ゴキゲンパン屋の不思議なパン

今日は気温が高いのでしょう…、上空に出ても空気が濁って見える。たっぷりの水蒸気がフィルタをかけたみたいな空から覗く東京の街の大きく、迫力に満ちた姿に気持ちがちょっと熱くなる。

sora1sora2見渡す限りどこも街。東京があり、横浜があり、はるかむこうには大宮があり千葉があり、なのにすべてがつながっているというこの景色。他になかなかあるものじゃない。
空は極めておだやかな旅。
揺れることなくなめらかに空を飛ぶ。朝早かったボクはウトウト、気持ちよく寝る。
間もなく着陸体制に入ります…、っていうアナウンスに起こされて、窓の外を見ると阿蘇の山。あそこも日本の。ここも日本と思えばステキ。いい国だなぁ…、ってしみじみ思う。

飛行場につきあちこち視察。で、すごく真面目なパン屋さんがあるんです…、と熊本市街地の東側にある菊池という街。
幹線道路からちょっと入った住宅地にある小さなお店にやってくる。

gin1gin2「吟猫」ッて言う名前。
一軒家をそのまま使った、けれど小さなお店で、庭の周りをおくさんがテキパキ、ニコニコ掃除をしてる。
挨拶をしてお店に入ると、バターと小麦のいい匂い。
パンの種類は決して多くはないのだけれど、特徴のあるパンばかり。

パン屋さんて朝早起きで大変ですね…、って奥さんにいう。
そしたらキッパリとした顔になり、「うちの主人は朝の早起きが苦手なんです」…、って言って笑った。
今日ももっとパンを焼かなきゃいけないのに、まだまだ数が少なくってって。
朝寝坊のパン屋さんって、案外、これも一つの個性?
でもやっぱり早起きしてくれるとうれしいですよね…、って言っていたらばご主人、車で到着します。
朝の配達。パンを近所の取引先においてきたんだということで、さっそくパンの話を聞きます。

gin pan、力を入れているのが食パン。
日本人にとって一番親しみやすくて、そのまま食べても、トーストしても、サンドイッチにしてもと使い勝手も結構多彩。
それでいろんな食パンを焼いているんです…、って3種類。
パンの耳までやわらかくって、そのまま食べておいしい食パン。
ちょっと甘目でトーストするとこんがり焼けておいしい食パン。
生地そのものはかろやかで、空気をタップリ含んで焼けてて、トーストすると耳がサクサク焼ける食パン。

あぁ、どれもそれぞれおいしげで、我慢できずにちょっとづつ。
たしかにどれもが独特で、なによりどれもが小麦の香りがとても鮮やか。それぞれほんのちょっとづつ、塩の風味が異なっていて、ふっくらしてたりモッチリしてたり、食感までもが違うたのしさ。
オモシロイねぇ…、オモシロイ。
数量は多くは作れないんだけど、粉と水、塩だけ使って焼いた食パンっていうのもあって、これが焼くとおいしんですよねぇ…、ってご主人、パンの話をはじめるともうとまらない。
それもとてもたのしげに。そしてなによりいとしげにパンのコトを語るこういう人が作るパンってやっぱりおいしく感じる…、気に入った。

g bokuこれを食べて見てください…、って、塩パンっていうパンを一口。
いやはやこれがおいしかった。
まず口に広がるバターの香り。
それから甘みがやってきて、最後に塩の旨みで終わる。
基本的にはふっくらしてます。
とてもやわらかに仕上げたロールブレッドみたい。
けれど、なぜだかサクサク、ザクザク、歯切れがよい。
どうしてこんな食感が…、って思ってひっくり返してみたら、底はまるでクロワッサン。
それも焼きたてのかじるとボロボロ、壊れて散らかるような感じのクロワッサンの生地のごときで、なるほどだからザクザクしてる。
食べてるうちにどんどんバターの香りが強くなっていき、一口食べると二口目。それがどんどんとまらなくなり、あっという間に一個をペロリと食べちゃった。

どうですか?って聞かれたボクの答えは一言。「これは不思議なパンですね」。今まで食べたどんなパンとも違ってて、これを一体、どの棚に分類すればいいのか迷う、そんな味わい。そして食感。
いいなぁ…、なんだかたのしいパン。こんなパン屋さんが家の近所にあったらどれほどいいだろう…、って思いもしました。オキニイリ。

 

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コメント

  1. Comfort

    榊様、皆様、初めまして。

    当方、現在、福岡市郊外のとある町に住んでいますが
    生まれは福岡市博多区、中学・高校は福岡市、
    職場も殆ど福岡市、と一応は
    “博多っ子(もどき)”を自負しておる者です。

    私は榊様より一つ年上ですが、いつも
    榊様のブログを見ては“そっ!そうだよねっ!”と
    一人で興奮しています。
    また、榊様が博多を贔屓にして下さるのを
    自分の事のように嬉しく思っています。

    前置きが長くなりましたが、
    吟猫、榊様のブログを見て昨日行って来ました。
    5種類程買ったのですが、
    揚げパン(カレーパンとチーズフォンデュ)は
    何と「買ってから揚げる」との事、
    いや~ビックリしました。

    車の中で食べましたが本当に熱々です。
    しかもパン生地が何とも表現しようのない感じで
    パンなのか?でも最近九州で流行りの米粉生地でもないし
    サクサクしてるのにしっとり、うまく説明できません。
    それと食パン、これも不思議な食感です。

    良い店を紹介して頂きありがとうございました。

    追伸)7月14日の福岡「うどんツアー」、博多の人でも
       ここまで詳しい人は少ないと思います。
       しかも、一日で、、、すごい!

  2. サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

    Comfortさん。
    はじめまして。
    そしてステキなコメントありがとうございます。
    さっそく、猫さんにいかれたのですね。
    本当に真面目なパンを作ってらっしゃって、近所にあるとステキだろうなぁ…、って思います。

    ちなみに、先日のうどんツアーをもとに、まもなく本ができます。
    博多うどんがなぜ関門海峡を超えることができないのかという内容で、たのしい本になったと思っています。
    詳細、決定いたしましたら、またお知らせいたしますね。

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