スシニメンメン
夕方、ちょっと寿司をつまみましょう…、と、沼津港。
ココも定点観測的にたまに来たくなるお店のひとつ。
飲食店においてロケーションというのはとても大切な要素のひとつ。テナントがいつかず、どんなお店がやってきても必ず潰れてしまう悪夢のような立地があったりする。
あるいは繁盛していたお店が立地を変えた途端にダメになっちゃうようなこともあったりもする。
実はこの店も立地と飲食店の関係性の不思議に翻弄された。
かつて東京で最もおいしい回転寿司のひとつという名声をほしいがままにした頃は、寿司が好きな人たちがワザワザ集まる場所にあった。
再開開発で一旦閉店。
移転先に選んだ場所が路面の目立つ一等地。特にインバウンドの観光客が頻繁に通るところで、だからそういう人たちが多く集まるようになった。トリップアドバイザーに掲載されて、その傾向に拍車がかかって極端なときにはお客様の8割方が外国人…、って状態になってしまったりすることがある。
外国人が好む寿司ばかりが売れるようになる。
逆を返せば、そういう寿司しかにぎれなくなる職人さんたちのストレスって、大変なモノだったのでしょう。
お店の空気がギスギスしたものになってしまった。
味は変わってないかもしれない。
けれど昔のようにおいしく感じなくなっちゃって、客層も随分かわった。ボクの足も遠のきました。
とは言え、やっぱり寿司の状態は立派なモノで、たまにこうしてやってくる。
今日は夕方、5時の前。だから静かで半分ほどが空席というのどかな状態。
お店の人は珍しいほどご機嫌でした。小さな子供連れのファミリー客は別として、今日のネタとか季節の寿司を食べてやろうと来る人たちが、うずうずしながら寿司を待つ。
腕の見せ所があるからなんでしょう、うれしそうに寿司を握って客をもてなす。かつて回転寿司が、廻っている司をお客様が食べに来る場所だったころ。こういうお客様が少ない状態はロクに寿司が回っていない悲惨な時間帯。ところが今では、回転寿司でも寿司を握ってもらって食べる「廻ってもいる寿司屋」となった。だから暇な時間を見つけてくるのが正解なのかも…、と思ったりする。オモシロイ。
スミイカはネットリ甘くて、口の中でトロリととろける。
ボタンエビが一尾だけ残ってて、たのむとこれまたネットリ甘い。
ウニはあまくてとろけるおいしさ。
生のしらすは最初はゴジゴジ。噛んでくうちにこれまたとろける。軽い渋みが小魚らしき生命力を感じてニッコリ。
それにしても今日の寿司は「ネットリとろけるネタ」がメインと思って〆鯖。これも脂ののった鯖で、脂とろけるオゴチソウ。
鰻の白焼きっていうのがあって、焼いたばかりの熱々にわさびをたっぷりのっけて食べると、脂が口に広がってじんわり元気がやってくる。
貝があんまり揃ってなくて、でも「平貝がおいしいですよ」と。薦められてたのんでみたら、大きく、分厚く、ザックリ歯切れて強い甘みにウットリしました。寿司屋の厨房は季節の変わり目。春と夏の間を行ったり来たりしている。それもひとつの季節感。ほどよくつまんで店を出た。
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夜、麺を作って夜食としました。
寿司を食べると不思議なほどに熱いスープ麺を食べたくなる。
今日の気持ちはそうめんだった。
茹でたそうめんをキリッと冷やして、熱いつけダレにひたしてズルズル食べようか…、と食材そろえて家に帰った。
ただ帰る直前に、極細玉子中華麺を発見して買い、状態見たらこれがとってもおいしげで、カレーラーメンにしたらどうかと方向転換。
最近、気に入っているカレーペーストがあるのです。
油をほとんど含まない、グリーンカレーのようなペースト。スッキリとした旨みと風味。パクチーだとかセロリのようなハーブの香りが風味のメインで、ヌクマム系のアジアな旨みがエキゾチックで味わい深い。
サラサラ系で、だからスープにするとおそらくおいしだろうと、赤えびを茹でてたっぷり。茹でて出てきた旨みジュースも味足しにする。切った玉ねぎにシーフードミックスを加えてコトコト煮詰めて味見。さっぱりしていて、スプーンですくって食べるには十分だけど、麺とのからみがちょっと心配。
それで丼に松山揚げとチーズをたっぷり。ネギを刻んでくわえたところに茹でた極細麺とカレー。ナルトをのっけて出来上がりとした。
これが思った以上においしくて、お腹が芯からあったまる。食べてしばらく仕事をし、お風呂に入って出てきたら、お腹がすでに空いてるような気さえしました…、さぁ、寝よう。
そして日曜。パスタを作る。
夏が近づき、だからしばらく冷やし中華を作ろうと思ってたんだけど、おいしそうなトマトを発見。それで冷たいパスタを作ることにした。
トマトのヘタをとって半分に切る。
かなりたっぷり。ボウルに入れてオリーブオイルと塩をかけ、バジルをちぎってちらしたら、しばらく冷蔵庫の中で休ませなじませる。
パスタは極細のカッペリーニ。
塩を加えたお湯で茹でます。通常3分というパスタを倍の時間の6分。
茹でてる間に、休ませといたトマトの中にいかの塩辛をくわえてグイグイ、手で揉んでやる。トマトが潰れて芯の部分のトロトロが溶け出しボウルの中がみずみずしくなる。
そこに蟹肉。とびっこを加えて再びグイグイ揉んで、最後にタバスコをたっぷり加える。辛味と酸味、魚介類のなまぐさみをこのタバスコがなだめてくれる。
そうこうするうちパスタがほどよく茹で上がり、それを水でキリッとしめたらよく水をきる。ザルに押し付けるようにしてグイグイ押しても麺がちぎれず壊れないのがおもしろく、グイグイ水気をとったら今度はボウルの中でグイグイもみます。
もんでは混ぜ、もんでは混ぜを繰り返し麺と具材が混ぜ合わされたらお皿に盛ります。最後にバジルの葉っぱを飾って出来上がり。
トマトの酸味や甘味に風味。イカの塩辛の旨みで十分味がつく。ザクザク歯切れる麺の食感も爽快で、小さな魚卵がプチプチ爆ぜる騒々しさもまたオゴチソウ。朝がたのしく始まった。
カレーラーメンもパスタも、何が入っているのだろう⁇としばし凝視してしまいました。
いかの塩辛を具材に、そしてタバスコでなまぐさみが消えるんですね。
勉強になります。
なによりいつものことですがおいしそうです。
あーたさん
麺を主菜としておいしくしようとすると、どんどん写真写りが悪くなるんです。
カレーラーメンなんて作った直後はあんまりおいしそうに見えず、どうしようかと思いました。でも想像以上においしくてホっとしたんですよ。
タバスコはその成り立ちから若干の発酵臭を持っていて、実は納豆にも相性がいい。ぜひ、ためしてみてくださいね。
カレーラーメンの丼が素敵ですねぇ。
これは木製ですか?
納豆タバスコ(驚)!
納豆好きとしては見過ごせませんね
早速試してみます
おすぎさん
木をくりぬいて作られているんです…、このお鉢。
だから手にやわらか。
熱いものを入れても手で持ち上げることができ、しかも温度が長続きする。
重宝しています。
タバスコは辛味調味料ではなく風味調味料と思って使うと、いろんな使い勝手が発見できます。