朝のゆうらく。有楽町で昼
朝、浅草橋の「喫茶ゆうらく」。秋葉原駅のひとつ東側が浅草橋駅。駅を降いて南に行けば神田川。東に歩けば隅田川。空が広くてのんびりとした空気感が都心にはないのどかな感じを醸し出す。
昔からの問屋街ということもあってでしょうね…、昭和な風情のお店が多い。しかもかつての花街です。色っぽい風情のお店がまだ残ってる。ここもそういうお店のひとつ。創業1973年と言いますから50年超。昭和40年代でピタッと時が止まったようなお店がステキ。
喫茶店という業態が日本の飲食業の王様だった時代の店です。椅子もテーブルも照明器具もこの店用に誂えられたもので、意匠を凝らした設えが今でも新鮮。小さなテーブルのデコラ張りのテーブルトップは各辺、角が削られていてモダンな仕様。オレンジ色のアクリルのおしぼり皿が似合ってる。
ミニドッグのモーニングがオキニイリ。アイスコーヒーをお供にもらう。

籐のバスケットにミニドッグとゆで卵。
ゆで卵がステンレスのエッグスタンドに入ってくるのに、ニッコリします。
小玉ながらずっしり重たく、しかもほんわかあったかい。
テーブルトップをコンコン叩いてヒビを入れたらそっと剥きます。
最初はペリペリ、細かく砕け、とあるところでスルンと大きく剥けていく。
塩を丁寧にまぶしてパクリ。
白身は硬く黄身はなめらか。朝のゆで卵ってなんでこんなにおいしいんだろう…、って思いながらコーヒーこくり。朝の頭がスッキリします。
ミニドッグは本当にミニ。ドッグロールじゃなくてテーブルロールに切り目を入れてハムにきゅうり、そしてケチャップ。ロールはトーストされていて軽い焦げ目がついているのにまたニッコリ。
甘くてふっかりしたロール。ハムがムチュンと歯切れてきゅうりがバキッと折れる。折れて壊れて緑の香りと一緒に口の中をみずみずしくする。
たった二口分だけど、朝のお腹に十分でなによりたのしい。
アイスコーヒーにミルクを入れると浮かびます。
乳脂肪分がたっぷりのミルクだったからでしょう…、氷にまとわりつくようにしてずっと混ざらずふわふわ浮かぶ。グラスに口つけ飲むと最初にミルクがトロンと唇なでて、徐々に混ざってミルクコーヒーになっていく。
あらかじめガムシロ入れて甘くした昭和テーストのアイスコーヒーが朝のお腹にやさしくて、そして間も無く打ち合わせ。
昼はシズラー。有楽町に移動して東京フォーラムの地下の店。
果たしてこの場所がそもそも飲食店用に用意されていた場所なのか、疑わしく思えるほどにそっけない「通路の一角感」が漂う不思議なスペース。
窓は当然なくて唯一、おいしい景色はサラダバー。
サラダバーが売り物のこの業態にとってはむしろいい場所なのかも…、って思うことにしてたのしみます。
お店に入ったのは午後1時過ぎ。にもかかわらずサラダバーの状態はとても良くってどの食材、料理も器にたっぷり揃えられている。サラダバー自体もキレイに磨かれて残り物感が一切ないことに感心します。

アルファルファをメインに茹でたキャベツにブロッコリ。
キュウリに枝豆、シュレッドハム。
カニカマとセロリのサラダにヤムウンセン。
お皿の上をにぎやかにして、グリーンゴッデスドレッシングで彩り添える。
コーンスープにガンボ、それからクリームトマトと3種類のスープが揃う。
今日はトマトな気分でクルトンのせてコクリと飲んだ。トマトの酸味がお腹をスキッとしてくれる。サービスのチーズトーストがしみじみおいしい。オキニイリ。
メインはとりわけポーションの盛り合わせ。スペアリブにビーフステーキ、チキングリルを選ぶ。ミントソースにマッシュポテトでひと揃え。グリドルの上で断面を焦がしたレモンが存在感をはなっています。酸味まろやか、肉に搾ると甘味が引き立つ不思議なおいしさ。
スペアリブは齧ればスルンと骨が肉を脱ぎ捨てるようにキレイに外れて口の中へとやってくる。脂がクチャッ、バーベキューソースが甘くて焦げた脂の香りもおいしい。
ミディアムウェルダンに仕上げてもらったサーロインは噛み応えがありジューシーで、鶏のグリルはふっかりやわらか。ミントソースのさわやかな香りが甘みを引き立てる。
ご飯に枝豆、スイートコーン、シュレッドハムにタコミート。ハラペニョの酢漬けにナチョスをあしらって、ナチョスをバリバリ壊して全部を混ぜ、パクリ。
これまたトマトの酸味がおいしく、お腹も満ちる。ソフトクリームにバナナを添えて甘い〆。
それにしても女性客の多いこと。肉を食べにきたというより、野菜をお腹いっぱい食べにきたって感じに見えて、お代わりするのも恥ずかしくない。女心に刺さるのでしょう。お腹いっぱいになっても気持ちが軽く感じる…、悪くない。












