ジビエ料理は苦手だけれど猟師料理は好きだった…。

さて岐阜です。
毎月の岐阜で毎回、異なる趣向の料理を夕食に…、とそれがたのしみのひとつの訪問。
今日はジビエを食べにいきましょうと言われてちょっと身構えた。
それというのも実はジビエを売り物にしているフランス料理とかイタリア料理の店とはあまり相性が良くないのです。野趣あふれる食感、味わい、風味がジビエの特徴というけれど、人間のためにおいしく育てられた牛や豚、鶏あるいは鴨がボクにはやっぱりおいしく感じ、その先入観がボクを身構えさせたのです。
ところが車はズンズン北に向かって走ります。
岐阜の街から1時間ほど。周りはすっかり山の中。真っ暗な中にポツンと一軒明るい看板。「山びこ」という民家を改装した小さなお店。狩りする人がやってる店というのでなんだかホッとした。

大広間にテーブルが置かれてそこにはすでに鍋の用意ができている。
まずはと山菜の盛り合わせ。フキにわらびにつくしにしいたけ。どれも素朴な味つけでけれど香りのなんとも強いコト。煮たさつまいもはしっとりやさしい甘みがおいしい。
それから鹿のたたきが登場。紫色がかった赤い色の肉。生々しくて見た目はぎょっとするけれど、やわらかにしてしっとりでもあり癖をまるで感じぬ味にウットリします。どじょうにつくしの天ぷらはどちらも苦味がおいしいゴチソウ。どれもこの場所でとられたもので、ここで調理されここで食べられることで本当のおいしさを発揮するに違いないと思うと自然と背筋がのびる。

鰻の蒲焼。養殖でなく地の鰻。
若干痩せて感じるけれど脂が強くて噛むとじゅわっと脂がにじむ。
口の中がひんやり脂で温度が下がるように感じる。
滋養に満ちたおゴチソウ。

メインは猪鍋。
例年のようにイノシシを自由にとることはできなくなって、許可された分だけ捕獲できるんですよ…、と。
だから今年の猪鍋は貴重な猪鍋。
キレイな肉です。
脂と赤身が層をなし、まるでリボンのようにきれいにお皿を飾る。ざくはたっぷり。白菜にネギ。にんじん、春菊、えのきに豆腐。里芋、大根、糸こんにゃくに木綿の豆腐。荒く削ぎ切ったゴボウと種類も豊富。ラップでキレイに覆われてるのが気軽でたのしい。ニッコリします。

鍋の中には味噌の汁。まずは猪肉を数枚入れてクツクツと炊く。チリチリ、縮れるように煮え食べるとシコシコ、歯ごたえがよい。軽い獣の匂いがするけどそれほど癖があるわけでなくなにより脂がさっぱりとして味わい深い。
野菜を次々放り込み、蓋してしばらく炊いて蓋開け、あとはハフハフただただ食べる。食べてるうちに体がどんどんあったかになり、体の隅々に血が行き渡るような気がする。これに限らずどの料理もずっしり重たいというのが圧力感じるほどに味わい濃厚で、分量以上の満足感じる。これが山の底力なんだろうなぁ…、としみじみ思う。
オモシロイのがアクがまるで出ないのですね。かわりに旨味と風味が汁に溶け出して味わいどんどん濃厚になる。最後にうどんを打ち込んで、スルスル食べて満ち足りる。
ジビエ料理は好きじゃないけど、猟師料理は好きだった!

 

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