コロナの時期に花一輪のおもてなし

最近、そばばっかり食べてるなぁ…、って思う。
もともとそばは好きな方。
四国出身でうどんを食べて育ったけれど、うどんは家で食べるもの。外食してまでわざわざ食べるものじゃなく、お外の麺はそばだった。
だから今でも外のゴチソウのひとつがそば。パスタも家で作って食べる料理に最近なって、なぜなんだろう。パスタに比べてそばのバリエーションは少なくて味もシンプルなのだけど、だから飽きずに食べられる。ほんのちょっとの違いが劇的に感じられるということもあるのでしょうね。むしろお店、お店の個性が際立ち贔屓もできる。オモシロイ。
今日は新宿2丁目にある「楽庵」というそば屋に来てみる。東京にあって珍しい割子そばがある店で、それが目当ての今日のココ。

カウンターに案内される。厨房の前のカウンター。1.5人分くらいのゆったりとした間隔で透明の仕切り板が立てられていて居心地が決して悪くないのがありがたい。
しかもそこにはアルコール消毒液のスプレイと一味に山椒。天ぷら用の焼き塩の器が並ぶ。それから楊枝。一輪挿しにカーネーションと、その気遣いがとてもうれしい。ただ仕切りを置いただけのカウンターで食事をしてると、もしかしたら今のボクって餌を食べてるブロイラーかもってさみしい気持ちになることがある。一輪挿しの一つの色気で気持ちも艶っと明るくなります。
宙空構造のステンレスのお冷カップもよきおもてなし。

そういえばボクがまだ30代前半くらいまで、二丁目の別の場所にそば屋があった。
名前は忘れた。
日が暮れる頃から夜明けまでという営業時間で、そこが割子そばを売り物にしてた。
それ以外にも白いネギを一本まるごと使った天ぷらだとか、揚げ餅のそばだとか変わったそばがおいしくて毎週のように行ってたことがあったほど。
そこはなくなり、そこで働いていた人がここに移ってしばらくやってた。
当時の名残の割子そば。5段、7段、10段とあり今日は控えめ、5段を選ぶ。5段分でちょうどせいろ一枚くらいの分量かなぁ…、タレに薬味を従えて積み上がった割子の姿に胸踊らせる。

割子の器にタレを注いでズズッとたぐる。薬味は海苔に鰹節、白いネギがたっぷりにもみじおろしにうずらの卵。う玉は生で、食べられないからひっくり返さぬように注意しながら薬味をのせてはタレかけて。ズルっとすすって残ったタレを次の割子に注いでタレを追加して…、といろんな薬味の味が混じって割子を重ねるに従ってどんどんおいしくなるのがたのしい。
ゴリゴリとした太くて歯ごたえのよい蕎麦で香りも風味も力強い。どんな薬味もをあっさり受け止め、スルンスルンとお腹に収め、蕎麦湯で割ったタレでお腹をあっためる。これも良き蕎麦、オキニイリ。

 

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コメント

  1. 名無しのまぁ奥さん

    関東のお店は4月で閉店してしまいましたが、美々卯さんの夏の賑わいセット、割り子の器でいただけるお蕎麦、細うどん。子供の頃からのたのしみの一つでした。
    これから、うどんすきのシーズン、関西から取り寄せですね。

    • サカキシンイチロウ

      名無しのまぁ奥さんさん
      美々卯さんの関東全店の閉店はかなしい出来事でした。
      うどんすきも格別ですが、美々卯さんの蕎麦が好きで、さまざまなトッピングで飾られた割子はたしかに大阪の粋を感じさせる名品でした。
      うどんすき。奢った具材で作ってみようかなぁ…。

  2. Leocco

    榊さんの最近のブログを読んで、私も無性にお蕎麦を食べたくなりましたよ。
    一回は深夜に、その次の日はお昼に。と言っても家でのことですが。
    次の機会にお蕎麦やさん巡りしたいです。

    • サカキシンイチロウ

      Leoccoさん
      お蕎麦の乾麺って買い置いておくと重宝します。思いついたときに食べてしまうので、食べすぎてしまうのが玉に瑕ですけれど(笑)。

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