カシコイ寿司

出張先から新幹線でビュワンと東京。
家に帰る前にちょっと小腹を満たしておきましょうか…、と、東京駅の周りをぶらぶらします。
それにしても東京駅のショッピングセンター化は勢いとまらぬ。
通路という通路の壁は店の入り口、ショーウィンドー、あるいは広告。
大家さんの側面がもしなかりせば、世界最高水準の鉄道サービスを受けることができなかったに違いない。
でも「強力な送客装置をもってしまった大家さん」が時にワガママなふるまいをして、周りの人が苦労する様、日本全国共通でちょっと切ない。

回転寿司の「函太郎」にくる。
駅ビルの中、あるいは駅ナカ、駅上・下で商売したいと鉄道大家さんと仲良くなりたい人は多くて、その仲良さを手に入れるため、ちょっと難あり物件に敢えて手を出すこともある。もしかしたらココがそういう場所かなぁ…、メインの動線から離れてしかも商業フロアの端の端。どこにも行けない袋小路のようなロケーションで、だからかいつも静かな店内。

従業員への教育は良い。
しかもみんな若くて、寿司職人のようにはみえないビジネスマン的佇まい。
それがかっこいいとか、あるいは信頼できるとか思えるかどうかはお客様の味方によって微妙なところ。
まぁ、料理における神秘性を剥ぎ取ることがシステム化。システム化しないとチェーンストアになれないからというのが外食産業的な考えだから、しょうがないとは思ってしまう。

ベルトの上を流れる寿司もありはするけど、基本タッチパネルで注文をして握ってもらうスタイル。
それはそれで便利ではある。
特に3貫一皿という盛り合わせを推していて今日も三皿。
ホタテ・つぶ貝・赤貝三種の貝盛りに生サバ、真鯛にカンパチ3種、ズワイにイカ、サーモンの北海盛りとどれも寿司のレベルは最高。

茹でたエビにボタンエビ、甘エビ3種に中トロにウニ。たちの寿司屋でもこれほどのネタを揃える店は少なかろう…、と感心はする。
感心しながら食事を終えてタッチパネルの会計ボタンを押すと人がやってくる。
そして何やら怪しげな機械をお皿にかざすと瞬時に、会計金額が計算されてポケベルみたいな端末に送信される。デジタルインクのディスプレイが搭載されててそれをレジに手渡すスタイル。もうこうなったら、ここにいる人は半分くらいはいらないかもね…、って思ってレジの前に立ち、にこやかな笑顔でお金を受け取る人がいらない人になる日がまもなくくるんだろうなと思って気持ちを寒くする。

 

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コメント

  1. アラタロウ

    サカキさんおひさしぶりです。

    東京駅の回転寿司は会計までデジタル化ですか‥。本来お寿司ほど人の肌の温もり、心意気がある店舗は無いと思っていたのですが‥

    味気ないというか、わさびが変に辛く感じそうですね。

    • サカキシンイチロウ

      アラタロウさん
      働き方改革とか、生産性を高めようとか飲食店もいろいろ努力をしなくちゃいけない環境にあります。ただ、回転寿司という仕組みそのものがテクノロジーの塊。そこにタブレット端末が置かれ、会計までデジタル。眼の前にロボットが立っていてもおかしくない、それを未来と考えるならあまり長生きしたくないなぁ…、って思っちゃいました。

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