コツをつかめばオキニイリブヴェットの朝

日比谷のブヴェット。
はじめて来たときにはあんまり好きに思えなかった。乙にすましてとっつきづらく、「もしかしたらボクはお呼びじゃないのかも」ってよそよそしさを感じてしまった。でも朝を気持ちよく過ごせるポテンシャルを感じる店でもあって、それで好きになろうと思って何度かやってきてみた。
来るたび、なるほどこの店はこう使うんだってヒントに出会う。それで今朝。ここの朝ご飯はこんな具合にたのしむのがいいんだろうなぁ…、ってボクなりの結論が出たような感じでちょっとうれしかった。
席はカウンターの前のテーブルで、そこに座るとサービスの要になってるステーションが目の前にある。ステーションの向こう側には大きな窓。朝の光もおゴチソウ。ステーションの上にはクロワッサンに水になにやらジュースの入ったデカンタがある。あれはなに?って聞いたら、オレンジ色のがオレンジジュース。赤みがかったジュースはオレンジキャロットジンジャージュースだっていうからそれをたのんだ。

ニンジンは繊維をたっぷり残してジュースに仕上がっていてザラザラとした喉越しが野菜を飲んでるって感じにさせてそれがおいしい。オレンジの甘み、酸味と生姜のカーッとお腹の中をあったかにする辛味が混じって、冷たいジュースなのに体があったまる。朝にはピッタリ。
手軽な値段の朝食セット。ここの名物のスティームエッグを選んでパンはクロワッサン。コーヒーたのんでひと揃え。追加で生ハム。カウンターに置かれたスライサーで薄く削ったばかりのものが8枚ほどもたっぷりのっけてやってくる。
布製のしっかりとしたナプキン。下には女性の手にしっくりとくる小さなナイフとフォークが用意されていて背筋がスッと伸びる雰囲気。

それにしてもスティームエッグのおいしいコト。
蒸気を通して加熱しているからしっかり熱が入っているのにふっくらしてる。
オリーブオイルの香りがおいしく、卵臭さがまるでない。
なのに焼けた香りとか焦げた匂いとかがまるでないから、卵そのものの香りしかない。不思議な味わい。
熱の入り方が食べるところでちょっとづつ違って仕上がる。
ホロホロのところがあったかと思うと、しっとりしたところがあったり突然、プルンと口の中がなめらかになったりと食感多彩。塩を胡椒がしっかり効いてて、卵の甘みに輪郭つける。
クロワッサンを2枚に開く。表面ザクザク、生地は細やか。ナイフでスパッと切ろうにもなかなか2つに別れてくれない。少々難儀しながら開いたところに生ハム。ほぼ全部。卵をフワッとのっけてパカンと挟んでサンドイッチにしてパクリ。

バリバリ壊れて口の隅々を引っ掻くようにしながら散らかり、ゆっくりとろけるクロワッサン。焦げた小麦の香りにバターの風味が溶け出して、そこに生ハムの脂が混じって消えていく。なんておいしい朝なんだろう。
スティームエッグをおかずにサンドイッチを食べて終えたらクロワッサンにバターとジャムを乗っけてパクリ。お皿の上にクロワッサンのかけらが散らかる、その景色さえもがオゴチソウ。テーブルチェックのお店です。支払いをすませると店名を染め抜いた青い紙の札が置かれる。支払い済みの目印で、こういう配慮もなんだかステキ。ビターで香り豊かなコーヒーにミルクをたっぷり注いでしばらく朝の時間のお供にします。オキニイリ。

 

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