カフェーの朝にすずしいご馳走、河南涼麺
銀座で朝。
ひさしぶりにカフェーパウリスタにやってくる。
カフェパウリスタでなくて、カフェーというのがなんだかハイカラ。
それもそのはず、創業は1911年。モボやモガが銀座を闊歩していた時代。
第二次世界大戦で店が消失。しばらく閉業していて営業再開したのが1970年。日本万国博覧会の年のこと。
デコラ貼りのテーブルや人工皮革のエンジのソファ。天井からぶら下がるシャンデリアと、当時流行った喫茶店の意匠そのまま。海外からのお客さまが結構多くて、みんな写真を撮っていた。
朝食セットが8種類。どれもが少々高めの銀座プライス。ホットドッグセットをたのむ。コーヒーが何種類か用意されてて自由に選べる。パウリスタオールドブレンドを選んでたのんだ。まずコーヒーがやってきて、一緒にアップルジュースが運ばれてくる。
ガラスのシュガーポットにミルクのピッチャーと、ポーションパックでないとこに昭和を感じる。
かなり昔に来たきりのここ。その時飲んだコーヒーが酸っぱくって、小学生のときに親父に連れられて行った喫茶店の味がしのが印象的で、あんまり口に合わないなぁ…、と思っていたのね。ところが今日飲んだオールドブレンドの甘くておいしいことにびっくり。ボクの記憶違いだったのか、それともオールドブレンドは酸っぱくないのか、わからないけどオキニイリ。
ホットドッグにグリーンサラダ。クラシックなフレンチドレッシングをまとったサラダはおいしくみずみずしくて、ホットドッグはなつかしい味。
甘いドッグロールにケチャップ、フレンチマスタード。ほんの少しのザワークラウト。ソーセージのサイズもほどよく満たされる。
それにしてもウェイターさんがイケメン揃い。キンプリの高橋くんと永瀬くん似のふたりが揃ってサービスしている景色におじさん、かなりアガってしまいます(笑)。
今年も涼しい麺を食べなくちゃ…、と銀座羽衣。
銀座7丁目。ワンブロック南側は日比谷通りでまもなく新橋、汐留という銀座のはずれ感があるエリア。
ビルの地下にあって入り口小さく、けれど地下に降りれば広々とした空間に背筋が伸びる。
重厚で落ち着いたインテリアも銀座の老舗という感じ。
11時の開店と同時に近隣のオフィスのおじさまたちが次々やってきて12時ちょっと前にはほぼ満席という人気のお店。11時半に来たらもうにぎやかでした。
目当ては「河南涼麺」。羽衣オリジナル冷麺と但し書きが付いていて、冷麺でもなく冷やし中華でもないオリジナル。
豆乳ベースの冷たい汁そばという体裁で、麺と具材が別々にやってくるのがまず独特。スープに浸かった麺にはバッテン模様に置かれた絹さや。具材のお皿には茹でた春雨、帯状に切った薄焼き卵に焼豚、グリーンピースにエビの天ぷらが2尾。

冷やし中華は調理人にとってとても忙しない料理なんです。
麺を茹でてお皿に盛ってから様々な具材を麺の上にうつくしく盛り付けなくちゃいけない料理。
デリケートな麺の状態を台無しにしないようにあわただしく、でも丁寧に飾り付けなきゃいけないから。
でも具材を事前に別皿に用意しておけばとても簡単。
おいしい工夫にニッコリします。
まず具材の中から春雨、グリーンピース、薄焼き卵を麺の上に移して食べる。叉焼、エビの天ぷらはお皿に残したままで冷たい麺のおかずという感じの食べ方。それそのものにしっかり味が付いているからそれでよし。
スープも麺もキリッと冷たい。豆乳のまろやかさのおかげでキンキンした硬い冷たさじゃなくて、やわらかい冷たさとでもいいますか。しっかりとした旨みにマスタード由来のヒリッとした辛味が最後にやってきて、口をスッキリしてくれる。
春雨のプルプル、スープを吸った薄焼き卵はふっくらやわらか、グリーンピースがプチプチはぜてそのたび口を甘くする。
下味がしっかり入った叉焼はほろっと崩れ、エビの天ぷらはサクサク、尻尾がカリッと壊れて甘い香りを漂わす。
なにより麺がザクザク歯切れて散らかる感じがおいしくて、よくぞ涼しい麺と名乗ったよな…、と感心します。オキニイリ。












