カフェラントマンでウィンナシュニッツェル

今日も青山界隈で軽打ち合わせ。
ひさしぶりにウィンナシュニッツェルをどうにも食べたく、カフェラントマンにやってくる。
かつてスーパーの紀ノ国屋さんのお店があった場所にできた高層ビル。中層棟につきささるようにくさび形の高層棟が配置されていて、カメラを構えると水平、垂直の感覚が瞬時に崩れる難儀な景色。
なんでこんな不安定な建物を作ったんだろう…、って見るた思う。ただこの構造のお陰でテラスが随所にできて、出店しているレストランにとってはいいロケーションになってたりする。
醜悪なビルの近所でもっとも平和でうつくしい景色をたのしむコトができる場所はその只中だ…、って皮肉なシアワセ(笑)。
店の雰囲気がなにより好きです。特にひとりのときに案内される座席がまるでポワロが背筋を伸ばして座っていそうな豪華列車のコンパートメントのようでウットリします。一輪挿しの薔薇も優雅を添えている。

メインのウィンナシュニッツェルにサラダとパンがついてくる。バルサミコとオリーブオイル、塩と胡椒をドレスさせふっくらお皿に盛ったサラダが食欲誘う。カイザーブレッドが入った器がアレッシのモノ…、っていうのもなんだかきがきいている。
目当てのウィンナシュニッツェルは、ぽってりとしたフリッタ衣のような衣をまとってよじれるように仕上がっている。お店によっては細かなパン粉が姿あらわに仕上げるところもあるけれど、ここのはまるでフリッター。香港の露店でこういう排骨やパイチーを並べて売ってるところがあるけど、これの中身は仔牛肉。ラード混じりの甘い香りが鼻をくすぐる。腹がなる。

お皿の上のすべてが入念。
丁寧に手仕事をした名残を感じる。
例えばじゃがいも。
ふかして粉をキレイにとって、バターの中でクツクツ煮込む。
表面スベスベ。パセリをぱらりとちらして仕上げる。
口に含むと滑るようにして口の隅々転がりまわり、噛むとムチュンと軽く粘って崩れてく。
カツレツに搾るようにと置かれたレモンは、芯の白いところがキレイに切り取られている。
苦味がいたずらせぬようにという配慮が見事。
カツレツの上に彩り添えるパセリはラードで揚がってサックサク。

指でさわって転がすだけでパラパラ崩れて、カツレツの上にちらかり彩り、風味を添えてくれる。茎を摘んでこれだけ食べるとビックリするほど甘くて体に悪そうな味にうっとりしたりするステキ(笑)。

さて、ウィンナシュニッツェル。バリバリです。ナイフを当てると衣が壊れる。壊れるのだけど不思議なコトに脂と油の力で肉に貼り付いたまま。口にふくむとザクザク歯切れて、肉と一緒になって崩れる。
日本のとんかつのルーツのひとつはこの料理なんだろうなぁ…、と思う味わい。けれどその両方のありようはあまりに遠くて、理由はおそらくとんかつがご飯のおかずとして最適化されたからなんでしょう。あの分厚さ、ソースというお節介なほどおいしい調味料と食べる工夫もご飯のため。
一方これを食べてると、ただただこれで完成されて独立しててパンすら食べたいと思わぬ味わい。塩と胡椒がしっかりきいててこれだけ食べてもおいしいし、サイドについたベリーソースが酸っぱく、それが脂の甘みを引き出しおいしい。満足します。
食後のエスプレッソに砂糖をと思って手にしたシュガーディスペンサーが、昔なつかしい代物で、まだ現役というのがうれしいオキニイリ。

 

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コメント

  1. Miatamore

    嗚呼、ラントマン。良いですね。青山でオシャレな人たちに気圧されたりすることなく、のんびりゆっくり過ごせるので、気に入っています。半端な時間にソーセージとワインが楽しめますし、そしてウィーン風のケーキにシュニッツェル...銀座に行けば高級ウィーン料理店があるけれど、気軽にウィーン気分に浸れるここは貴重です。隠れ家としてずっとやっていってほしいけれど、人が来なさすぎたりするとまた心配。お店って難しいですね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Miatamoreさん
      ウィンナシュニッツェルをどこで食べようか…、って結構迷うんです。
      かつてならば帝国ホテルのブラッスリーでちょっと奮発してということになったのですけど、最近は扱うお店も増えました。
      ただ、銀座のウィーン料理のお店は少々やり過ぎでしょうか…、普段着で行きづらくなるとレストランは少々ややこしい存在になってしまう。
      ココは通しで営業してくれていて、いついってもなにか食べるものがあるのがウレシイですよね。
      この店に限らずこのビルのお店は大変だろうなぁ…といくたびしみじみ思います。思い出したら行くようにしなくちゃおっしゃるようになくなっちゃう可能性も…。なやましいです。

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