はまぐりに海苔、鰻丼、せいろ。営業再開されました

緊急事態宣言下の東京で休業をするお店があった。
少数派ではあったけれども小さいお店で、休業したほうが得する店か、家賃を払う必要がなく中途半端な営業をするくらいならすっぱり休もうと覚悟した店。
オキニイリの「大庵」が後者でずっと休業してた。
本来ならば昨日7日で緊急事態宣言が解ける予定がまた延長になり、けれど今日から営業再開。
お店の人もお客様をしびれを切らしてとうとう再開って感じでしょうか。すでに先週半ばから営業はじめたお店も多く、果たしてこれからどうなることやら…。とはいえここの感染予防対策は入念で、入り口で検温をして連絡先を記入して、案内されたカウンターには飛沫予防の仕切りに消毒スプレーが置いてある。こういうものものしさにもびっくりしない意識の変化にびっくりします。

勇んで来たら営業再開後のファーストゲスト。外を眺めるカウンターの一番箸の一等席をもらって座る。通りに雨傘、雨の昼。黒や透明の傘がほとんどでシェルブールの雨傘みたいに色とりどりの傘が街に咲いていたら雨もさみしくないのになぁ…。ちなみに今日の傘はオレンジ。
はまぐりの酒蒸しをもらってお腹をあっためる。分厚い貝殻、大きくぽってりとした粒がつやつや色っぽく、クニュっと潰れて噛めば噛むほど旨味がにじむ。飲み込みどころがなかなかつかめず、ずっとクニュクニュ。顎を使ってお腹をすかす。
メインは鰻丼とせいろのセット。まずせいろと肝吸いがやってくる。はまぐりのエキスが混じった汁がお椀にたっぷり。汁の白濁はおいしい証拠。そばを浸してスルンとたぐる。貝の旨味が力強くて蕎麦の風味が吹っ飛ぶほどで、それもまたよし。

おいかけ鰻丼がやってくる。
鰻の蒲焼きが半身分。
お腹のほうの脂ののったところがこんがり焼かれてつやつやしている。

鰻の蒲焼き、鰻丼はコロナ以前はなかった料理。
コロナに負けぬ免疫力を…。
贅沢価格の料理を応援価格でお値打ちに…。
とそれで導入された料理でしかもテイクアウトに適してる。
そばじゃテイクアウトもままならず、それで鰻といい工夫。
すっきりとしたそば用のタレ。歯ごたえがしっかりとして香り豊かなそばとの相性がとてもよく、とっぷり浸してズズッと吸い込む。空気と一緒にタレの香りが口から鼻へと抜けていのが、蕎麦を食べてるって実感になる。オゴチソウ。

焼海苔を追加で注文。桐の炭箱であっためられた広島の三国屋の海苔。蓋をあけると海苔の香りがふわりと漂いずっとパリパリ。乾いた状態。
鰻丼の上で海苔を手でもみちらして食べる。ついでにせいろ用のネギも一緒にのっけてひつまぶし風。海苔の香りと、シャキシャキとしたネギの食感、みずみずしさが鰻をおいしくしてくれる。
長い間休業していたからでしょう…、お店は静か。営業を再開してもエンジンがかかるためには時間がかかる。大変だなぁ…、ってしみじみ思う。蕎麦湯でうめたおいしいそばつゆをごくりと飲んでホッとする。

 

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