インデアンスパの熱々をおかめの杏の氷で冷ます
丸の内までインデアンカレーを食べに来る。
甘くて辛い大阪カレーの発祥の店。向かい側にはお好み焼きの「きじ」があり、大阪の出島のような場所の一軒。
今日の目当てはスパゲッティ。焼いたスパゲッティにカレーをとろりとかけて仕上げる料理。
サンプルケースの写真を撮ってたら、ガラスの壁を通してちょうどカレーをご飯にかけてる優雅な姿が見える。
昼のお腹がグーとなる。
インデアンスパゲッティにルーの大盛り、1030円。
タナカくんとふたりで来ると、彼はカレーライス、ボクはインディアンスパゲッティというのがいつものことだった。途中でお皿を交換して食べ比べするんだけれど、タナカくんは「やっぱりご飯のほうがおいしい」って言ってカレーライスを平らげていた。
ここのご飯は熱々です。「ホットな辛さ」に「ホットな温度」で舌が火傷するくらい熱くて、汗が吹き出すほどに辛く感じる。それがインデアンカレーマジックだと思う。タナカくんはその魔法の虜でしたからしょうがない。
さて、インデアンスパゲッティ。
スパゲティの山にたっぷりカレー、グリーンピースが彩り添える。
麺は細めでハリがある。
ついた焦げ目も食欲さそう。
フォークをさしてクルンと回すとキレイに絡みついてくる。
カレーの適度がとろみのおかげで麺がまとまってくれるのでしょう。
細いけれどもしっかり硬め。ザクッと歯切れてパラリとちらかる。それをカレーがつかまえてねっとりとろかす。ときおり牛肉がクチャっと潰れて、グリーンピースがコツコツ奥歯を叩いてく。騒々しくておいしいゴチソウ。
それにしても独特な味。
最初は甘く、甘さにうっかりしていると突然辛みが押し寄せる。舌はそのうち慣れるのだけど、唇や喉がヒリヒリずっと辛くて熱い。
キャベツのピクルスが甘くて酸っぱく、よき口直し。ホッとする。
とはいえ、スパゲッティにするとカレーライスで食べるより、辛さをやさしく感じるのです。
それはおそらくスパゲティーの麺を炒めた脂のおかげ。麺だけ食べるとほのかに甘く、脂の香りがなんともおいしい。
それにスパゲティは若干ぬるめで、カレーの温度も下がって感じる。食べやすい。
ご飯と一緒に食べるカレーは口の中がたちまちカレーの色に塗り込められる。ご飯が気配を消すんですネ。ところがスパゲティと食べると麺とカレーが主導権争いをするようにせめぎ合って、けれど最後は混じり合う…、そんな感じがたのしかったりするのです。
もぐもぐパクパク食べ続け、最後にカレーまみれの牛すじ肉がひとかけ残る。フォークとスプーンでよせあつめパクリと食べてお水をゴクリ。汗をかきます…、オキニイリ。
辛くて熱いスパゲティでお腹の中まで汗をかいたら甘くて冷たいもので〆。
ちょっと歩いて交通会館の「おかめ」にきます。
おはぎが人気の甘味処。けれど軽食メニューも充実してて、食事時にもいそがしい。
ご婦人がたでにぎわうにおじさんひとり。恐縮します。
かき氷がはじまっていました。
イチゴに宇治、メロンにレモン、小豆とバエを狙わぬシンプルさ。一番好きなのは「杏氷」。それにする。
注文するとシャリシャリ氷を削る音がしてまもなく完成。「お待たせしました」と木のトレイにのせられ到着。小さな器にあふれるほどにたっぷりだから、トレイが受け皿の役目を果たす。心おきなくこぼして散らかし、たのしく食べるオゴチソウ。
杏シロップ、細かく刻んだ杏に、形を残した杏が3枚。
氷は細やか。白く見えるけど光にあったところはキラキラ光って透けるよう。
てっぺん部分はシロップたっぷり。だから氷はみずみずしくて舌にのせると儚くとける。甘くて酸っぱい、とびきり冷たい杏ジュースを食べてる感じ。
ときおり刻んだ杏がクチュリと潰れて杏の香りをひときわ強くする。
山の中腹はシロップ少なめ。舌がすっきりリセットされて、しかも氷の温度も低い。頭がキーンッ、胸にドスンと痛みが走る。
タナカくんは氷を食べても頭や胸が痛くならない体質で、バクバクザクザク食べていた。ボクはゆっくり。お茶を飲んだり杏を食べたりしながら味わう。
器の底に向かうと再び杏シロップがたっぷりで、氷も徐々に溶けていく。そして突然、氷の下から杏が一枚浮いて出てくる。そうそう、いつもこれで得した感じがするのネ。しかも氷でずっと冷やされギュッと締まった杏はおいしい。お腹にすっかり収まった。
去年に比べて50円だけ値段があがり、それでも840円。またまいりましょう、オキニイリ。