イタトマのパスタが復刻したっていってもね…。

台風一過の夏の暑さの祝日の今日。新宿に出てイタトマJr.で朝ご飯。

イタリアントマトのファストフードバージョンがイタトマJr.。
…、ということなんだけど果たしてこの店を使っている人の何割くらいが、その「レストランとしてのイタリアントマト」を知ってるんだろう。
もう長い間、そんなお店はないものなぁ…、ちょっとしんみり。

1980年代のコトでした。
大きなサイズのアメリカスタイルのケーキと、スパゲティではなく「パスタ」が売り物のおしゃれなレストランが注目集めた。
若い人たちが集まるおしゃれな街の外れや裏路地。
わざわざ行かなきゃいけないような不便な場所で、なのにスゴく繁盛してた。

実はこの「ワザワザ行かなきゃいけない場所」にあったというのが大切なところで、そんな場所でも探してきてくれる人は「期待のかたまり」。
ワザワザ来た自分がカワイイ。せっかく来たんだから楽しまなくちゃと、全てを前向きにとらえてくれる。いいところを探してよろこび、悪いところは見逃してくれたりもする。それがちょっと不便な場所にある店のいいところ。

生まれたばかりの会社やお店は資金が潤沢にあるわけじゃない。だからいわゆるいい場所に店を持てない。
イタトマも最初はだから目立たない場所ばかりにお店を出してた。
ところが徐々に有名になり、会社が裕福になるに従いいい場所に大きなお店を次々出すようになっちゃった。
それっていいことのように思えるけれど、便利な場所にはいろんな人がやってくる。ワザワザじゃなく、フラリとなんの期待もしない人もたくさん。

いい店と呼ばれるために一番重要なのは「期待を上回り続ける」というコト。裏を返せば「期待されない」店はいい店とは呼ばれない。期待しない人が増えると、お店の人が努力をしてもその努力が空回りしてしまうこともままあって、結局「便利でただ人気があるお店」になって、いつしか「目立つ場所にあるただの店」になって終了。

「かつての」イタトマがいつしかなくなってしまった理由のひとつが、誰からも期待されない普通のお店になっちゃったこと。
勿体無いなぁ…、って今でもしみじみ思ったりする。

ところでお店の中には「あのイタトマのパスタが再び食べられます」と幟が立ってる。

それってウレシイことなんだろうか?
あれほどあのときハマったボクも、今ではすっかりどんなパスタで味だったのか忘れてしまっているほどですもん。
誰に向けてかわからぬキャンペーン。なんだか辛い。モノガナシイ。

朝食メニューはかなり多彩。
サンドイッチあり、トーストと卵料理のセットもあり。
ホットドッグにパンケーキ、しかもケーキもたのめたりするなんでもありな状態でクロックムッシュとチリドッグ。クラムチャウダーを選んでたのむ。

たのんだ料理がでてくるのに結構時間がかかってしまう。しかもクラムチャウダーは二階から、ホットドッグやクロックムッシュは一階からとオペレーションがとっちらかっておりました。あれもやりたい、これもやりたいと欲張るとろくでもないことになっちゃうってコト。

これもおそらくイタトマがダメになった理由のひとつだったような気がしてしんみり。

商品はほどほどです。
まずくもないけど旨いわけでもない。
チェーンストア的な味のする普通の商品。
ただ、ホットドッグもクロックムッシュもパンが貧しい。
特にクロックムッシュを作った食パンの焼くとカサカサ乾燥して固くなること…、ビックリしちゃう。
ひっくり返すと底にまるで焼け目がついていないのに、焼けた香りがして熱いことになおさらビックリ。

ケーキはどうよ…、とショーケースの中をみてみると昔のケーキの面影もない小さなケーキになっちゃっていた。いつまでたってもジュニアのままじゃダメなのにね…、って思いもしました。なやましい。

 

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コメント

  1. Eiko

    イタトマとカプリについては、今のアラフォーまでぐらいがギリギリ昔の良さを知っている世代ですよね(41の私がギリギリ知ってる、位の感覚なので)。

    イタトマの大きなケーキとか、カプリの大皿提供とか。大学が池袋だった私は、大きいケーキの想い出と言えばダッキーダックにも同じ想いがあるんですが…いつの時代にもファンが通いたくなる良さを継続することの難しさを感じます…

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      ダッキーダックをやってらっしゃる会社は、談話室滝沢の事業譲渡うけ、高級喫茶店があまりに儲かるコトに有頂天。すっかりケーキとパスタのカフェレストランであることを忘れようとしています。
      いろいろと勿体無いコトが外食産業にはあります。なんだかとてもなやましいです。

  2. じゅん

    高校時代ノートの代わりにイタトマのケーキやポットパイをやり取りしていたことを思い出しました
    いつだって欲しい物がいっぱいで、いつもお金がなかったからイタトマはかなり贅沢なお店
    ケーキやスープが精一杯で、パスタを食べたのはかなり後でした
    思い出のお店がそんな風になってしまったのはとても残念ですが、この記事のおかげで自分で外食を始めた頃の初々しい気持ちも思い出しました
    色々と懐かしいです

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      じゅんさん
      お客様にとってのあこがれであると同時に、日本中の飲食店の人たちにとってのあこがれでもありました…、かつてのイタリアントマト。
      でもそのスタイルを真似しても繁盛店にならなかったりすることが多くって、立地とコンセプトって密接な関係を持ってるんだなぁ…、って思い知らされたりしたものです。
      商品だけを復刻しても、当時のあの雰囲気の中で食べなくては同じ味には感じないには違いないですよね。

  3. Diana

    高校時代、平日にちょっぴり贅沢なランチをいただきました。

    いや~、生意気ですね。
    ファーストフードと百貨店のレストラン街以外で入れた数少ない店でした。

    チェーン店ゆえの変貌振りがなんとも言えません。
    中身が変わっても、ブランド力があるんですかね?

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Dianaさん
      イタリアントマトを買った会社はコーヒーが売る場所がほしいから…、という判断で買ったのでしょう。だからこういうスタイルのお店に業態転換を図った。
      かつてのイタリアントマトに執着していたら、上手くいかないから、畑違いの俺達がかったんだ…、ってそんな感じの買収劇。ブランド価値もへったくれもありません。

  4. koku

    ああ、懐かしいなあ滝沢・・・もう10年以上たつのかな。ホテルのラウンジもかくやのサービスと空間を提供することを第一と掲げる本当に素晴らしい喫茶店でした。とにかく従業員の質の高さに驚いたことが何度もありました。今ではこのような驚きは、どこのチェーン店に行ってもほぼ皆無になりました。その後、東口の跡地に新しくできたお店に一度だけ入って二度と寄らなくなったのも今となっては懐かしい?思い出。滝沢とほとんど変わらない値段で珈琲を出して大半を満足に教育を受ける時間もないバイトで営業すれば、そりゃ儲かって仕方ないでしょうね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Kokuさん
      働く人たちが、飲食店が好きでしかもそこでお客様によろこんでもらえるのがうれしくて働いていた。
      しかもお客様から正しく評価してもらえる場所とブランドがあってはじめて、ああいう雰囲気は成立したのでしょうね。
      いろんな意味で、今という時代は飲食店が飲食店らしくあるのに厳しい時代です。

  5. たばきち

    はるかはるかの昔に、
    鎌倉小町通に開店したてのイタリアントマトに
    いとこと行きました。
    今思うと、送り出してくれた伯母の太っ腹に
    驚くばかりですが、
    大きなチーズケーキと、広々としたお店。
    初めてのカフェ体験だったなあ。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      たばきちさん
      小町通りのイタリアントマトは、数あるイタトマの中でも最高クラスにおしゃれでした。海外のコーヒーショップのような雰囲気があって、お店をみたすおしゃれなお客様の作り出す空気感がすごかった。
      なつかしいです。

  6. JUNCHAN

    東京都下の実家の近くに昔イタリアントマトがありました。ちょっとお高めでした、学生には。
    父がよくあのおっきなケーキをお土産に買ってきたり、お店でパイで蓋をしたシチュー食べたり。
    当時としてはお洒落な店でしたよねぇ。
    いつの間にか次々店が無くなって、Cafe Jr.というのになって。
    どんなものかと思いつつもまだ行ったことがありません。
    なんかファミレスみたいな気がして。
    学生時代の楽しい思い出の一つに間違いなくイタトマは存在しています。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      JUNCHANさん
      イタリアントマトとCafe Jr.はまるで違ったお店。箱だけが残って中身がガラッと変わっちゃったんだなぁ…、ってしみじみ寂しくなっちゃいます。
      イタリアントマトみたいなお店がもし今あったら、若い人たちを連れて昔の自慢話ができたのになぁ…、って思ったりします。さみしいですね。

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