サンドイッチが丼に敗北した、羽田ロイヤルデリの乱

羽田に思いがけずも早く到着。ターミナルビルの食堂フロアをぶらぶら歩く。
ロイヤルホスト系の会社がやってるレストランが3軒並ぶフロアがあって、その真中にある「ロイヤルデリ」がリニューアル。
ずっとサンドイッチとハム、ソーセージがおいしい店でやってきていた。つまり「飛行場の中にあるアメリカ的なデリカテッセン」がロイヤルデリの意味するところだったんだけど「デリ丼」なる丼メニューがメインになった。
みるとロコモコとかステーキ丼ぶりのようなモノもあるけれど、うどんもあればかつ丼、親子丼まであるという、これじゃぁ、まるで高速道路のサービスエリアのフードコートブランドみたいで、なんじゃこりゃ…、って思わず入った。入り口脇のレジで注文、お金を払う。ソフトドリンクはドリンクバーで、しかも大型モニター搭載のディスペンサー。あぁ、ますますフードコートでござります。

ロイヤルホストはひたすら「アメリカの豊かな食生活」を日本に根付かせようとがんばってきた会社で、だからサンドイッチレストランへの注力はかなりのモノでありました。
この店だって、アメリカの飛行場に必ずあるであろうデリの正しい姿を真似て作られていた。そのインテリアはそのまま流用というのがなおさら痛ましい。

アメリカ的とココで書いているのは「アメリカにある」というコトでなく、「世界共通のライフスタイルとコンセプト」という意味でのアメリカ的。
つまり、GoogleだったりAmazonだったりAppleであって、楽天だったり東芝だったりじゃない…、ってことです。
日本の社会はどんどん内向きになってきていて、例えば飲食店なんてその代表。
消費者も内向きになっているから、それはそれで辻褄があうことなんだろうけど、それはすなわち市場をどんどん小さくしてしまっている…、ってこと。
勿体無いなぁ…。もしココに今朝、ハムサンドイッチを食べたベルクがあったら、それはそれで成立していたはずでだかならなんとも勿体無い。
むき出しの厨房の中にいるのはみんな女性スタッフで、そこで作られる丼の数々を見ていると社員食堂に来ちゃったみたいな感じもしてくる。夢がない。

ステーキと鰻の合盛り丼を選んでたのんだ。真空パックの鰻に真空パックのステーキです。熱々なんだけどできたて感がまるでなくって、上にべっとりかかった甘辛ダレで無理やり味をつけて食べさせるって感じの料理。
味噌汁もディスペンサー。しかも味噌の量がギリギリにまで絞り込まれた設定で、薄い。なのに旨味があるということはすなわち化学調味料の味です。漬物もまぁ、そこそこで全体的にシャビーで貧しい。ご飯の量があまりに多くて、3分の1は残してしまった。
足りない人手を科学で補う。まっとうにおいしくする努力をしないで無難なモノでお腹いっぱいをでっち上げようとする。あぁ、この店もしばらくしたらまたリニューアルして別のモノになるんだろうなぁって思ったりする。かなり辛口、お勉強。

 

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ゲートをくぐって、さてサンゴウアンがなくなった跡がどうなったんだろうと思って覗く。
そしたらそのまま蕎麦のお店が出来ていました。
「あづみ野」というターミナルビルにも数軒店を出してる蕎麦屋で、店舗はそのまま。暖簾のロゴと袖の看板だけが変わったリニューアル。
券売機が置かれているところがちょっと、ファストフード的になっててあららと思う。
ところがメニューを見ると案外これがしっかりしている。
安売りをせず、盛りで700円、天ぷらそばが1100円と一人前の蕎麦屋の値段。しかも「ハーフそば」というメニューがあって試しにたのむ。
ハーフの天ぷらそば、900円。5分ほど待ちましたか…、お膳の上に小さなお椀。中にたっぷりの汁と漂い浮かぶ少量の蕎麦。三つ葉が彩り加えたところに柚子がひとかけ。別盛りでエビ、舞茸に大葉の天ぷら。薬味のネギに天ぷら用の塩が積まれてひと揃え。

いやはや、これは粋な商品。小腹にやさしく、しかも天ぷらが主役のようなたのしい提案。麺は若干ネッチリしますか…、粘りが強くて熱い汁の中でもなかなか伸びないように工夫されてる。汁はスッキリとした酸味が後口をさっぱりさせる好みの汁で、若干、濃口なところがここに天ぷらを突っ込んで食べてみたい…、とイマジネーションを膨らます。
天ぷらも上等です。エビはしっかりとした健康的なエビで衣はサクサク。悪くない。
ほどほどに流行っているようでお店の周りに天ぷら油の匂いが漂っているのが、罪作りだなぁ…、と思って笑う。果たしてこのやり方がこの場所で受け入れてもらえるのかどうか、次に来るのがたのしみになる。ホっとしました、羽田の冬の朝のコト。

コメント

  1. Comfort

    ロイヤルホストに続いてロイヤルデリも、、、
    ロイヤル、経営陣に何かあったのでしょうか。
    足掻けば足掻くほど沈んでいるように見えます。
    他の追随を許さない得意分野に集中しては?
    と素人なりに感じます。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Comfortさん
      おっしゃる通り…、と思います。
      創業者が思い描いた「外食産業を越えた場所にあるホスピタリティー企業」を実現するために、ロイヤルデリのような業態こそ、原点に立ち戻って大切に再構築すべきだったのだろうと思うのです。
      簡単に売上を作ることができることは、誰もが簡単にしようとすること。
      差別化には絶対につながらないこと。「らしさ」をなくして「臭さ」に向かう。ためいきが出ます。

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