「ジャックと豆の木」で山賊トーストに会う
東中野にやってきてみる。
新宿から来ると中野のひとつ手前の駅。小劇場や単館ロードショーの小さな映画館が昔は集まっていて、タナカくんとたまに来ていたなつかしい町。
駅前だけは小綺麗になったけど、駅の周りは昔のまんま。
「ジャックと豆の木」っていう喫茶店にくる。
お店の前面はガラスの壁に自動ドア。入り口にカットシートで「コーヒーとサンドウィッチ」ってかかれてる。
サンドウィッチって言うのがステキ。英語の発音により忠実になれば「サンウィッチ」だから、サンドイッチよりサンドウィッチの方がより英語的。そういえばサンドウィッチマンはサンドイッチマンじゃない。つまり人間広告塔じゃないってこと。オモシロイ。
ご主人ひとりでやってらっしゃる。カウンターにテーブル1つの10席足らずの小さなお店。座ったところの眼の前にサイフォン3機、コーヒー豆を挽くミルマシンが置かれてて、ピカピカ、現役。飾りじゃないのにニッコリします。
朝食セットのようなのはない。
代わりにトーストやサンドウィッチが安くて多彩。
海賊トースト、海賊サンド。
山賊トーストってユニークな名前の料理がちょっと気になる。
海賊はツナ、山賊にはハムとサラミが入っているという。
山賊トーストを選んでたのむ。
お供はアイスコーヒーで、料理と一緒にたのむと飲み物が30円引きになるので〆て780円。
うれしい値段。
アイスコーヒーは小さなトレーにのせられてくる。一緒にガムシロ、コーヒーフレッシュ。コースターの代わりになるうえ、これだけ大きいと水滴でグラスの底に張り付いて、一緒に持ち上がって挙句の果てに落ちちゃうようなことがないのがありがたい。
カウンターの奥の厨房からおいしい匂いが漂ってきて、お待たせしましたと山賊トースト。
こんがり焼けたトースト2枚で具材を挟んだトーストサンドウィッチのスタイル。サンドウィッチと呼ぶには具材が最小限で、それでトースト。昭和喫茶のひとつの流儀。
挟んでいるのは粗みじんのキャベツで仕込んだコールスローにトマトにハムにサラミ。トマトがクシュッと潰れて口をみずみずしくし、ハムがクニュン。サラミの歯ごたえはほとんどないけど、特徴的なガーリックの風味と辛みが味を豊かにしてくれる。
朝のお腹にうれしい量がありがたく、ほどよく苦く酸味控えめなアイスコーヒーで頭もすっかり目覚めます。