タナカくんとオムライスと夫婦蒸し
昨日はちょっと眠れなくって、日曜の朝に作る料理の下ごしらえをずっとしてた。
そしたらタナカくんと一緒によくニューヨークに行ったよなぁ…、っていろんなことを思い出した。
ニューヨークに着いたらまずメトロポリタン美術館に行ってテラスからセントラルパークを見下ろして「帰ってきたよ」って大声でいってハグする。
彼は自然史博物館のプラネタリウムが大好きで、ボクは近代美術館のマークロスコの虜だった。
ちなみに写真は、大好きなマークロスコの前で撮った彼の写真。2005年の春のこと。
メトを観たり、ミュージカルに行ったりたのしいコトは沢山あった。
でもなによりたのしかったのは、知ってる人がいない街で誰にも遠慮することなくしたいことができるということ。手をつないで街を歩いたりしたものです。
おしゃれなレストランにおめかししてでかけていって、でもどこに行ってもアメリカの味。物足りないよねぇ…、って結局、何日目かには日本の人がやってるカツカレーやラーメンがおいしい食堂に飛び込んで腹いっぱい食べ、やっぱり日本人だねぇって大笑いするのがニューヨーク旅行のハイライトのひとつだったりした。なつかしい。
ボクが仕事に失敗してから海外にいく機会がなくなって、でも頑張って余裕ができたらまずニューヨーク。セントラルパークに向かって「帰ってきたよぉ」って挨拶してハグしなくちゃネ…、って言っていたけど約束果たせず。ごめんなちゃい。
オムライスを作りたくって朝から格闘。玉ねぎ、ピーマン、ハムを具材にケチャップライスをまず作り、フライパンに玉子を流してくるんで作る。でもこれがどうにも上手くいかなくってお皿に移す前に崩れて無残な姿。トマトとパセリのオリーブオイル漬けをあしらい割れたところを隠して仕上げる。お供に前夜に仕込んだハンバーグ。チーズと胡椒をたっぷりかけた大人味。
オムライスの味はパッとしなくて「失敗しちゃった」ってつぶやき食べる。
ボクはサンドイッチとパスタを作る当番で、土鍋ごはんを炊くこととカレーとオムライスは彼の係だったのです。3枚目の写真は彼が作ってくれたオムライス。玉子ふっくら、ケチャップライスの味もキリッと整っていておいしかったなぁ…、って思ってしばしなつかしむ。
晩ご飯は長崎偲んで、吉宗の凍った蒸し寿司、茶碗蒸し。
どちらも自然解凍し蒸し寿司は器のまま電子レンジで2分チン。
茶碗蒸しは器に入れて蒸し器でじっくり13分。
ふたつそろって「夫婦蒸し」。
銀座の吉宗があった頃、いくと必ずたのんで食べたのがこの組み合わせ。
蒸し寿司は相変わらず器が熱で歪んでしまった。でも味はまさにお店の味で、作るのが苦手な茶碗蒸しはキレイにできるだろうか…、ってビクビクしたけど見事になめらかに仕上がった。
スープたっぷり。鶏肉にエビ、かまぼこ、銀杏、お麩にしいたけ。具材までもがお店で食べてた茶碗蒸しとほとんど同じで感心します。
銀座のお店がなくなってもう食べられなくなっちゃったネ…、って寂しがってた。でもこうやってほとんど同じが家で簡単にたのしめる。もっと早く気づいていればよかったのにネと思って食べた。
お供に冷凍皿うどん。パリパリの麺を器に入れてあんかけ具材をかけるだけ。案外これがおいしくて、吉宗でも二人で行けば夫婦蒸しをひとつづつ、皿うどんを一人前とり分けて食べてた。野菜もたっぷり食べられて、金蝶ソースが無くなってたのがちと残念。
シマアジとトリ貝のおいしそうなのを売っていて、シマアジは胡麻和えに、トリ貝はヌタに仕立てておかずにしました。
醤油で食べる刺し身よりもこうしてひと手間かけた生魚が大好きで理由を聞いたら「味も好きなんだけど、時間が経っても乾かないでしょう。醤油をつける必要もないから、じっくり時間をかけて飲むときのアテにいいんだ」って言っていた。
たしかに乾かずゆっくり食べるのにいい料理。西をみながらのんびりしましょう…、日曜日。
なんと美しいオムライス!
プロですね。
こんなオムライスを、作ってもらっていた、って幸せですね :-)
Leoccoさん
見た目もうつくしいけれどおいしかった。大きく焼いて二人で分け合って食べました。
マークロスコ!に反応しました。同じく大好きです。日本だと川村記念美術館が良いですね。
ntさん
一度行きたいと思っているんです…、川村記念美術館。色だけが語る圧倒的な存在。心が揺さぶられるような作品たちですね。
たなか君はオムライス上手だったんですね。難しいので僕は深皿にラップをひいて卵液を薄く流してレンジでチンして包みます。絹ごし豆腐をほんの少々をミキシングしてたらたらになったのを卵に合わせます。
鳥飼のネタ美味しそうですね。うらやましい思い出ばかり。次のブログを楽しみにしてます。
匿名さん
卵焼きや茶碗蒸し、オムレツにオムライスと卵の料理は全般に上手でした。
絹ごし豆腐を混ぜて焼くっていいアイディアですね。ためしてみようと思いました。
サカキ様、
これは以前薄焼き卵のコツを伺ったオムライスですね。タナカさん作だったのですね。コツを教えていただいていて良かったです。
茶碗蒸しもお上手だったとのこと。薄焼き卵や茶碗蒸しは、焦らず様子を注意深く見ながら丁寧に作ることと、火加減はこれだ!という思い切りの良さが同居して上手く作れるように思います。タナカさんはそんな方だったのかしらなどと、まるで知り合いになったかのようにサカキさんの思い出を拝読しています。
いにしえさん
ボクが苦手な料理に限ってタナカくんは上手に作る。だからボクも苦手なものを安心して作らずにすんだのです。
コツをもっと教わっておくんだと思っても今となってはもう手遅れで、思い出の中で味わい直すほかないというのがさみしいところ。今でも台所に立って料理を作っている後ろ姿が見えるようです。
大切な、大切な思い出ですね。