なんばの大黒、ニューワールドのグリル梵

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さて大阪。今日から明日にかけて片付けなくちゃいけない仕事があって立ち寄る。まず腹ごしらえ。なんばの「大黒」。
大阪を代表する大幹線道路、御堂筋からほんのちょっとだけ曲がったところ。しかもグリコの看板のほど近く。なのにココはひっそり静かでインバウンド景気もまるで関係ない場所。空気がふわっと軽く感じる。ホっとする。
開店とほぼ同時の時間にやってきて、なのでお店の中はボク一人。ぼんやりしてたら常連さんがちらりほらりとやってくる。昼にはかなりにぎわう店も夜はシットリ…、サービスをするおねぇさんもたった一人と静かでござる。

daikoku-kaakuかやくご飯が名物の店。
夜は先が長くてこの後、ハシゴでご飯を食べなきゃいけない。
だからご飯は「小」サイズ。
赤味噌、白味噌、具材が選べる味噌汁は、たいていいつも「白味噌・玉子」で作ってもらう。
けれど今日は「粕汁」にする。

田舎にいた頃、おばぁちゃんが冬になると粕汁作ってよく食べていた。
体があったまるし栄養あって元気になるんだ…、と。けれど小さい子供に粕汁はあまりおいしく感じなかった。
ひさしぶりに食べてみようと注文をして、おかずと一緒に次々器が並んで食卓出来上がっていく。
ご飯に汁の蓋を開けると湯気がポワン。おいしい香りがやってくる。

細かく刻んだお揚げとこんにゃく。具材の存在感が勝負のいわゆる炊き込みご飯と違って、かやくご飯は具材を感じずご飯が主役であるご飯。出汁の旨みと醤油の風味。そして時折、舌が感じる具材が作る賑やかさ。気持ちがほっこりするオゴチソウ。

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焼いた魚がおいしい店ではあるけれど、今日はちょっと変わったおかずの組み合わせ。
茄子の炊いたん、それから鯛の子。どちらも出汁のおいしさで料理の出来栄えが変わる料理。甘み控えめで出汁の甘みで味わう茄子はシットリとろけて、口の中がみずみずしくなる。
鯛の子は今が一番おいしい季節。大きく太った鯛の子を口に含むと揃った粒の魚卵がパラリ。口の中を転げ回ってネットリさせる。あぁ、オゴチソウ。かやくご飯がどんどんおいしくなっていく。やさしく炊いても崩れてちらかる魚卵をもれなく味わえるよう、最後に軽く玉子を流しちらかる粒をキレイにまとめる。そのシットリとした食感も、出汁をタップリ含んだ玉子もおいしくて、疲れほどけるオゴチソウ。

bon-osimaiそれにしても粕汁の味わい深くておいしいコト。
旨みがどっしりしているのでしょう。
味噌とは違ったスッキリとした旨みがあって、けれど渋い。酒粕ならではの荒々しさがあってやっぱり大人味。香りもどこかとっつきづらい。
子供の頃に苦手と思ったのはこの渋み、それから匂いだったんだろう…、って思ったりする。
具材タップリ。ニンジン、大根、それから鮭とどれもが大きく切り分けられてて、その持ち味も生き生きしてる。一口ごとに体が芯からあったまる。

ボクのあとからやってきたおなじみさんがお店の人と世間話する。
そういえば、いつも来ていたあのおばぁちゃん。
最近、元気にしています?とおなじみさんが心配して聞く。
ちょっと足を痛めて最近、いらっしゃらないんですよ…、ってお店の人が答えたら、「晩御飯、もう食べたんかいな」と電話取り出しかけて聞く。
しばらくやり取り。
「ちょっと待っといてな」って電話を切って、炊き込みご飯とおかずを何種か、届けてあげるからお弁当に作ってや…、って。東京の人ならお節介と思う世話焼き。大阪の街は人情味で出来てるんだって思ったりした。あったかい。

 

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bon3bon2bon1それから移動。
ひさしぶりに寄りたいお店「グリル梵」にくる。

通天閣のお膝元。新世界の路地裏にある。
会員制の看板がついたスナックが建ち並ぶ路地。
夜に歩くと野太い声で美空ひばりを歌う声が聞こえてくるような妖しい小道の一角に年季の入った佇まい。
1961年創業といいますから、ボクより1歳年下の店。名物の二代目さんは今ではほとんど料理を作らず、おなじみさんに愛想振りまき注文をとるシアワセな立場。厨房の中では若い女性シェフが腕を奮って料理を作る。
ポークチャップを食べたかった…、そのクラシックな味わいは格別でお店に入ってすかさず言ったら、なんと今日は豚肉がもう残ってないと!牛肉ならばあるんだけどって言われてガッカリ。豚肉よりも牛肉の仕入れがそもそも多いからネっていうのがなんとも大阪的。

bon-kbbon-karappoならばとたのんだ、ココの名物料理。
カツレツのカレー煮込みを選んでたのむ。

ステンレスのお皿にのっかった姿を見るとカツカレーのごはん抜き…、って感じの風情。
カレーのおいしい香りがします。
分厚いカツを一切れ、パタンと倒して断面ながめてみると、見事なロゼ色。
牛肉をおいしい状態に焼き上げたときに特徴的な肉感的でつややかな色。
パン粉衣は案外ぶ厚め。
細かなパン粉がギッシリついて、ザクッと揚がって衣の半分くらいまでカレーソースが染み込んでいる。

食べます。
ザクッと歯切れる衣がかなりの独特で、パン粉がシットリ。
けれどサクッと揚げ上がった名残も感じる。
濡れているのに香ばしく、やわらかなのにときおりサクッと乾いた食感がオモシロイ。

肉はネットリ。粘り気があり分厚いくせしてやさしく歯切れる。
同じ揚げても豚肉は肉であることをやめてとんかつになるのだけれど、ビーフカツレツはずっと肉であることを忘れず熱が入ってく。カレーの味わ控えめで辛味が後からほんのちょっとだけ顔をあらわす。カレー風味のデミグラスソースって感じがおいしく、スプーンですくってキレイに食べた。
表面だけを茹でたキャベツに極細パスタのマヨネーズ和え。どれもおいしくしかもすべてがスプーンとお箸で食べられる。
日本の食事にナイフやフォークは不釣り合い。前歯で感じ奥歯で味わうおいしい料理にニッコリします。堪能です。

 

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コメント

  1. 茶碗交番

    大黒→グリル梵!ただひたすら羨ましいです!
    平和ラッパ・日佐丸の「天王寺の亀がのぅ~」が聴こえて来ます!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      茶碗交番さん
      こういうお店って東京にないお店の代表ですよね。
      梵のあたりをウロウロしていたら、見知らぬ人にニコニコ微笑みかけられます。
      昨日は、「久しぶり…、どこに飲みに行くの?」と聞かれ、怪訝な顔をしていたら、あぁ、知り合いにそっくりだった。ごめんな…、って。
      とぼけてついていったらおごってくれたのかしら…、って思ったりしました(笑)。

  2. 茶碗交番

    ガイド付きで蕎麦屋さんの団体(スーツ姿)に混じって缶ビール片手に新世界見物していたら、ずーっとついてきたおっちゃんに「アンタら国連の人かぁ⁉ ビールって素敵やなぁ~💖」っとマジ顔でやられちゃいました‼

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      茶碗交番さん
      国連!
      おっちゃんの中では、まるで違った世界に生きている人を思いっきり表現したのでしょうね。たのしい。
      おっちゃん、絶対、ビール飲みたかったはず(笑)。

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