シンガポール海南鶏飯でチキンライスにラクサのお昼

赤坂にきて昼ご飯。アカサカサカスの地下の海南鶏飯にくる。
実は同じ施設の一階に新しくできたカフェに行こうと思った。
都心に何軒かある人気の店。
見るとお店も満席じゃない。試してみようと思って店の入り口で待つ。
お店の人は忙しげで、一向に呼ばれる気配もなくってぼんやり作業を見てた。
そしたらなんとあっちに行ったりこっちに行ったり忙しそうにしているだけで、料理も出ない。こりゃ、ダメだと思ってやめた。
仕組みもなければ教育をされてるわけでもない、ただの「お店ごっこ」をしているだけの店に付き合う義理もなし。

こうしてみるとチェーンストアの仕組み、教育のすばらしきコト。改め感心。場所を移して海南鶏飯。通路に面して壁はなく、厨房を囲む壁がプラナカン様式のテラスハウスのようにみえるのがシンガポールの街角的。マーライオンの彫像もシンガポール気分を煽る。

海南チキンライスを食べます。
ココのチキンライスは2種類。
ひとつは普通の茹でた鶏肉を使ったモノ。
骨付きのもも肉を茹でて、バンバン、包丁でぶった切った鶏好きさんにはたまらぬ一品。
ブルブルした皮。
皮と肉の間にはゼラチン分がたっぷりたまり、軟骨、骨の周りの脂肪。

どれもがこれ以上鶏らしい料理はないんじゃないかと思えるほどに鶏らしい鶏。
そういう鶏らしい部分があんまり好きじゃないからボクは、もう一種類の海南鶏飯。

蒸した鶏のもも肉から骨を抜いて、衣をつける。
ポッテリとした厚めの衣で、それバリッと揚げてザクザク切り分ける。鶏の唐揚げのようであり、けれど一旦茹でているから鶏肉自体の脂が落ちてさっぱり仕上がる。
鶏肉の下にはざっくり千切りにしたキャベツ。キュウリにトマト。
どれも揚げ鶏の脂っぽさをさっぱりさせる。
特にキュウリのみずみずしいことには口の中が潤う感じ。南の国の料理だなぁ…、ってニッコリします。
ジャスミンライスに鶏がらスープ。中国醤油に醤をくわえた甘くてこってりしたソース。にんにくの香りがおいしいスイートチリに生姜とネギで油をあえた塩ダレと3種類のソースを自由自在に使ってパクパク、たのしく食べる。

この揚げ鶏。ザクッと揚がって香ばしい。
だから一番端の衣まみれのところが一番おいしかったりするのがオモシロイとこ。
鶏の皮と衣が完全に一体化して、ザクザク壊れる。その歯ごたえに油の香りがたまらない。
ネギと生姜をのせると油の風味がコクなる。
中国醤油は焦げた香りが一層強くどっしりとする。
スイートチリはほのかな辛味と甘さがおいしく、それらそれぞれに味の変化がオモシロイ。
とは言え、結局、三種類をちょっとづつ使って食べるのがおいしくてソース全部がなくなっちゃうのがまたたのし。

それにしてもココのジャスミンライスのおいしいこと。
パラパラしていて、お米自体の香りがふくよか。鶏がらスープの味もほどよく、生姜の香りがよきアクセント。東京に海南チキンライスを売ってる店がたくさんあるけど、ボクはココのご飯の味付け、状態が一番好きでおかずがなくてもこれと生姜のタレだけで丼一杯食べられちゃいそう。オキニイリ。

2人でひとつ。ラクサヌードルをたのんで分ける。
ココナツミルクとエビ殻スープ。ヌクマムの香りがほのかに漂ってポッテリとした濃厚スープに、断面丸い太めの麺が浸かってる。
尾頭付きのエビが2尾。魚のすり身を揚げたかまぼこ、油揚げ。フィッシュボールかと思っていたらうずらの玉子が浮かんでて、ちょっと笑った。
エビの旨みとココナツミルクの甘み、風味がおいしくて何より香りがエキゾチック。ボクにとってのシンガポールの匂いってラクサの匂い。中国でもなくインドネシアでもマレーでもなく、それらがひとつに混じり合ってるシンガポールって国を料理にしたこういう料理になる…、って思ったりした。満たされる。

 

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コメント

  1. koku

    お店ごっことはまた辛辣な(笑 確かにありますねそういう店。でもこれ、飲食業界に限った話ではないと体感してます。人手不足や超過労働が騒がれ始めたのと同時期くらいからよく遭遇する気がする。

    この国は本当に、必要なところで非効率的なくせして、あまり効率化すると歪が生じるところで効率化に躍起になる。常に自爆の道を選んで突き進んでるように見えて、いつも不思議な気持ちになります。面白い国です。

    榊さんのブログは全体的にユルいと見せかけて、たまーに辛味酸味渋味が投入されるのが好きでございます(笑 WOWOWやイマジカに頻繁に出入りしてた時はTBS周辺もよく行ってましたが、仕事変えてからそういえばもう10年以上、赤坂六本木界隈なんて行ってない・・・まだ国会図書館がある永田町の方が縁があるくらい。すぐ近くの青山や麻布には何度も行ってるのに面白いものです。なんかデッカイ工事してたと思ったらこのサカスってヤツだったんですね~。ってウラシマにも程がある(笑

    閑話休題。まあでも、「ごっこ」で経営が成り立っているのはそれはそれで羨ましいんですけどね・・・逆に興味あるな、今度ひやかしに行ってみようかな(ぉぃ ワタシは毎日自転車操業自家発電ですorz

    • サカキシンイチロウ

      kokuさん
      日本人って完璧なプロよりも一生懸命なアマチュアを応援して、その努力に共感するところがありますよね。
      高校野球がその代表で、食べログなんていうのもプロの評論よりもアマチュアの独り言をありがたかったりする。
      それはそれでうつくしき日本のやさしさでもあるのでしょうけれど、少なくともお金を頂戴し、しかも赤坂の一等地に出店してながらプロになりきれない人たちにつきあうことはできないなぁ…、と感じたわけです。
      実は今、アマチュアがプロとしてふるまえるようなたのしい枠組みはないかと試行錯誤していたりします。だからプロなのにお店ごっこをしているような人たちには厳しくなっちゃうんです。

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