クマモトノアサ

熊本で朝。いつも泊まってる定宿ホテルがなんと満室。
昔、定宿にしていた古いホテルに泊まる。メンテナンスは行き届いていて古ぼけた感じはしなくはあるけど、天井の低さであったり水回りの昔仕様はいかんともし難く、随分、苦労をしてるんでしょう。
静かな感じ。
ただもらった部屋が角部屋で、目覚めて窓を開けると正面に熊本城が目近に見える。ただ地震で倒壊した天守は工事中で、足場の向こう。ただこういう景色はめったに見れぬ…、と喜ぶことにして朝ご飯。
バフェではなくてテーブルサービス。聞けば震災をきにバフェはやめたというのです。料理を無駄にしないでお客様もてなすということ。悪くないなぁ…、と思ったりする。同じレストランで和食、洋食。それぞれ2種類。都合4種類のメニューが用意されているのも悪くない。

和朝食をご飯でたのむ。お膳の上にキレイに料理が並んできます。
一番奥には茶碗蒸し。中には鶏肉、銀杏、しいたけ、かまぼこと具材多彩でプルンとなめらか。朝のお腹をやさしくそっと温める。
さすが熊本。芥子蓮根が添えられる。ただ芥子蓮根って、食べる度に拍子抜けする。蓮根の穴を黄色い芥子が埋めている見た目は本当に辛そうで、なのに食べると思ったほどは辛くない。むしろ蓮根そのものの甘みを芥子がひきたてておいしくするので、「甘み蓮根」みたいな感じ。まぁ、それもよし。
焼いた味噌がサイドに添えられ、焼いたトラウト、だし巻き卵に明太子。「お皿の隙間を埋めるため」のような料理がひとつもないのがいいなと思う。あるべきところにあるべきものが揃ったお膳はうつくしい。

小鉢の料理もしっかりしてます。
おからの炊いたのは熊本らしく甘めの仕上がり。
しっとりしていて、箸にひょいとのっかるくせして口に入れると舌でパラリとほぐれてちらかる。
こんなふうにおからが炊けるといいのになぁ…、って思ってパクリ。ほっこりします。
キレイな筒状に盛り付けられた納豆に目を奪われる。
食べる前に崩さなくてはならないんだけど、それをちょっとためらわせるようなうつくしさ。
こういう料理をみると日本の料理の原点は「盛り付け」にある…、かもしれないなぁって思ったりする。
食べると普通の納豆でした(笑)。
豆乳を練って作った餅を揚げたの…、トロンとなめらか。口どけがよく、胡麻豆腐を揚げた料理のようでもあって、けれどとろける味、風合いが豆の香りというのがステキ。上にのっかるわさびのような物体が、大根おろしに抹茶を混ぜて仕上げたもので、風味もよくてさっぱりとする。

ご飯と汁はおかわりをお申し付けくださいネ…、と。汁はしめじと湯葉の味噌汁。ご飯はツヤツヤ、ホツホツ、なかなか旨い。お代りしようと思ってなくてもお代りしたくなるおいしさ。
それに拍車をかけるようにご飯のお供がまた旨い。海苔は風味豊かで、アオサを炊いて仕上げた佃煮。海苔の繊維が太くそのままのこってて、力強くてご飯がすすむ。
ちょっとお行儀悪く〆ましょうと、鮭をむしって明太子を入れ、海苔をちぎってちらす。熱々のほうじ茶もらって注いでサラサラお茶漬けにする。海苔の風味とほうじ茶の香りがまじると、日本の料理のように思えぬコクや濃厚な味わいになり、思いがけない味にビックリ。お腹も満たされ、さぁ仕事。

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