サスペリア

映画を観ます。「サスペリア」。
これがとんでもない作品で、すべての人に手放しでおすすめできるわけじゃないけど、スゴイ映画だよと吹聴したくなる好きな映画で感心しました。
 
1977年に公開されたダリオ・アルジェント監督の手になるホラーの名作「サスペリア」をなぞるようでいて、そのモチーフを使いながらも自由自在に物語が展開していく。
共通モチーフはドイツのダンスカンパニー。その女子寮でおこるまがまがしい魔女の儀式という部分で、登場人物も微妙に重なる。
けれど1977年版のダンスはバレー。今回の映画ではモダンダンス。バレーは重力に逆らう芸術、モダンダンスは大地を鳴らす芸術で、その違いがそれぞれの作品の大きな違いを産んでいる…、ように感じる。
 
闇の世界を司ると言われる三人の魔女のひとり「嘆きの魔女」のの再生です。
嘆きの魔女のゴチソウは「人間の嘆き」。
舞台がナチス以降のベルリンという嘆きの分量が当時の世界でおそらく最も大きかった場所。そして再生した魔女が人々を嘆きから開放することで自らの力を蓄えていくという、切なく残酷な結末に向かっていく二時間半。
その間、ずっと緊張を強いられる。
何かが起こるであろう予感に対する緊張もあるにはあるけれど、恐ろしいほどにうつくしい映像にずっと緊張してしまう。
演劇的な演出が随所にほどこされていて、広がりと奥行きのある空間のかならずどこかに伏線的な映像がさしこまれていて、スクリーンのすみずみをみていなくてはならない緊張。
ちなみに話の流れは複雑です。
そして結論も意外なもので、おそらく物語のさまざまなところに伏線が潜んでいるんだろうなぁ…、ともう一度観たくなる。

amazonが作った映画です。
おそらく賛否両論分かれるであろう映像表現も難解な結末も、配給先の心配をすると企画を通すのも難儀したに違いなく、けれどamazonならば自前のストリーミングサービスのコンテツとして再利用することがたやすい。そのうち、アマゾンプライムビデオで配信されるに違いなく、ボクは多分、そのとき何度も見直すはず。映画の次の時代に向かっていってる…、って思ったりした。

いろいろ感心。オキニイリ。

 

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