アイスコーヒーが下皿したがえ銀座ウエスト

キラキラをたのしみましょう…、と銀座ウエスト。
今日のソファのカバーもテーブルクロスも眩しいほどに真っ白で、パリッと糊がかかって手触りもよい。
ずっと営業をし続けている店。
建物自体がちょっとかしいて耐震基準を満たすための鉄の柱が必死で天井を支えてる。
よく見るとところどろこの塗装が剥げていたり、古ぼけて見えるところがある。けれど毎朝、毎朝、仕立て直されまっさらな状態で生まれ変わり続けているようなすがすがしさがあるのがステキ。
いらっしゃいませと同時に氷の入ったお冷のグラス。グラスの上にお店のトレードマークの天使が舞います。竹を編んだカゴに分厚いタオルのおしぼり。いつも通りがいつものように守られてることにホッとする。

アイスコーヒーをまずもらう。薄いグラスが下皿したがえやってくる。
うやうやしいです。コースターと違ってアイスコーヒーが上等な飲み物のようにみえてくる。そう言えば下皿というもの自体を、最近、節約する傾向が顕著で例えば、カップスープやアイスクリームの器の下皿を見る機会がどんどん減ってる。勿体無いなぁ…。ちょっとしたことが料理の格を上げたり、下げたりするのに、勿体無い。
このグラスにも天使が舞って、細い銀のマドラー、一本。うやうやしいです。クリームを入れたピッチャーは取っ手が注ぐ口に対して90℃の位置についたオリジナル。磨き込まれた細かな傷がたくさんついてて、鈍く輝きテーブルの上をキラキラ、輝かす。

クリームは乳脂肪分たっぷりで、これまた上等。
そっと注ぐと氷の上にのっかってしばらく漂う。
それがゆっくり自分の重さで沈みつつ、コーヒーとゆっくり混じる。

メインのBLTがやってくる。
よく焼かれたトーストブレッド。
ここの普通のサンドイッチ用のパンよりも厚めに切って、中には分厚いベーコン、トマトにレタスの順に積み重ねてる。
パンにはバターとうっすらマヨネーズ。ベーコンはカリカリに焦げてしまう寸前までよく焼かれていて香りがおいしい。噛むとジュワッと脂がでてきて口をひんやり冷たくさせる。かなりたっぷり入ったトマトの酸味と甘みで味がキチッと整う。オゴチソウ。

搾り器に挟まれたレモンは、皮の黄色い部分が丁寧に剥かれてて、ギュッと搾っても皮の苦味が出てこない。厚みのあるパンではあるけど、自然な甘みの痩せたパン。あくまで挟んだ具材の味わい、風味をたのしむサンドイッチ用としてぴったりで、ひと切れ、そしてまたひと切れとなくなってくのがさみしくなっちゃう。でもしょうがない。
春先に来たときに、先輩に伴われてぎこちなくも一生懸命サービスしていた新人さんも、すっかり仕事が身についたよう。グラスの中が少なくなると「おかわりお持ちいたしましょうか?」と自然な笑顔でさりげなく。その笑顔までキラキラでした、オキニイリ。

 

関連ランキング:喫茶店 | 銀座駅日比谷駅内幸町駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。