カジュアルなのに優雅この上ないアフタヌーンティー
西新宿のハイアットリージェンシーホテルの一階。
かつて、ミッシェルエストロワグロっていうフランス料理のお店があった。星付きレストランで、そこの鴨料理は日本最高水準じゃないかと思って贔屓をしていたお店。
昨年暮に残念ながら閉店し、しばらく空いてた。
何になるのかなぁ…、と思っていたら「ヴィッキーズ」っていうカジュアルなビストロとして再開した。
普段遣いができそうな程よい値段の贅沢感。
特にアフタヌーンティーのメニューが魅力的で友人誘ってやってきてみた。
東京って実は緑豊かな街なんだなぁ…、って実感の湧くいいロケーション。大きな窓からたっぷり光が差し込んできて、ホール全体が明るい光で満たされる。座り心地のよい椅子に、向かい合った人との会話を邪魔せぬほどよき大きさのテーブルがおかれて、ムードはとても親密。
お店を入ったところに厨房。ガラス張りで中の様子が手にとるようにわかる。ピカピカに磨き上げられていてアフタヌーンティーの時間はお菓子が中心。だからかパティシエの女性スタッフの姿が目立ち、厨房の中の空気も明るく朗らか。よき予感。
サービススタッフはTシャツにダンガリー。あるいはやわらか素材をタイトに仕上げたジャケット姿でカジュアル。けれど仕事は丁寧で確実で肩肘張らずに食事をたのしめるムードがステキ。くつろぎます。
お皿が3つ運ばれてくる。ひとつは正方形のガラスのお皿。一口大の愛らしい甘いお菓子がキレイにならび、それを長方形の白いお皿が挟んで揃う。白いお皿の上には「セイボリー」と呼ばれるサンドイッチのような軽食。色鮮やかなことに食べる前から目が満たされる。
イチゴがテーマのお菓子たち。
イチゴをたっぷり混ぜ込んだバタークリームをかっさり乾いて仕上がったビスキュイ生地で挟んだショートケーキ。
チョコで作ったてんとう虫をのっけたイチゴのシュークリームにベリータルト。
イチゴのムースにチョコレートムース。チョコムースの中にはイチゴのピュレが充填されててチョコとイチゴの酸味がおいしい。
胡麻の風味がアクセントになるイチゴのマカロンとそれぞれ食感独特で、同じイチゴを使っているのに味わい、風味、香りがまるで違っているのにウットリします。セイボリーはスモークサーモンのサンドイッチにキッシュロレーヌ、パンチェッタをのせたタルトにイチゴのジャムとクロテッドクリームを添えて味わうアメリカンビスケット。甘いお菓子をひきたてる。
種類豊富に揃えられたお茶や飲み物はおかわり自由。おかわりするたびカップも器も交換される。優雅な気持ちがおゴチソウ。
モロッコ風のミントティーやモモの香りの日本茶や変わった提案もたのしくて、中でも緑茶にアールグレイの香りを焚き込めバターナッツの色素で青く染めたお茶の不思議なおいしさ。お茶の無限の魅力を味わう。
キッチンで作られたばかりの熱々をたのしむメインデザートでフィナーレ迎える。今日はりんごのコンポートをパイと一緒に味わう料理。温かいカルバドスのソースを目の前で装い仕上げてくれる贅沢。サクサク崩れる軽いパイの儚い食感。ぽってりとしたりんごの蜜煮のコントラストにウットリします。
良き空間に良きサービス。次は夜にと思って帰る。オキニイリ。
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シャンデリアも繊細で、さすが優雅なホテルです。
このお値段なら、私でも行けそうで嬉しいです。
特に、お茶が気になるなあ。美味しいお茶は無限大の可能性があると思うんです。
特に日本茶は、ブレンドから種別のシングルオリジンになって欲しいなあと思います。そうなると、産地での味わい別より、もっと味の違いを楽しめるのになあ。
はっちさん
日本のお茶っておっしゃるように産地性に甘えていると思うんです。それはおそらく和牛にも言えて、松阪牛と言っても誰がどのように育てているのかわからない中で、ただただ産地のブランド性だけで売ろうとする。
もっと自由でもっとたのしい楽しみ方ができるといいのになぁ…、って思いますよね。
このお店。2時間たっぷりたのしませていただけるのが本当にありがたい。
東京から引越しする前に行ったトロワグロ、もうないんですね。美味しかった記憶は思い出に。
にゃおにゃんさん
ステキな店でした。トロワグロの料理を食べることができるのは小田急百貨店の中にあるカフェ・トロワグロだけ。でもあの優雅なムードはもうなくなっちゃった。なんだかさみしいですね。