グレイテストショーマン

映画を觀ます。「グレイテストショーマン」というミュージカル映画。
PTバーナムっていう実在の人物が主人公。リングリングブラザーズっていう世界最大のサーカスを創始した人の物語で、映画館で流れる予告編をみて見ようかどうかかなり迷った。
好きなタイプの映画だろうから気持ちは「観る」に傾くも、「ヒュー・ジャックマン×『ラ・ラ・ランド』の製作チームが贈る 映画史上最高にロマンティックな感動ミュージカル・エンタテイメント」というキャッチフレーズが「観ないでおこうか」とブレーキかける。
スタイリッシュでおしゃれな映像に製作者自身が悦に入ってるようにしか思えぬ、「ラ・ラ・ランド」をどうにもこうにも好きになれなかったのでありまして、それで迷いもしたけど、観ちゃった。

…で、感想。
Netflixオリジナルのシーズン物のドラマの総集編を見ているみたいな感じがするのですよ。
いい映画だと思う。
ユニークであることを恥じず生きていくことの素晴らしさを、文字通り歌い上げるミュージカルだからもっと感動できたはずなんだけど、いかにも忙しない。

オープニング10分で主人公の少年時代から思い続けた女性と結婚し、子供をもうけ貧しいながらもシアワセに生きているという半生記めいた物語が語られるのだけど、それがあまりに流麗でつつがなくって、「あぁ、そうですか」って感動よりも感心の方に気持ちが向かう。

そう!
この映画は人を感動させようとして、気合が入りすぎてただの感心になっちゃったという感じの映画。

人をたのしませることに一生懸命だった人が、経済的成功を手にした途端に名誉欲を発揮して破滅していく。
その過程が終盤のクライマックスに向けて気持ちを盛り上げていくエネルギーになるはずが、そのエピソードが薄っぺらい。

ヒュー・ジャックマンはただの軽薄なおにぃちゃんで暗い野心を感じさせないし、ヨーロッパで成功しているというオペラ歌手が歌う歌がセリーヌディオンの歌みたいなオペラなんぞと何の縁もゆかりもないもので、違和感バリバリ。
そういや、ララランドの主人公もジャズをやりたくて悩んでいるのにずっと流麗ポップスを歌い続けているという不思議な映画だった。
この映画チームの癖なんだなぁ…、って思ったりする。

歌とダンスのシーンはすごい。
すごいのだけどほぼ全てが群舞で一人一人の踊りを見ようとすると目が疲れるし、何しろ急ぐ。テキパキ、話の節目に向かって驀進するから見終わっても何を見たのか思い出せずイライラしちゃう。
「自分の叩くドラムを伴奏に歌え」って内容の歌を歌いながらサーカス小屋のフリークスたちが踊るシーンは数あるミュージカル映画の中でも、比べるものがないほどに見事なものなんだけど、それもあっさり、次のシーンに向かって流れる。

もったいないなぁ…、もったいない。
ちなみにリングリングブラザーズが世界最大と言われた理由を作ったのが象を使ったショーが人気を集めたから。そして閉鎖された理由が、動物愛護の観点から象を使ったショーをやめてしまったから。…、と思って観ると、映画のフィナーレに象さんが出てきてショーを盛り上げるシーンになるほど…、って感心できる。そういう感じの映画です。

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