ザシェイプオブウォーター

映画を観ます。
ギレルモ・デル・トロが監督したファンタジー映画。
おそらく彼にしか撮れないだろう…、って思わせる独特な映画で、何しろ言葉を発するコトができない女性と半魚人のようなクリーチャーとのラブストーリーです。
これほどへんてこりんな物語は無いはずなのに、これほどうつくしいラブストリーはそうそうないだろうと思わせるほどすばらしい。

愛をはぐくむ二人はどちらも、一般的にみれば哀れで哀しい存在。
そんな彼らが、それぞれ自分たちらしさに正直であることで本当の愛を手に入れる…、となるとグレイテストショーマンの主題と似てる。
けれどその描き方は対極的で、グレイテストショーマンのフリークたちは、自分たちも人間だからと声高に外に向かってアピールする。人間らしく生きることを権利として要求する、つまり「リブ」です。
ところがこの映画の二人は、一般的にシアワセと言われる「コチラ側」でなく、哀れと嫌われる「ムコウ」側を敢えて選ぶことでシアワセを得る。自分たちがシアワセになるために、他人を変えるのでなく他人を忘れる。
果たしてそれが本当に幸せになることなのかどうかわからず、でも自分たちらしさを密かに選んで閉じこもる。愛だなぁ…、としみじみ思う。

しかもこの映画。音楽がよい。
ワルツからはじまってジャズで終わる、映画のすべてのシーンは音楽とともに信仰していく、まるでミュージカルのよう。
とは言えいわゆるミュージカル映画のようにずっと歌って踊ってるわけじゃない。
ミュージカル的シーンはワンシーンしかなく、けれどずっと映像に音がまとわりついて、歌っているように見えるのです。聞こえる音より見える音。それは極めて雄弁で観ているボクらが心の中で歌を歌いながら観ているような気持ちにさせる。
不思議な感覚。ウットリしました。
大人的なシーンもあります。だから万人向けではないと思うのだけど、観てほしいなぁ…、って思える映画。気に入りました、オキニイリ。

それにしてもアカデミー賞が発表されることを見越して、この時期に次々公開される名作多数。おそらく「祝アカデミー賞受賞」って一言がプロモーションに大いに役立つから…、ということなのだろうと思うけど、そんなことでしか映画を宣伝できない日本の配給会社って、恥ずかしくないんだろうか…、って思ってしまう。そんな日本に住んでるボクも、なんだかちょっと恥ずかしい。

コメント

  1. onscreen

    確かに音楽良かったですね。

    アカデミー賞でもそっち方面でも賞にからむといいのですが…

    https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/e5af076eb0d4699bb430a8e50426bd2a

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      onscreenさん
      パシフィック・リムではオタク魂を炸裂させていたデル・トロ監督。
      日本のオタク監督は恋愛を描くのが苦手な人が多いですが、こういうロマンティックなラブストーリーを描けるなんて、スゴイなぁ…、って一層感心いたしました。
      アカデミー賞…、どうなるんでしょう。ワクワクしますね。

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