アゲテオロシテ唐井筒

ひさしぶりの「唐井筒」。
銀座を歩く。
場所は銀座の七丁目。資生堂本社の近くでつまり花椿通りに面したビルの地下一階。
ビルの名前はソワレド銀座弥生ビルです。
ソワレドビルは銀座の社交ビルの代表的なブランドのひとつ。どのビルもテナントの大半は高級クラブ。それに混じって飲食店がちらりほらりと。
クラブの営業は夜の公演…、つまりソワレで、飲食店もほぼソワレ営業。でも中にはマチネもやっている。昼営業もしている例外的なお店のひとつがこの店で、それでウキウキ。
夜になればドレス姿のキレイなおねぇさんがお客様を見送る姿で華やぐ豪奢なエレベーターホール。地下に向かう階段脇にすっぽんの絵柄と一緒に書かれた店名看板。
すっぽん料理で有名な店。夜は銀座らしい大人価格の店だけど、昼は手軽な値段でおいしいモノが揃ってるのがありがたい。

店に入るとファーストゲストでありました。開店直後。おいしい匂いがしています。
魚料理が中心でどれも値段は1150円。夜の名物のすっぽんのスープを使った雑炊があったりするけど、今日の目当ては「かれいの揚げおろし」。それをたのんでお茶を飲む。座ったカウンターは目の前が厨房。若いご主人がテキパキ料理を作りはじめる。生のカレイに粉を叩いて油の中に落として揚げる。シュワシュワバチバチ、大きな湿った音がして魚が揚がってく匂いがしてくる。
磨き上げられたキレイな白木のカウンターです。触るとスベスベ。手のひらが張り付くようななめらかさ。

次々やってくるお客様。
そのほとんどがカレイの揚げおろしを頼む人気で、ずっとカラコロシュワシュワ音が響いて匂いも漂う。
そろそろボクのカレイが揚げ上がるようでお皿が用意されます。
熱々の皿。そこに揚がったカレイを置いて小鍋で温めておいた汁をかけまわす。シュワーッと汁が揮発して、それで完成。

汁は濃い目の醤油味。そこに揚げたばかりの、カレイの油がとけだし混じってコクとなす。
せっかくバリバリに揚がったカレイが、そのバリバリを台無しにしてけれどその台無しを補ってなお余りあるほど汁をかけるとカレイがおいしくなっていく。
皮はトロトロ。身はしっとりふっくら。

実は昔、四番町に住んでた頃に近所に「おがわ」という割烹料理店があって、そこのランチの名物が同じカレイの揚げおろし。確か「おがわ」という名前に変わる前の店名が「井筒」で多分、ココと同根だったんでしょう。だからなんだかなつかしい。

ヒレまでバリバリ食べられます。香ばしくって食べはじめはサクサクしていて、たちまち崩れてとろけてく。ご飯の上にのっけて煮汁をかけまわし、ご飯と一緒にハフハフ食べると口の中がこうばしくなる。
身離れがよくて骨からキレイに肉が剥がれる。背骨を持ち上げ箸を左右にうごかすと、しごかれた半身がお皿に落ちて骨だけになる。汁にずっと使ってた半身は味がしっかりついてて、しっとりネットリ。煮汁の中には大根おろしがくわえられてて、ザラザラとした食感がカレーのネットリを引き立てる。
おいしい味噌汁。小鉢のこんにゃく、切り干し大根、漬物とどれもがご飯をおいしくさせる。あっという間にお皿の中には骨だけ残る。
そして満席。それでもお客様がやってくる。食後のお菓子をスキップし失礼しようと立ち上がったら、今度いらっしゃったときにはデザートをダブルでお出しいたしましょう…、と。かなりゴキゲン。また来ましょ。

 

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