本家ぽん多にかつ吉、丸五と、とんかつ3軒食べ歩き

とんかつを食べ歩く金曜日。まずは上野のぽん多からスタート。
上野御徒町にある老舗洋食店。ずっしり重いドアをあけるとカウンター越しに厨房。おいしい油の匂いが漂う。
上等を知る大人の店です。とんかつとは呼ばずカツレツ。しかもロースのみ。それ以外にはタンシチューやビーフシチュー。穴子やエビのフライがある。
まずはカツレツ。
低温でじっくり時間をかけて仕上げた色白のカツ。塩と胡椒の下味だけで豚の持ち味が膨らみ味が整っている。カサカサのパン粉衣にしっとりとした豚の食感。揚げているのに油っこさをまるで感じず、塊肉を蒸し上げて食べているような感覚すらある。上等だなぁ…、大人味。

季節のメニュー、カキフライをたのんでみると大きさ揃った大粒の牡蠣。パン粉を軽くはたいてさっくり。牡蠣の旨味が自然に整う。ウスターソースが用意されててそれを使うと酸味と香りが油を一層すっきりさせる。
分厚いポークソテは自分の脂で表面カリッと揚がるように焼き上げられてて芯の部分はしっとりなめらか。底の部分はザクザクこげて、一口で3つの異なる食感味わい、たのしめる。ご飯も汁も漬物もそれぞれ上等。なによりそれらが入った器もすべて上等で、店に流れる時間も上等。これもとんかつの店なんだよねぇ…、としみじみ思う。一軒目。

 

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地下鉄銀座線にのって渋谷に移動。
二軒目は「かつ吉」。
なつかしい店です。
長らくオフィスのあった水道橋にもお店があって、まだとんかつ専門店が小規模で男性客を相手にしていた時期に珍しく、大型店のレストラン的な店作り。
家族客やグループ客にもやさしい店として人気があった。
日本全国でとんかつ専門店を目指す人たちが参考にした店でもあってなつかしい。
かつては男性正社員だけでやっていた店。いつも店がピカピカに磨き上げられていて感心したものだけれど、今では外国人スタッフも目立つ変化に、しょうがないかとしみじみ思う。

まず漬物がやってきて千切りキャベツをメインにしたサラダがお替りし放題。ココも低温でさっくり揚げたとんかつで、ロースはザックリ歯切れて脂がおいしくて、ヒレはしっとり。ナイフで切らなきゃいけないほどに大きく、太くたくましいエビは頭の中まで旨い。商品の魅力的なところは相変わらずでホッとしました。さて移動。

 

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秋葉原へとやってきて「丸五」で今日の三軒目。
ビフグルマンで星がついたり、トリップアドバイザーで人気がでたりで連日行列。
昔も人気の店ではあった。けれど最近は、いつも行列。特に昼は1時間待ちは当たり前。足がちょっと遠のいていた。
夕方はどうなんだろう…、と思ってきたら案外すんなり入れてびっくり。特ヒレカツとロースカツを定食にする。テーブルの上にはソース、醤油に梅干し、ラッキョウ。千切りキャベツ用のにんじんドレッシングが並ぶ。熱々のお茶をたのまなくても注いでくれるお店の人の気配りが、寒い今日にはあったかい。ここも低温調理で色白系。豚肉の銘柄云々は一切いわぬ潔さ。肉の銘柄、産地を差別化にする店が最近、増えているけどそういう薀蓄は肉屋の仕事。飲食店には要らぬ情報とボクは思って好きじゃない。

実はここのヒレカツがボクは一番オキニイリ。しっとりしていて味わい深く、繊維こまかでとろける感じ。塩のきかせかたが絶妙でソース要らずで十分味が整うステキ。断面の芯はロゼ色、ネットリとして旨味も強く香りはミルキー。
とんかつとして…、というよりも豚肉料理としてここのコレは最高峰と思ってウットリ。
ひさしぶりに食べたロースも見事です。ザクザク歯切れる歯ざわりに力強い脂の旨味。それを邪魔せぬさっぱりとした揚がり加減と専門店とはこういう仕事をするお店…、と感心します。千切りキャベツの状態もよくドレッシングと相性もいい。3軒いって三者三様。どれがいいとかわるいとかじゃなく、どれも独特、そしておいしい。多彩な食の世界はステキ…、満たされた。

 

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