インデアンのカレースパ。野田岩のうなぎ
昼にインデアンカレーでスパゲティ。
カレーをたのむとすべての仕事がカウンターの中で完結。ご飯もカレーもカウンターの中にあるから厨房入らずのクイックメニュー。
スパゲティは厨房で焼いて出てくるからほんのちょっとだけ待つことになる。こんもりお皿に盛られた麺に大きなレードルですくったカレーをクルンと素早くかけまわす。それで麺を見事に覆ってお皿に垂れのひとつもないことにいつもながらウットリしちゃう。
カレー多めでお願いしました。細目のスパゲティ。茹でおきのものを油で炒めて軽く下味がついている。ところどころに焦げたところがみてとれて、ご飯にはない香ばしさがなんともおいしげ。無造作にフォークに麺を絡めとっただけでカレーが麺にほどよくまとわりついてくるのもステキ。
麺は硬いです。茹でおきだからコシはないけど麺そのものが硬くてバサッと歯切れてく。歯切れて散らかった麺をカレーがとらえてまとめる。カレーのぽってりとしたなめらかを麺が引き立ておいしくさせる。
ご飯で食べるとヒリヒリ感じるカレーの味が甘さを強く感じるのは麺を炒めた油のせいでしょう。ホッとしながら食べ続けるとお腹の中が汗をかく。
とろとろになるまで煮込んだ牛肉が奥歯でクチャっと潰れる感じもオゴチソウ。どんなカレーでもスパゲティにかけておいしいソースになってくれるかというとそんなことはない。ここのカレーはどこか特別。今日も堪能いたします。
ひさしぶりに日本橋の高島屋の特別食堂にやってくる。
鰻の野田岩、帝国ホテル、日本料理の三玄がそれぞれ厨房を構えて料理を作る食堂で、自由にそれらを組み合わせて食べることができるなんともシアワセな場所。
大食漢だった頃には、三玄の刺身で冷酒を飲み、帝国ホテルのウィンナシュニッツェルに野田岩の鰻を食べてピーチメルバで〆るなんて、お大尽遊びをしていたものです。
当時は明るく清楚な食堂的な設えだった。
改装した今は重厚でいかにも「特別な」雰囲気になっちゃってちょっと残念。「上質で上等」から「贅沢で高級」なムードがいささか気恥ずかし。
野田岩の鰻を食べる。鰻重、定食と種類豊富にメニューがあって、「まぶし御膳」が目に入る。丼に鰻の蒲焼き、出汁に薬味が添えられて鰻丼のようにもひつまぶしのようにもたのしむことができるというのでたのむ。
丼に蓋。伏せたお茶碗、出汁の入った土瓶とお膳の上の景色がにぎやか。蓋を開けると蒲焼の香りがフワッと立ち上がり鼻をくすぐる。茶碗にとりわけ薬味をパラリ。まずは丼としてパクリとひとくち。
脂をギリギリまで落とし蒸して焼き上げさっぱりとした味わいが独特で、鰻が鰻であることを忘れる寸前の状態とでもいいますか。ハラッとほどけてご飯と混じる。そこではじめて脂を感じる。脂を落としていながらパサつくことなくとろけていくのがなんとも絶妙。茶碗の中で鰻を崩し出汁をかけてサラサラ食べる。
ご飯の量が控えめで、ご飯をたくさん食べるために最適かされた名古屋のひつまぶしと違った、鰻をさまざまな食べ方でたのしむためのひつまぶしって感じにニッコリ。これもよし。