イノダコーヒでイタリアンにアラビアの真珠

小腹が少々かしましい。場所は東京駅の近所で、ならばと「イノダコーヒ」に上がる。
駅ビルの中の大丸さん。その8階にあるお店。
大きな窓に面したカウンターの一番奥の席をもらった。マホガニーの深い赤茶に真っ赤なビロードのカーテン、同じ色した張り地の椅子と豪奢なしつらえ。京都の色気をしみじみ感じる。
ところでつい先日まで窓の外にあったビルがなくなって更地になって工事中。あと何年かで超高層ビルが建ち並ぶ街に生まれ変わる…、その建築現場を絶好の高さ、角度で観察できる。ビルフェチ的にはたまらぬポイント。ワクワクします。

たのんだのはイタリアン。という「たしかナポリタンみたいなんだけど、名前はナポリタンじゃない料理がありましたよね」と言ったら「イタリアンでございますね」と教えてくれたイタリアン(笑)。
フォークがロゴの入った紙ナプキンの上に置かれて、同じロゴ入りのグラスにお冷。粉チーズにタバスコが並んで食事の準備が整う。
「お待たせしました」と左側から腕がそっと伸びてくる。手には銀色の器がひとつ。蓋付きの深めのお皿で下皿つき。晩餐会の一品のごとき華麗で重厚。背筋がスッとのびる贅沢。しかも蓋をとってくれます。
カシャーンっと金属同士が軽く触れ合う音をたて、あいた器の中にはケチャップ色したスパゲティー。ナポリタン…、いやいや見事なイタリアン。

太い麺です。
ケチャップソースがたっぷりからんでネットリしてる。
油と一緒にフライパンの中でしっかりからまって、ソースが乳化していてぽってり。
フォークに見事にからみつく。
口にふくむと存在感はかなりのもので、やわらかい。
なのにしっかり歯ごたえはあり、口の中でのたうち回るような力強さにウットリします。
ソースは甘みよりも酸味がしっかりした味わい。トマトの旨味もどっしりしてる。粉チーズをたっぷりかけて、タバスコもバシャバシャ。かなりたくさんかけたのに不思議なほどに辛味をそれほど感じぬほどの強い旨味にウットリします。具材は缶詰マッシュルームに玉ねぎ、ピーマン、それにハム。ここのハムは加水をほとんどせず作るしっかりとした味わいのハム。その上等な味、食感に感心します。おゴチソウ。

お供はここの名物コーヒー、アラビアの真珠を選ぶ。
たのむと必ずお店の人がなにか聞きたそうにひと呼吸。すかさず「ミルクを入れて、甘くしてください」という。するとお店の人がホッとしたようにニッコリとする。それがここの昔からのアラビアの真珠の飲み方だから。
あらかじめほんの少しだけ砂糖を入れて、ミルクもたっぷりはいってくる。甘いのか、甘くないのかわからぬほどの砂糖の量で、コーヒーの酸味を抑える役目をしてる。半分ほどの飲み、別添えされるほんの小さな角砂糖を溶かして飲むと不思議なほどに甘くなる。たったこれだけの量が…、とびっくりするほどで、同時に酸味が顔をのぞかす。まるでマジック。堪能す。

 

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