カルボナーラメイドウィズ不思議パスタボイラー
おいしいスパゲティを食べたいなぁ…、と思って「あるでん亭」。
かつて数寄屋橋のソニービルの中にあった。ソニーの関連外食会社がやってた店。そこは閉店。移転した先が高速道路下の商業施設の地下一階。通路にはみ出すように置かれたテーブル。通路と仕切るビニールカーテン。まるで通りに面したテラス席のように見えるのがいい感じ。
限りなくイタリア的なスパゲティを作ってくれる。喫茶店的でなく洋食屋さん的でもなく、レストラン的スパゲティ。
昔からのオリジナルの茹で麺機が今も現役。手のひらの先をつぼめた形の金属製の深皿を、太いシャフトの周りに花びらのように配した茹で麺機。乾麺を寝かせるように皿に入れてお湯を注いで茹でていく。回転木馬のようにぐるりと回りながら茹で上がったらハンドル引いて中のお湯ごとザルにとる。だからお湯が煮詰まらず塩の加減がいつもおんなじ。よく考えたなぁって来るたび感心。こういう科学がもっと追求されればいいのにって思っちゃう。
カルボナーラが一番人気。
曰く。
「クリームをほとんど使わない本場イタリアの味」。
ベーコンと卵黄、ブラックペッパーでほとんど味が出来上がる。
麺少なめのミニサイズにして注文しました。
ニンニクがゴロゴロ入ったペペロンチーノもおいしいんだよなぁ…、なんて思いながらしばし待つ。
お店を満たすオリーブオイルとニンニクの香り。カルボナーラ大盛りで…、って注文が次々入る。今日もやっぱりカルボナーラが人気です。
15分ほどで料理は完成。ほら、もう、うっとりするほどうつくしい。
麺はなまめかしいほどツヤツヤしていて、お皿にこんもり盛り付けられてたっぷりベーコン。そのベーコンの見事な焼かれっぷり。ベーコンの中の脂と水分がすっかり抜けて端は焦げて香ばしく噛むとジュワッと脂がしみだす。
ベーコンのうま味や風味が卵にまじり脂と一緒にソースとなってスパゲティにからんで仕上がる。脂の甘み、いぶした香り、しっかりとした塩の味わい。どれも上等。
そのスパゲティは見事なほどのアルデンテ。噛みごたえがあって奥歯をコツコツ叩いてつぶれる。ただ硬いわけでなく、むっちりとした弾力もある。
なめらかなソースをまとった舌触りの肉感的なことにウットリ。
赤唐辛子をパラッとかける。香りがパッとあざやかになり、ベーコンの脂の香りが軽やかになる。ソースのおかげでスパゲティがフォークにしっかりからんでくれる。しっかりからめたはずなのにお皿にソースがのこってしまう。うらめしいから指で拭ってちょっと舐め最後に残したベーコンかりっでお腹もほどよく満ちました。
一週間弱フィレンツェに行ってきました。
(お肉を食べないので)フィオレンティーナやトリッパの煮込みは食べなかったけど、どのリストランテもサービスが素敵で、美味しかったです。
でもなにが美味しかったって、カプチーノ!
どこで飲んでも美味しかったです。
昨晩遅くにドイツに戻ってきて、今日飲んだカプチーノの違いに愕然…
なにが違うのでしょうかね。
Leoccoさん
カプチーノのみならずエスプレッソも不思議なほどにイタリアのそれはおいしいですよね。
なぜなんだろう…。
水?
気候?
歴史と伝統?
日本のエスプレッソやカプチーノもおいしくなりましたが、イタリアの砂糖をたっぷり溶かしたエスプレッソの味は未だに忘れることができません。
カルボナーラ、イタリアでも歴史が浅くて、他のパスタ料理からすれば新参者ですけれど、その分、いろいろな作り方があってお店によって違うのが面白いですね。ただ、グアンチャーレを使うこと、卵黄、ペコリーノ・ロマーノ(とパルミジャーノ)、そして黒胡椒、というのはローマの基本のようで。グアンチャーレをまずじっくり焼いて、その脂の中で揚げ焼きにするともう、サクサク感がたまらなくて...体に悪いーと思いながら止まりません。さておき、日本のカルボナーラはもっと自由度が高いですね。ベーコンの燻製香やニンニクはイタリアではありえないし、他の素材を加えてアレンジすることも日本独特。どんどん変えていく貪欲さは日本の特色だなといつも感心します。
miatamoreさん
グアンチャーレは日本では気軽に手に入れることができない…、それをベーコンで代用する。
代用するだけでなく、ベーコンという食材を最適化するための工夫をする。日本の料理人の自由な発想とおいしいということに対する執着心は世界一かもしれませんね。
フレッシュのバジルが手に入らなかった時代に大葉とパセリで代用したキャンティの工夫なんてものまねを越えたオリジナリティすら感じさせます。
とはいえ、ローマのカルボナーラが食べたくなっちゃいます。