原宿の空の上のピザ、カンテラのピザ
日曜の昼。原宿でランチとしゃれる。
背の高い建物が少ない明治通り沿いにあって、一際高い11階建てのビルの9階。
「カンテラ」って名前のピッツェリアにやってきてみる。
上層階にテラスが作られた複雑な形のビルです。テナントはほとんどが飲食店。原宿らしく若い人たち向けのカジュアルなレストランがほとんどで、ヘアーサロンがあったりもする。
エレベーターにのって9階につき、ドアが開くとそこはキッチン。窓がないから暗いうえ、明るいエレベーターに慣れた目には暗闇。ピザ窯の炎がゆらりゆらり揺れている。そのピザ窯の向こうに客席が広がっていて、そこは眩しい。大きな窓にテラス席。外の明るい光がお店の中を明るく照らす。明るいお酒を飲みたくなって、甘おうサングリアとかハイボールとかをたのんで乾杯。良きランチの予感がします。
おいしい生ハムを揃えているのが自慢のお店。しかももらったのがスライサーの隣の席。これはたのまずにすむわけございませんネ…、と削ってもらう。
短い竹串でどうぞ…、とそれで一枚突き刺し持ち上げる。一枚大きく、口に含むとネットリとした肉肉しさにウットリとなる。塩の風味と脂の香り。口の温度でじんわり脂がとろけて甘みが舌に広がっていく。あぁ、なんておいしい。幸先がよい。
シーザーサラダが続いて到着。ロメインレタスにトレビス、ベーコン。パルミジャーノをたっぷりかけて仕上げたサラダ。
葉っぱ野菜はみずみずしくてしっかり冷たくパリパリ歯ざわり、歯ごたえ上等。
若い人たちがたのしそうに働く店です。
キビキビしていて、スタッフの数も十分。
厨房の中からシェフが出てきて料理を運んだりする臨場感もいい感じ。
イカのフリットがあってたのんだ。
メニューに見つけるとたのみたくなるオキニイリ。
ちょっと分厚く大きく切り分け、バリバリの生地をまとわせさっくり仕上がる。むっちりとしたイカの食感が引き立つおいしさ。
それから牛モツのトマト煮込み。ニンニクの香りとオリーブオイルの風味をまとって煮込まれた牛すじ肉にトリッパ、小腸。どれもとろとろ、むっちり、ムチュンと歯にからみつくような肉感的な食感で次のメインの期待がふくらむ。
ピザを2種類。ビアンコ、ロッソを一つづつ。
トマトソースを使わぬほうの具材のメインは釜揚げしらす。刻んだ大葉をたっぷりと生地にのっけてモツァレラチーズをのっけてこんがり。大葉の香りがあざやかで、しらすの旨味、塩味、食感がチーズとひとつに混じり合う。
生地はぽってりとしたナポリ風。薄く伸ばされた部分の底はさっくり歯切れ、端の部分はこんがり、ふっくら。生地がおいしいとピザはおいしい。ウットリです。トマトソースにレッドオニオン、刻んだサラミに炒めたナス。具材たっぷりでサラミの香りや脂の風味がどっしり重い。お腹にしっかりたまるおいしさ。ゴチソウでした。オキニイリ。
しらすと大葉の白いピザ。これがイタリアだったらアンチョビーとバジルなのかなあ、なんて、思いを馳せました。ちょっとした世界旅行気分でした。
to22byさん
おっしゃる通りですよね。アンチョビに比べてやさしい味わいのしらす。大葉とバジルも似ているようでまるで違った風味に味わい。日本のピザだなぁ…、ってしみじみ思いました。
この近所にはスポンティーニもありますね!
カンテラとスポンティーニ、どっち推しですか?
(どちらかをdisるという意味ではなく)
めるばさん
スポンティーニ!個人的にはあのジャンクな感じが大好きで、どちらを選べと言われれば、一人のときにはスポンティーニ。誰かと一緒ならばカンテラ…、ってことになりそうです。
カンテラが入ってるビル、見た目からしてあまりにも若々し過ぎて勇気が出なかったのですが(笑)、複数人数なら行けそうですね!ありがとうございます。
スポンティーニは以前「食べ放題」を見つけて気になってたところでしたwww
あの辺り、値段的にもランチ難民になりやすいのです…
めるばさん
スポンティーニのピザを食べ放題とは…。一枚食べるとかつ丼一杯平らげたみたいな気持ちにしてくれるのが取り柄なのに(笑)。
ラクサヌードルのシンガポールホリックも、屋台料理をこんな値段でってちょっとびっくりさせられますものね。
そうなんです。マリオンクレープとかに行って、レタスとツナとかを巻いた「おかずクレープ」買おうかともおもいましたが、それだけじゃランチにはならないので…
ラクサやかつて渋谷にあった「ピンクのカオマンガイ」(現在は違う経営元が運営してるようですが)も、現地の値段(ピンクのカオマンガイなら40THB→約120円!)を知ってしまうとなかなか手を出せません。
めるばさん
日本の料理は先進国にあるまじき安さとよく揶揄されますが、海外、特にアジアからやってくると途端に高くなっちゃう。
不思議でしょうがなくなります。
そう言えば原宿にずっとあった食工房眞さんがなくなってしまったこと。そしてそのようなお店がなかなか出てきてくれないコトが寂しくてしょうがありません。
眞みたいなあぁいう「普通の」ものが食べられるお店がないんですよね、あのエリア…
サカキさんの記事でよくお見かけする「尾張屋」みたいな蕎麦屋があのエリアに欲しいです!
めるばさん
確かに普通の店がない。そば屋もそうですし、喫茶店なんてもう絶対にできないでしょうし。もともと原宿って住宅街だったんですよね。そこにアパレルのマンションメーカーがぽつりぽつりとできて、その時までは大衆的な中華料理屋さんとか定食屋さんがたくさんあった。
日常使いの街から、遠くから新しいものをもとめてわざわざやってくる街に変わると同時に、飲食の世界は根っこをなくして根無し草みたいなお店ばかりになっちゃった。もったいないですね。