負けないコトを必死に探るウェンディーズ

六本木に朝、ちと用事。ウェンディーズで朝ご飯を食べることにする。
もともとファーストキッチンだったロケーション。
黒に真っ赤の店のデザインはウェンディーズっぽくはあるけれど、看板は「ウェンディーズ・ファーストキッチン」。
コラボな感じ(笑)。

日本中に沢山お店があったけど、特徴がなくて他のチェーンとの差別化に苦労していたファーストキッチン。
鳴り物入りで再上陸したのになかなかお店が増えず困ったウェンディーズ。負け組同士のシアワセな縁組…、みたいな出来事でどうなるものかと業界の人は注目してた。鳴かず飛ばずで結局どっち付かずになるんじゃないかと思っていたら、なんとウェンディーズがファーストキッチンを買っちゃった。

小が大を飲み込むMA劇は決して珍しくはないけれど、外食産業では珍しい。
商売下手でも資金調達が上手な会社が得する産業。外食だけはそういう産業になってほしくないんだよな…、と思ってずっと見守っている。

ひさしぶりに来て朝ご飯。朝食限定。しかも六本木店限定という「ROPPONGI ベーコンバーガー」を選んでたのんだ。
アイスティーを飲み物に。ハッシュブラウンをサイドにたのみ、せっかくだからチリも一緒に。ウェンディーズといえば、チリビーンズがおいしい店…、だったですもの。当然のコトと思ってたのむ。

ところがです…。
スモールサイズを選んだらお水を入れるカップに入ってやってきた。

ロゴも入らぬありものカップで、こういうところに気配りすらもできなくなってしまったんだ…、とちょっと惨めな気持ちになった。
辛いソースはつけますか?って聞いてくるのも、あぁ、ウェンディーズじゃないなと思う。だって昔はこのチリソース。カウンターの上にどっさり無造作に置かれてそこから、好きなだけ持っていくことができたんだもの。なんだかスゴく、けちくさい。

とはいえサイドの料理はしっかりしてます。
例えばハッシュブラウン。カリカリ、サクサク。
ちょっと強めに熱が入って、だからとっても香ばしい。
にも関わらず内側の芋はスベスベ、なめらか。サクサク感とホクホク感を同時に味わうことができるのがフレンチフライなんかと違ったおいしいところ。
ココのハッシュブラウンに限らず、日本の冷凍ハッシュブラウンはおいしくなった。昔はもっとベタベタしてたけど、科学技術の進歩なのでしょう。
このおいしさがウェンディーズの努力じゃなくてメーカーさんの努力というのがまたなやましい(笑)。

チリビーンズは水分量が多くてまるで「チリビーンズスープ」のようでありました。これもコストの関係なのでありましょう。
とは言え、ザクザクとしたひき肉の塊だったりホクホクとした豆の食感。なによりスパイスソースの風味、辛味がおいしくニッコリ。スモールサイズにフルポーションのソースを入れたからスパイシーさが際立つ結果もいい感じ。

さて、メインのROPPONGIベーコンバーガー。
六本木のところだけがローマ字というのがかなり恥ずかしく、そのネーミングセンスの通りにとても恥ずかしい仕上がりでした。
だって、これ。ファーストキッチンのお家芸、ベーコンエッグバーガーですもん。肉の食感も風味もまるでない安いパテに薄いベーコン。型抜きをした目玉焼きに味をごまかすために大量にほどこしたタルタルソース。別にココに来なくても食べられる。バンズがウェンディーズのざっくりとしたものだからなおさらパティのチープな感じが引き立つ始末。食べ続けるとせつなさだけがます情けなさ。

そうだ。チリビーンズをソース代わりにしてみればちょっとは味が変わるかも…、と。
試してみるもタルタルソースの味があまりに強烈で、せっかくおいしいチリビーンズまでが台無しになる。
アイスティーをお供にしつつ、これは戒め…、と思って全部をお腹に収める。
よくやった…、と自分を褒めて慰めた。

なんでこんなコトが起こるんでしょう。
考えてみればウェンディーズはハンバーガーが好きでしょうがない人たちが熱狂したお店です。そういう彼らは今やファストフードのハンバーガーには目もくれないで、レストランやカフェに気持ちを向けている。
一方、ファーストキッチンはハンバーガーはそれほど好きじゃない人たちが、おやつ感覚で小腹を満たす需要に対応して進化した。今や彼らのキラーコンテンツはハンバーガーじゃなくてフレンチフライ。
そんな2つのブランドが一緒になって何かしようと考えるコトがそもそも不自然。ウェンディーズにとって店舗数が必要だったのならばスパッとウェンディーズをすればいいのに、それじゃ怖いからファーストキッチンの名前を残す。
勝とうとしない。負けない努力をし続ければいつか勝てると信じる心の浅ましさがこんなへんてこりんを産み落としたんだと思うことにした。気が済んだ。

 

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コメント

  1. Eiko

    あのシグネチャのチリビーンズを何の印刷も無い紙コップとは!!

    「商売下手でも資金調達が上手な会社が得する産業」。サカキさんの表現に、いつも膝を打ちます、ありがとうございます。私の産業も、そういうことが難しい産業で、確かに外食業界もそうならないでほしいなぁ…と思う事業ですね。

    ご体調、早く万全になりますように、ご自愛くださいませ。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      ハンバーガーやチリビーンズが好きな人がやっていれば、こんなコトにはなっていなかったのだろうと思いました。
      何を、どのように売って稼いだとしてもお金はお金。そう思わないと会社を売ったり買ったりはなかなかできるものではないでしょうし、でもお金がなくては商売の持続もままならない。なやましくってしょうがなくなりますね。
      そうそう。あのフロスティーもなくなっちゃいました。すでにウェンディーズではありません。

  2. Diana

    ええ~~~~っ! フロスティがなくなっちゃったんですかぁ!
    それは、ウェンディーズではないです! きっぱり!

    学生時代、美味しいハンバーガーが食べたくなると、銀座7丁目のお店によく行きました。
    コーヒーゼリーが絶滅危惧種な時代、フロスティをトッピングしたのも、夏場の楽しみでした。
    サラダバーもてんこ盛りにしたなぁ。

    トレードマークのお下げが、おかっぱになった感じですね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Dianaさん
      大きくて明るいお店でしたね…、銀座のお店。
      サラダバーにはアルファルファがいつもあって、ボクはジムの帰りに新宿のお店で、アルファルファにチリビーンズなんて、まるでアスリーツみたいな食事をしていたものです。
      おかっぱになった上に、そばかすをカバーマークで完璧に隠してしまったようであります。

  3. Runo

    ウェンディーズはベイクドポテトが好きだったんですが、確かあれもなくなっちゃったんですよね。
    「ここの○○が好きだったのに!」というお客さんは大勢いるのに、まさにそうした商品から先になくなるという不思議。
    ウェンディーズの経営陣は自分たちの商品を愛していないのでしょうか。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Runoさん
      再上陸したとき、レセプションパーティーをしたのですが、それがなんとお店じゃなくて近所のスペイン料理のお店。ピンチョスとスパークリングワインを片手に、投資家たちと日本征服の野望を語ってらっしゃいました。
      多分、ウェンディーズのハンバーガーを食べる気もしない人たちが経営しているのだろうとそのとき思いましたが、ここまで潔いと笑う他ないですね。
      ベイクドポテトにチーズとチリビーンズをのっけて食べるの、好きでした。

  4. いにしえ

    飲食店で働くことは、美味しい感じてもらって、食べることを通じて、素敵な時間を過ごしていただくことが働き甲斐なんだと思っています。それがファーストフードであっても。
    経営者がお金のことだけを考えているとしたら、そこで働いている人たちは、何を働き甲斐だと思っているのでしょう。
    寂しく、心配になってしまいました。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      ファストフードのようなチェーンストアでお金を払うとき。この代金が、どれだけこの人の手元に残るんだろうって思うと、なんだか申し訳ないような気持ちになったりします。
      人と人とがシアワセにふれあい、互いに平等なシアワセを手にすることができる社会。
      実現する方法があるんだろうか…、って思ったりします。

  5. めるば

    新宿南口(ルミネの向かい角)にあったファーストキッチンが改装中になっておりました。まさかのまさかでしょうか。改装後の姿が気になります…

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      めるばさん
      あの角地のお店ですよね。確かに工事囲いができてます。もしかしたら…、でしょうか。ドキドキですね。

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