キッチンステージで京の箱庭蕪イタリアン

ひさしぶりにキッチンステージ。
新宿伊勢丹のデパ地下の中の小さなお店。食品売り場の中にガラスの箱を仕立てて中にキッチン。そのキッチンを眺めるように客席があり、数週間おきにメニュープロデューサーが変わって料理を提供する。
店は劇場。シェフが脚本家。調理人がアーティストでお皿の上に作品が仕上がっていく…、という趣向のまさにステージ。今日の料理のプロデューサーは「イル・ギオットーネ」という店のシェフ。
京都に本店があり、丸の内や大阪に支店がある有名店。京野菜や京都の素材を使った、京都らしいイタリア料理を作り提供しているシェフのメニューを食べる。前菜にパスタかリゾットのメインがついたコース仕立てでいつもに比べて値段控えめ。お手頃価格でにぎわっている。

まずは前菜。料理2つの盛り合わせ。
一つは「焦げちゃいました」って名前のカニクリームコロッケ。葉っぱの上にカニの爪。赤かぶ、白カブの薄切りを乾燥させたチップを爪にさしてあしらう。もう一種類は寒ブリのタルタル。上にカブの淡雪仕立てをのっけてドライオリーブの粉をサイドに散らしてあしらう。カブの淡雪の上にや周りにはエディブルフラワーが飾られていてとても華やか。
…、なのだけれど、こういう箱庭みたいな料理は苦手。
日本料理の吹き寄せやお弁当と違って、本来、一つのお皿に共存するはずのないものが互いの景色になりあうためだけにこうして寄り添っている。淡雪に刺さったスポイトの中はオリーブオイルで、それを注ぎながら食べてという趣向もなんだかとってつけたよう。

カニクリームコロッケが真っ黒なのは竹炭を混ぜたパン粉で揚がっているから。
実際は決して焦げていなくて普通のクリームコロッケ。
味は穏やか。サイドに添えたピュレが蟹みそ風味のピュレで、それをまとわせ味を完成させるという。
ピュレをつけるとたちまち味は濃厚で、おいしいけれど口の中はカニ味噌の味しかしなくなるのが難儀。
寒ブリのカルパチョ仕立てはブリらしい風味も味もなくてあくまでカブの味。素材を一旦破壊して、素材同士を組み合わせ新たな味にするのが西洋料理である…、とするならたしかに西洋料理でござんしょう。

ちなみに、おいしいを「美味しい」と書くけれど、それはあくまで味がうるわしくっておいしいからで、美しい料理がすべておいしいとは言えないんだなぁ…、と思う。まぁ、この料理が料理として美しいかどうかの批評は今日は棚上げ(笑)。

メインはチキンのフリカッセにほうれん草のリゾットを添わせたモノ。
本来生クリームで白く仕上げるフリカッセは、豆乳を使って仕上げる。
だからポッテリ、スベスベとした過ぎたなめらかが少々苦手。
鶏の焼かれ具合はなかなか上等。
野菜はカブに里芋、京人参。京の料理はカブ料理(笑)。
ほうれん草のリゾットは、アルデンテにて塩やチーズの風味がピタッと決まって旨い。
おいしいんだけど、同じ素材を使っても京都風でなければもっとボクはおいしく感じたろうなぁ…、とちょっと思った。今日は辛口、ごめんなさい。

ところでこれに続いて分とく山と六雁のプロデュースメニューになるんだという。こりゃ、こなくちゃって思って帰る。ランチなり。

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