スイカが一個にかごしま醤油。季節感と地域性

酸っぱくておいしい料理でお腹をスッキリさせようと「いちにいさん」にやってくる。
高速道路の高架下を使った商業施設の地下一階。
コロナ以前はズラリ通路の両側に飲食店が並んでいた。けれど今営業しているのはこの店一軒。他のエリアは板がはられてさみしい景色。
この状態がもう2年以上も続いている…、しかもここは銀座三丁目、有楽町駅も目の前にある一等地。
こういう景色が今、東京では珍しくないというのがしみじみさみしい。
もともと飲食店があてにしてはいけない客は「学生・若者・観光客」って言われてた.学生はいつかそこを離れる人たち。しかも長期の休みにいなくなる。若者は移り気で、学生街の店だって、学生しか来ないところはだめになる。近隣のサラリーマンやタクシーの運転手さんが来るようになって本物。つまり常連客を育てることが飲食店の人気を継続させるコツ。

観光客は同じ理由であてにならない。しかもそれが外国からの人たちならばブームが終わればあっという間にこなくなる。そういう人を東京の飲食店はあてにしていた時期があり、彼らは本当に苦労した。
この店は時間をかけて作った顧客が支えるお店。
居心地の良いカウンターに座ると角にスイカが一個。焼酎用の猪口に黒じょか。甘く煮られた豆腐と一緒にでむかえる。夏なんだなぁ…、しみじみ思いつつ目の前見れば関東醤油と甘い鹿児島醤油の器が並ぶ。季節感と地域性。そのどちらもが揃ってはじめて豊かな日本の料理になる。たったひとつのスイカが果たす役割が大きくまるで俳句の季語のように感じる。ニッコリです。

黒豚と野菜のせいろ蒸しがメインの定食。
四角いせいろにあらかじめ茹でて脂を落とした黒豚。
野菜に甘い玉子焼き。
黒酢のタレが添えられている。
このタレがおいしく酸っぱくて、今日の目当てのオゴチソウ。
キリッと酸っぱい。しかもほのかにあたたかく、なのにコホンと咳き込むことがないのがうれしい。
コクもうま味もしっかりあって、野菜をおいしく食べられる。
もやしにかぼちゃにニンジン、分厚いさつまいも。いつも感心するのがキャベツ。茹でたキャベツを長方形におりたたみひと口大にしてくれている。野菜をただただ並べて蒸したわけじゃないのがオゴチソウ。

筒状の器に入って蒸されたお寿司。甘くてしっとり。錦糸卵に酢蓮に生姜。シャリには刻んだしいたけ、干瓢。ほんの少しの分量が今のお腹にちょうどよい。その分汁がたっぷりで、どっしりとした味噌の風味の出汁のうま味にウットリします。大根、豚肉、ニンジンにネギ。具材たっぷりでメインのせいろも野菜の料理。野菜をたっぷり食べられるのってありがたいなぁ…、としみじみ思う。
蒸し上げ軽く冷ましたところに詰めた果物。パイナップルにぶどうにスイカ。スイカの皮が添えられてるのも季節のあしらい。この漬物が大好きで、もしかしたらと齧ったけれどただの皮でござんした(笑)。

 

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