九段下、「むさしの」の冷かけそばに添えるのり巻き

九段下の気軽な蕎麦屋「むさしの」にくる。
蕎麦屋にはいろんな蕎麦屋があって例えば日本料理屋のような蕎麦屋があったり、居酒屋みたいな店があったり。
頑なに伝統的な蕎麦だけを売る店があったり、創意工夫に溢れた蕎麦をふるまう店があったりと種類さまざま。そのさまざまにそれぞれ好きな店があるのがたのしくもある。
セルフサービスの立ち食い系の蕎麦屋はなかでも自由。お店、お店に特徴があり値段も手頃。好みの店を見つけるたのしさに溢れてる。オキニイリの店の一つがこの店で、昔は近所にオフィスがあってよく来てました。ひさしぶり。
暖簾の脇にメニューが書かれた木札があって、その一番下に「冷やしをはじめました」と貼り紙。夏限定、ここ渾身の冷たい蕎麦です。それにする。

ずるいものを使わず料理を作るお店です。
だからお店の中に入るとおいしい匂い。
昆布やかつお節、そして雑節の豊かな香りで満たされている。
奥に向かって細長い店。両側の壁に向かってカウンター。椅子が並んで着席できる。
一番奥に厨房がある。料理を作るのはご主人で、アシスタントの女性がひとり。2人にこやかに、ときおりおしゃべりしながら明るく接客。
ちなみに料金は先払い。券売機がカウンターに置かれている。
この券売機が独特で、料理の名前が書かれていない。
100円ボタンとか10円ボタンと金額に応じたボタンが並んでて注文を告げるとご主人がその合計金額を暗算。結果を告げてそれに応じた食券を買い手渡して待つ。メニューの入れ替えやトッピングとの自由な組み合わせができる工夫がなんともステキ。
今日の注文は冷たい蕎麦に天ぷらを二種。いんげん豆のかき揚げにコロッケたのんでのっけてもらう。

お供に海苔巻き。細巻きと太巻きのちょうど真ん中くらいの太さ。芯に甘辛に煮込んだかんぴょう。きっちり巻かれて断面が弾けるように膨れてる。
ネギがタップリ。わかめもたっぷり。商品をうけわたすカウンターには刻んだ赤唐辛子がおかれてて、一味や七味のかわりに使って食べるという提案。天ぷらの上にぱらりとちらして、さぁ、食べる。
まず汁をゴクリと…。キリッと冷たく、だから口に含んだ瞬間は醤油の風味を最初に感じる。ところが徐々に口の中で温度が揚がって、汁本来の味や風味が姿をあらわす。スッキリとしてなのに旨味がしっかりしてる。昆布の自然な甘みが、丼の中のさまざまをまとめて受け止め、最後に酸味が味全体をひきしめる。おいしくて、おいしくて、しばらく蕎麦や具材を食べることを忘れてしまいそうなおいしさ。

そばは湯で置き。一旦湯通し、再び氷水で〆て器にうつして使う。
だからか若干もったりしてる。
ツルツルじゃなく、モサモサ口の中にやってくるのだけれど、むしろそのため汁をたっぷり口の中へとたぐりこんでくれるところがありがたい。
蕎麦の香りは豊かで噛むと軽くぬめって消えていくのもオゴチソウ。
ポッテリとした茹でたじゃがいものコロッケが、崩れて汁に混じって汚す。いんげん豆のかき揚げも衣がほぐれて汁に散らかる。
なのに不思議や…、汁が油で汚れていかない。濁りもせずに最初に飲んだときの味わい、風味をずっと保ってとどまる。赤唐辛子が吐き出す辛味が、出汁の甘みを引き立ててなんとも旨い。
酸味の強いシャリを使った海苔巻きも、この汁、この麺にぴったり寄り添い、あっという間に器は空っぽ。元気がでます…、仕事です。

 

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