヤーの運転手さんに「おいしいそばを食べたいんですが」といい連れてきてもらったのがここだった。
当時は黒塗りの車がズラリとお店の前に停まってて、店に入るとスーツをパリッと着こなしたおじさんたちが蕎麦をズルズルたぐってらっしゃった。
お昼どきをはずしたからかもしれないけれど、お店にいるのは近所のテレビ局の人たちがカジュアルウェアで蕎麦をスルスル。インバウンドの人たちもぞろりぞろりと、時代が変わるとお店の景色もさまがわり。

あまりにムードが特別でたのしめなかったことを今でも覚えてる。
そばの味もあんまり好きじゃなかったかなぁ…。
昆布といりこの出汁の文化で育った舌にはかえしの風味が強すぎて、どう味わえばいいのかもわからなかった。
大人は不思議なものをおいしいと思うんだなぁ、ってぼんやり思った。
お腹いっぱいにならなかったし(笑)。
後にこのときのことを話題にしたら、母も雰囲気に圧倒されて味わうどころじゃなかったわって2人で笑った。
いい思い出です。

青年として東京にきて、東京の街に大人にしてもらった今となってはそばの楽しみ方もそこそこわかって、自分の好みのものを店々で選んで食べることができるようになった。
例えばこの店。
せいろやざるはあんまりボクの好みじゃなくて、好みは「とじモノ」。かきたまごでとじた熱々のそばが好みで中でも「天とじ」。選んでたのむ。

そばの上にはふっくらとした卵とじ。丼の内径よりもほんのちょっとだけ小さいかき揚げが玉子をまとってのっかっている。箸を玉子の下につっこみ持ち上げるとそばがズルンと持ち上がり、出汁の香りがふわり漂う。
ここの麺は若干丸い。断面の角がゆるくてズルンとすすると太い一本の麺が口の中にやってきているみたい。角張ってザクザク歯切れるそばが好きなんだけど、玉子でとじて食べる麺は、こういう角のとれたのがいい。玉子のふっくらした食感を心おきなく味わえる。
しばらくすると衣がとろけて、玉子や汁とまざりあう。衣の中からエビがゴロリと飛び出してきて、ムチュンと潰れる。丼の中の固形物がほとんどなくなり、そこにネギ。蕎麦湯を注いでほどよき濃さにしてゴクリ。お腹がポカッとあったまる。

 

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