クリスマスの竜巻に飛ばされて…、the WIZ

それにしても今日は風が強かった。
クリスマス近くで今日みたいに風の強い日には気をつけないと、風に飛ばされエメラルドシティーを旅することになっちゃうなんて、ちょっと思った。

ひさしぶりにウィズを観る。

NetflixもHuluも、ホリデーシーズン向けの映画を特別配信しはじめていて、そんな中にあったのがそれ。
1978年公開のオズの魔法使いを原作にしたミュージカル映画。
主演がなんとダイアナ・ロスです。
カカシ役がこれまたなんとマイケル・ジャクソン。
ほぼ黒人だけがキャストされてて、だから歌もダンスもモータウン的。(ちなみにユニバーサルとモータウンのコラボ製作という映画で、音楽監督にクインシー・ジョーンズの名前も見えたりするから、当時のモータウンの総力をぶち込んだ意欲作だったんでしょう。)
にもかかわらずなぜだか監督、脚本は社会派映画を得意としている人たち。
だからか、自分探しの部分は重厚。
ドラッグ問題や労働者の解放問題、あるいはメディアによる洗脳まがいの意識操作と、おそらく当時、社会問題となっていたモノをモチーフとして散りばめてあったりしていて、けれどどれもがあくまでモチーフ。
物語は粛々と、ミュージカルの王道を辿って先を急いで進んでく。
おそろしいほどシュールで、一体、何がしたかったのかわからないほど性急で、いろんな意味でスゴいです。

ひさしぶりに見た今日も、何度か途中で挫折しそうになるほど内容はとっちらかってて、実は一度寝ちゃったほど(笑)。
けれどそれでもいくつかの見どころがあり、130分ほどの長丁場を見通しました。例えば…。

整形前のダイアナ・ロスはかなり田舎臭い黒人顔。
マイケル・ジャクソンもこのときは団子っ鼻で色黒で…。
でも可愛らしくて、ずっとこのままでいればよかったのになんて思ったりする。
(ちなみに左の写真の一番右側がマイケル・ジャクソン。21世紀に入ってからの彼と違いすぎます…、ビックリです:笑)

何を置いても、ダイアナ・ロスやマイケル・ジャクソンの手足の長いこと。
しかも踊りが達者で、普通のステップがまるで特殊効果のように見えたりするんです。
歌もスゴい。
ダイアナ・ロスやマイケル・ジャクソンだけじゃなくて、
ところどころで繰り広げられる群舞の迫力、レベルもスゴい。
何十人ものダンサーたちのひとりひとりが一流で、細部に魂が宿っているかのごとき見事にウットリします。舞台装置も大規模にしてゴージャスで、予算をたっぷり突っ込んだでしょうね。
なのにそこはかとなくチープで、B級の匂いがプンプン漂うところがモノガナシイ。
しかもカメラが引いて撮影してるシーンが多いのですね。
まるでミュージカルのドキュメンタリーフィルムを見ているような感じでもあり、つくづく舞台を映画にするのは難しんだなぁ…、って思ったりもした。
この映画の元ネタになった舞台ってどんなだったんだろう。そっちの方を見たかったって思いもしました。
カルトな午後のおたのしみ。

コメント

  1. ぽんた

    ウィズ、私も以前テレビで放送されてたのを見たんですけど、途中で挫折しました。ダンスや音楽はほんとにすばらしいのに、無理やり物語をかたろうとして、かえってよく分からないものになってしまってて・・・。サカキさんが「監督、脚本は社会派映画を得意としている人たち」って書かれてるのを読んで、「あぁ、だからか~」って納得しました。
    マイケル・ジャクソンはほんとに整形しなくても、このころのままでじゅうぶん魅力的だったのに。彼自身がそのことを知ってたら、今もこの世で素晴らしい歌とダンスを見せてくれてたんじゃないかと思うと残念です。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ぽんたさん
      ダイアナ・ロスを自分の理想にして、彼女の整形手術を担当した整形外科医を訪ねてブラジルの病院に日参したというマイケル・ジャクソン。
      もしかしたら、この映画がその出会いのきっかけのひとつだったかもしれないと思うと、また見方が変わってきますよね。
      この映画のダンスシーンだけをあつめたダイジェスト版ができるといいんじゃないかって思ったりしました。

  2. しろはなげ

    『THE WIZ』!!
    大好きすぎて中学生のころ山野楽器に楽譜を買いに行(その後ボロボロになって買い直し)
    DVDもCDも楽譜も持ってます!

    マイケルのこのころ、かわいいですよね。
    自分で脳みそがないと思い込んでいる マイケルかかしが
    最後、ダイアナ・ロス ドロシーに
    「Success, fame, fortune. They’re all illusions.
    All there is that is real is the friendship
    that two can share. 」
    って言うと
    ドロシーが
    「That’s beautiful. Who said that? 」って返して
    かかしが
    「I did. 」
    って自分の言葉で言うところで、100パーセント大泣きしちゃいます。
    後日、マイケルの後見人がダイアナ・ロスなのも納得。。。
    OZ、というのは一文字前にずらすと「NY」、
    だからOZのいるところは NYなのだということが
    わかるのもたまりません。
    メリー・クリスマス!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      しろはなげさん
      おひさしぶりです、お元気でらっしゃいましたか?

      それまでずっと、他人の名言の引用ばかりしていたカカシが、はじめて自分の言葉で語る。
      いいシーンですよね。
      この作品。
      観ている側の気持ちがどれだけ豊かで満たされているか…、ということが試される映画のように思います。
      ちょっとでも猜疑心とか貧しい気持ちがあると、おいてけぼりになってしまう。
      自ら楽しもうと思う前向きな気持ちをもたず、たのしませてくれるもんだ…、と思いこんで見ていると確実にしっぺ返しが来てしまう。
      ゴキゲンのバロメーターのようなこの作品を、昨日は存分にたのしめたということが、なんだかウレシイ一日でした。

      メリークリスマス。ゴキゲンな週末をお過ごしください。

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