アンスタンド、銀座六雁キッチンステージ

日本のお菓子とお茶は切っても切れない関係。お菓子のためにお茶があり、お茶のためにお菓子がある…、ってそんな仲良さ。だから和菓子のお店には魅力的な喫茶コーナーが併設されていたりする。
虎屋は2種類。
ひとつは虎屋の販売店に併設されてる「虎屋菓寮」。季節の和菓子を抹茶、煎茶で味わいながらくつろぐ空間。ほとんどが百貨店の中にあったりするからお客様はおばさまメイン、格調高し。
もう一種類は「TORAYA Cafe」。和菓子の素材と洋菓子の製造法を融合させたお菓子、飲み物を提案する店。お店の雰囲気はクールで場所もおしゃれなエリアを好んで選ぶ。新宿にはよりカジュアルな「アンスタンド」という店がある。

あんこを使った洋菓子や飲み物がたのしめるファストフード的なお店。
夏はあんこのフラッペ。
今の季節はイチゴとあんこをコッペパンにはさんだイチゴコッペが一番人気。
おじさんたちがうれしそうに頬張っていた。
ボクはお抹茶。
「アンペースト抹茶オレ」っていうのをたのむ。

あったかいミルクで抹茶を立てたところにあんこを沈める。そのあんこの自然な甘みと豆の風味、ちょっとザラッと砕けた小豆が喉をくすぐる感じが独特。抹茶の苦味もなめらかで、気持ちがホカリとあったまる。
それにしてもこのお店のデザイン…、すみずみまでもがうつくしい。
カウンターの上に置かれた給水器は白い陶器でできていて、注ぎ口の蛇口はピカピカ。飲み物を入れるカップに履かせたスリーブに描かれているあったかい「Tの字」、そして木のスプーン。日本っていいなぁ…、ってしみじみ思う。オキニイリ。

 

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昼、伊勢丹のキッチンステージで銀座「六雁」のポップアップ。
世界でおそらく最もうつくしく臨場感あふれるオープキッチンをもつ和食店。ご無沙汰してるなぁ…、って思いながら今日の昼。
前菜三種盛りと、主菜にご飯、汁のお膳という構成。わかりやすい。
献立の構成がわかりやすい以上に、料理のひとつひとつがわかりやすく、にもかかわらずほんのちょっとだけ謎めいたひねりがあって好奇心をかきたてる。
なによりビジネスクラスの機内食のように見えないところがありがたく、つまり「無理して品数を稼ごうとせぬ」必要最小限のゴチソウでもてなす献立。それに対する2916円という値段も適価でいいなと思う。

前菜は野菜のジュレ寄せ。赤蒟蒻を彩りに長芋、レンコン、プチトマト。インゲン、蓮芋、南瓜を細かく切り分け出汁で煮る。それを出汁でゼラチン寄せにしたもので、箸で割った瞬間、野菜の香りが花開かせるように沸き立つ。涼しいゴチソウ。
ホタテの柱に細かなパン粉をぎっしりつけて青菜のおひたしと一緒に味わう一品は器の底に残った出汁までおいしい。
筍、菜花を味噌で味わう提案も素朴で素直。味わい深い。
主菜は鯛の塩焼きで、ソテした春キャベツをベッドにし蕪のすりながしとともに味わう。鯛の塩加減が抜群で、すりながしに加えた青海苔の風味もゆたか。焦がして仕上げたそら豆が春の香りを添えている。
穴子の唐揚げを混ぜたご飯。ごぼうと生姜の香りにハッとさせられて、揚げた穴子がはらりと崩れる。片栗粉だけをまぶした揚げ穴子の食感、新鮮。今度作ってみようと思う。湯剥きしたトマトを味噌汁の中に沈めただけの汁。煮るのでなくてただ泳がせて、だからカリッとフルーツトマトの食感、味わいはそのまんま。溶いた芥子が風味を添えて汁に加わる自然な酸味にウットリしました。ココしばらくのキッチンステージにおいて出色。満足す。

 

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