もてなしよりもスピードが優先されるコロナな今

やっぱりおいしい牛たんを食べたくなって東京駅の利久に来てみる。
かつては終日、ずっとウェイティングが続いていた店。人気の店ではあったけれど今は若干、静かでのんびり。
店の表に物販コーナー。
ビニールカーテンが垂れ下がり、店に入るとカウンターの仕切り板にもビニールカーテン。ソーシャルディスタンスを保てるようにと、注意書きが一席おきに置かれてて通常モードじゃまだまだないんだってしみじみ思う。
とはいえメニューは間引かず通常モード。もともと牛たんというキラーコンテンツを中心に定食メニューでやってる店で、小さな厨房、最小限の人数でやりきれるようにできあっているお店です。ボクもここではメニューを見ることはほとんどなくて、「極み定食3枚6切れ」と決まってる。
それに出汁でわったとろろをつけてひと揃え。少々お時間頂戴します…、と言われてのんびりちょっと待つ。

お待たせしましたって提供された定食をみて、ちょっとビックリ。
実はこの店。いつも感心していたのが、料理をトレイで運んでくるけどお皿ひとつひとつをトレーから取り上げ、食卓に直接並べるというひと手間をかけてくれるところだった。
トレイごとおけば簡単だし時間短縮にもなる。食器の下げの手間も省ける。にもかかわらずトレイごと置かない。お盆、トレイは料理を運ぶ道具だからという心意気が、この店らしいおもてなし。…、だったのだけど今日はトレイごとおいていった。感染リスクのコトを考え迅速に提供するための工夫なんでしょう。さみしいけれどしょうがない。いつかかつてのやり方に戻る日がきますようにと思って食べる。

おいしげに焼き上がった分厚い牛たん。3枚焼いて2つに切り分け都合6枚。
芯に向かってロゼ色にグラデーションを作って焼けたその断面のうつくしきこと。
ツヤツヤしていて、みずみずしさすら感じる見事。
最近、あらかじめ切った牛たんを6切れ焼いて出す店がある。それも決して嘘ではなくて、仕入れの基準も下がるし調理も簡単。
でもこの断面の美しさは分厚いタンを焼いてるからこそ。ありがたいな…、と思って食べる。
ザクッと歯切れて脂が口をひんやり潤す。同時におびただしい量の肉汁がしみだしてきて、噛めば噛むほどにねっとりとろける。一味を皿の片隅に積み上げて、牛たんの断面が真っ赤になるほどまとわせ食べるも、脂の力で辛味があまみに変わっていくのにウットリします。

塩もみした白菜にテイルスープにたんの佃煮、麦ご飯に出汁割りとろろでひと揃え。
出汁で伸ばしたとろろをトロン。滋養溢れる朝のご馳走。力みなぎる熱々スープに滋養に満ちた山芋とろろ。この両方だけでも午前中を戦う滋養とエネルギが得られるような感じさえする。
牛たんを麦飯にのせしばらく休ませ、肉汁が染み出したところでご飯と一緒にパクリ。白米でなく麦飯というのが食感、味わい絶妙で郷土料理とは理にかなった料理なんだとしみじみ思う。白髪ネギがタップリ浮かんだクリアなスープ。よく煮込まれたテールがはらりと繊維がほぐれてとろける。胡椒をパラリ。ススっとすする。うまいなぁ…、体が芯からあったまる。

 

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