ほっこりの朝、公楽食堂

高松で朝。朝ご飯をホテルの近所の食堂にくる。
「公楽食堂」。
今日で二回目。
お店に入ると元気なおばちゃんの「おはようございます」の声にパッと気持ちが明るく目覚める。
隣にあるビジネスホテルの朝食堂も兼ねてるようで、海外からの観光客でニギワッていたりするのがたのしい。
ワンコイン以下の手軽な朝食メニューもあって、それもいいなと思いもしたけど厨房の前に置かれたショーケースの中にずらりと手作り料理。そこから好きに選んで自分なりの定食にする。それがこういう店の醍醐味で、そうしてたのしむ。ご飯と汁だけたのんで作りたてを出してもらってひと揃え。

厨房の中にはおじちゃん。
おそらく元気なおばちゃんのご主人で、厨房の中でニコニコしながら仕事をしてる。
ボクの汁を作って出して、それでもずっと手を動かしてる。
おそらく昼の料理の準備をしているのでしょう。
5分ほどして、仕込みがひと段落したのでしょうか…、ジャンパー羽織って、それじゃぁ、あとはよろしくなってお店を出ていく。
残ったおばちゃん、一層元気に店を切り盛り。気持ちいい。

たのんだ汁は玉吸でした。
うどんのつゆをグラグラ煮立て、玉子を落として半熟状態にしたモノで「ぎょくすい」と読む。
さすが讃岐の食堂で何種類かのうどんがある。
お店に入ると真っ先に「ご飯にしますか、うどんにしますか?」と聞かれるほどでうどんは製麺所から買った蒸し麺。だからお店の特徴は汁で、ここのはいりこがきいたちょっと甘めのしっかり味。
トゥルンと半熟玉子と一緒にお腹の中にやってきて、朝のお腹をあっためる。

おかずは3つ。
鯖の味噌煮に卵焼き。野菜の煮付けの三点盛り。
棚に並べた作り置きです。
だから冷たい。
けれど不思議とあったかなのです。
大きな工場で作られて電子レンジで熱々にした、例えばコンビニのお惣菜。
あるいは冷凍食品を揚げたり調理したりして、一応のできたてを装うチェーンストアの料理はどこか、熱々なのに冷たく感じる。その真逆。
手作り、しかも作った人の顔がわかる料理は冷めてもあったかい。シットリ仕上がる鯖の塩焼き。身離れがよく、皮と肉の間の脂のプルンとなめらかでおいしいコトにウットリします。
塩と出汁だけつかって作った卵焼き。ウスターソースをドボドボかけてご飯のおかずの味にする。かぼちゃに茄子、ゴボウの炊いたんは素朴ながらも味わい深いご飯がすすむオゴチソウ。

カリカリ固く、酸味がおいしいタクワンに小のサイズの炊きたてご飯。朝のお腹をしっかり満たすに十分のこれだけ食べて、〆て670円。
かつてこの店の目の前が本四連絡橋のフェリー乗り場だった頃から、お腹をすかした人をもてなす店だったのでしょう。お店の前の幟には「おふくろの味」と書かれて風に舞っていた。
テーブルの上にはソースや醤油、塩や胡椒の瓶がズラッと並んでて、熱々のお茶が入ってどうぞとやってくるアルミのやかんも、なんだか田舎のばぁちゃんの家で使っていたようななつかしさ。気持ちがやさしくなる食卓の景色にニッコリ。今日も1日、がんばろう。

 

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コメント

  1. なすび

    ふと思い出して、めっっっっちゃ久し振りにきましたら、いつもどおり楽しくきちょうめんなサカキさんがいらして嬉しいです!
    冷めた鯖の皮がちゅるってむける感じ、読んでてたまらなくなりました、ちゃんと作ってあるごはんって、冷めてるのは冷めてるのでもまた味があっていいんですよね、それ系のわたしの好物は…家の晩御飯に遅刻したときにラップかけておいてあるなんか洋食系付け合わせののびてるスパゲティ。あれ妙においしくないですか?

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      なすびさん
      ラップをかけてふやけたようになったコロッケだとか、メンチカツだとかの衣もおいしいですよね。当然、スパゲティーもふにゃふにゃすると別の食べ物のようになる。温めてもおいしいのでしょうけど、冷たいまま食べるちょっとお行儀悪さがまたおいしさを膨らませてくれます。
      とはいえ…。
      電子レンジでチンしてフニャフニャになったコロッケもおいしいんですけどネ(笑)。

  2. なすび

    ああーっいいですねえっ衣、あのふにゃっとしてふかんじ!!!けど、食べるとちゃんとカリッとしてたときの頼れるしっかり者な感じがまだ残ってて、安心するんですよね!!!

    ところで、サカキさんのブログ、いま舐めるように読ませてもらってますけど、牧のうどん来てたんですね!
    (わたしが前お邪魔してた頃、まだサカキさんのほぼ日での連載はシーズン3でしたから…)わたしんち一号店のまじ近くなので、生サカキさんを見るチャンスを逃しちゃいました!!!実にくやしいです!!!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      なすびさん
      博多うどんの本を書くために、まず牧のうどんさんはおさえなくてはと本店まで伺ったんです。
      うどん工場を見せてもらったり、出汁をとるところも拝見したり、正直で妥協を許さぬうどん作りの現場を拝見してますますファンになりました。
      それにしても、あのうどんを気軽に食べることができるなんて、うらやましくてしょうがありません。

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