サヌキノヤワイソバデアサ

高松の朝。ひさしぶりにうどん屋さんで朝にしようとちょっと歩いて「味庄」に来る。
高松駅の裏側にある。プレハブ倉庫のような造りで、朝の5時くらいからやっている早起きの店。
完全セルフサービスの店で、カウンターの左側にある麺の茹で場の前で注文。
茹で場のさらに左側にはおむすびやお稲荷さんが置かれたショーケース。右の方には天ぷらやお揚げが並んで、その右側には出汁が入った大きなタンク。
その動線の通りに体と手を動かせば、自然と食べるものが整っていくという仕組み。最後にお金を払って商品に出汁を注いだら出来上がり。
駅の前。そのちょっと先にはフェリーの乗り場も控えてて、だから移動の途中の人たちや近所のおじさんがふらりと次々やってくる。自転車にのって飛び込んできたかと思ったら、かけをズルンとすすってたちまち表に出ていく人もいて、暮らしに根ざしたファストフードな感じがステキ。

今日は小さい蕎麦をたのみました。
うどん県にてなぜに蕎麦(笑)。
好きなんだからしょうがない。
肉そばにしてもらってお稲荷さんと竹輪の天ぷらでひと揃え。
都合650円というありがたきかな、手軽な値段。丼の中には茹でた蕎麦の上に、煮込んだ牛肉がどっさりのってやってくる。

そこに出汁を注いで仕上げる。
使い込まれた出汁タンクです。台に丼を置いたら注ぎ口の上のレバーを倒して出汁を注いでやる。
湯気と一緒に破裂するように出汁がでてくる。
すでに香りがおいしいのです。鰹節にイリコの香りが混じった、讃岐独特の力強い出汁。蕎麦がすっかり隠れるくらいまでたっぷり注いで、カウンターまで運んで写真をパチリ。レンズが湯気で煙ってそれでボヤボヤしてたら汁がどんどん減ってしまって蕎麦が顔を覗かせる。

ここの麺はうどんも蕎麦も茹で置きにしたやわらかなモノ。
今でこそ讃岐うどんは腰が命なんていわれるけれど、昔はもっとやわらかだった。
やわらかだから出汁がのる。
生醤油をちょっとかけただけで麺が醤油を吸い込んで味が整いおいしくなった。
そんな時代の麺がそのまま。

中でも蕎麦はぐんぐん出汁を飲み込んで、もともと太い麺がどんどん膨らんでいく。膨らみながら出汁の味まで含んでおいしくなっていくのがまるで、牧野のうどんのようで好き。
しかもココの出汁…、いい出汁なんです。
旨味が強くて塩がパキッときいていて、しかもイリコ独特の軽い苦味が甘みや塩味をひきしめる。甘辛煮込みの牛肉の煮汁や脂が汁に溶け出し、甘みが徐々に強くなってく。味の変化もオキニイリ。

ちなみに出汁がおいしいのはお稲荷さんのお揚げも同じ。
かなり濃い色に仕上がっていて、噛むとジュワリと煮汁が滲んで口の中をみずみずしくする。
ご飯は若干硬めの仕上がり。しかも酸味強めで、お揚げの煮汁の甘みをひきたて旨い。
お稲荷さんを口に含んで、そばをズルン。肉を頬張りうどんの汁をごくりと飲むと、いろんな味でひとつになって味わいニギヤカ。煮てもなお固い牛肉…、だからこそ噛めば噛むほど味がでてくる感じもたのしい。お腹の中に朝が来る。

うどんの中に天ぷら竹輪をぶっこみしばらくなじませる。
衣が若干とろんとしてくる。徐々に油が出汁に移って表面、キラキラしてくるのです。
衣自体に塩を多めにほどこして、そのまま食べてもおいしい天ぷら。その塩味と揚げた衣の油が出汁に溶け出し汁にコクが出る。
瀬戸内地方の竹輪はおいしい。食感ムチュンと力強くて魚の香りや味がしっかりしてくる。粉唐辛子をパパッとほどこし、うねるような辛味で頭がスッキリ、目覚めてく。丼の中はみるみる減って、あっという間にきれいさっぱりお腹の中に収まり消える。さてさて移動。橋を渡って旅をする。

 

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